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「高校留学と大学留学の違いって?」第7回 ~2014年カナダ派遣 秋山みなもさん~

更新日:2020年11月27日

高校生交換留学プログラムの説明会を開くと、「親から留学は大学生になってからにしなさいと言われた」とか「高校留学と大学留学の違いがわからない」などといった声が聞かれることがあります。

でも、高校生交換留学と大学生で行く留学は実は全く異なります。その具体的な違いとは一体なんなのでしょうか。

このシリーズでは、高校時代に交換留学を体験し、その後大学留学(1年留学/4年留学)も体験したOB/OGの言葉から、高校留学と大学留学の違いについて紐解いていきます。


第7回は、2014年にEIL高校生交換留学プログラムでカナダに留学した、秋山みなもさん(滋賀県出身)です。

 

Q1. 高校から現在までの経歴を教えてください

高校留学の終わりの頃

 2014年に高校3年生でEIL高校生交換留学プログラムでカナダへ留学。帰国後3年生に復学。2016年に日本国内の大学へ進学。2年次に在籍校の派遣留学制度を利用してオーフス大学(デンマーク)に1年間留学しました。


Q2. 高校留学をしようと思ったきっかけは?

 小学校高学年の頃から、バレエダンサーを目指して欧米のバレエ学校へ留学したいと思っていました。しかし、私の努力不足でこれを実現することはできませんでした。

 高校生の私は、目標を諦めてしまった挫折感から、何事にもどこか後ろ向きで、将来について悩んでいました。そんな私が留学したいと言い出したのは、バレエを通してずっと憧れてきた海の向こうの世界で暮らすことで、ネガティブな自分から抜け出せると期待したからです。また、高校生の間に留学して、自分の人生を模索したい気持ちがありました。我ながら、思春期の甘えた留学動機だったと思います。それにも関わらず家族をはじめ多くの人に応援してもらって高校留学を実現できたことは、感謝してもしきれないありがたいことです。

ホストファミリーのサポートで出れたバレエの大会

Q3. 大学でもう一度留学しようと思った理由といつ決めましたか?

 カナダ留学から帰国する頃には大学で欧州へ留学したいと思案していました。

 きっかけは、長期間休んでいたバレエのレッスンをカナダで再開したことです。毎週ホストファミリーが何時間もかけて車で送り迎えしてくれたおかげで、1年間バレエに通い続けることができました。バレエを踊ることがどれほど好きで、日本で当たり前のように毎日バレエの練習に打ち込めた日々がいかに恵まれていたのか痛感しました。そして、できるだけ長くバレエを続けることが人生の目標になりました。さらに、カナダの高校生が自分の好きなことや特技を生かして進路選択する様子に刺激を受けた私は、大学でバレエや芸術を専攻し、バレエの本場である欧州へ研究留学してみたいと考えるようになりました。


 カナダから帰国して美学芸術学専攻の学科へ進学することを決断した私は、芸術やバレエについて学ぶための研究留学を本格的に計画しはじめました。大学入学直前の春休みには派遣留学制度の協定校リストを入手し、欧州各国の全ての協定大学について可能な限り情報を集めました。大学入学前に留学する意思を固めていたおかげで、言語資格試験の勉強を含む出願準備に余裕を持って取り組めただけでなく、大学入学直後から留学スケジュールを念頭に置いて履修登録やサークル選びができて良かったです。


大学の授業の一環でフラッシュモブをした時

Q4. 大学の留学先を決めた理由は?

 私が留学先に選んだデンマークのオーフス大学は、同国で最多数の学生が在籍する総合大学で、非英語圏の大学でありながら英語で履修できる授業が比較的多いことが重要な決め手でした。また、日本の講義中心の授業形式と異なり、クラスワークへの参加や個々の研究活動を重視する授業形式がとられていることを知って、アカデミックスキルを磨きながら研究テーマを深められる学習環境に魅了されました。さらに、幸福度の高い国として知られるデンマークにおける芸術と社会の関係性に興味がありました。特に、オーフスは2017年に“欧州文化首都(European Capital of Culture)” という欧州連合における文化芸術振興事業の中核都市に指定されていたことから、文化芸術振興に関する実践的な学びの機会が期待できました。このように、キャンパス内外で自身の専攻分野を主体的に学び深めることができる環境があるオーフスは、私にとって理想の留学先でした。

大学留学でもバレエを続けました

Q5. 高校留学と大学留学の違いは何だと思いますか?

 私は、高校留学は心で学び、大学留学は頭で学ぶ経験だと考えます。

 カナダ留学中、もちろん現地高校での学業には一生懸命取り組みました。日々の授業をこなしながら培った英語力は大学生活や大学留学にも役立てられたに違いありません。しかし、勉強して得た学びは、高校生として経験した異文化生活のほんの一部でした。むしろ、ホストファミリーや友人と過ごした日常生活のなかで感じた喜びや悲しみ、学校生活が思うようにいかず悩んだ経験、バレエの大会にチャレンジして得られた達成感など、心で学んだことの方が圧倒的に多かったです。

 一方で大学留学は、研究や語学習得などを目的として頭を使って学ぶ留学だと思います。私の場合、デンマーク留学は、膨大な量の課題に追われながら必死に授業に食らいつく毎日でした。また、留学を契機にデンマークの伝統的なバレエ文化に関心を抱き、帰国後には留学中に収集した文献や資料を元に同テーマでさらに研究を進め、最終的には卒業論文を執筆しました。高校留学で異文化生活を経験したことがあったからこそ、大学留学では学術的な目的の留学を実現できたと思います。


Q6. 高校生の間に留学するメリットは何だと思いますか?

 高校生として異文化圏で“普通”に生活することは一生に一度しかできないからこそ、大学生や大人になってから旅行や留学や仕事で訪れる海外とは違う特別な価値や学びがあるのではないでしょうか。私の場合は、高校留学を経て、好きなことが続けられる喜びと感謝の気持ちを忘れずに、自分の信じる道を歩みたいという覚悟ができました。また、数年後や数十年後に叶えたい大きな夢や目標ができただけでなく、1日、1週間、1ヶ月単位の小さな目標を設定する習慣がつきました。人によって高校留学の動機は様々ですが、10代のうちに留学して異文化を知り、日本を知り、そして自分自身を知る経験は、その後の人生にとってかけがえのない宝物だと思います。

 

次回は、ドイツへの交換留学に参加した後、ドイツの大学へ進学したOBの体験談を予定しています。お楽しみに!


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