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【高校生交換留学体験談】H.Y.さん(エストニア派遣)Part.7

 EIL高校生交換留学プログラムの2020年夏派遣プログラムは、新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、原則としてすべて中止となりましたが、一部プログラム参加の強い希望をいただいた生徒については、派遣先国の状況も見ながらプログラムを催行しています。  そのうちのお1人がエストニア派遣のH.Y.さんです。実はエストニア派遣プログラムは2020年派遣から募集を開始し、H.Y.さんが記念すべき第一号です。「エストニア派遣第一号として、自身の留学体験を多くの方に伝えたい!」との思いで、自ら体験レポートの執筆を申し出てくれました。

 では、第7弾のレポートをお楽しみください♪

 

 エストニア生活も8か月目に入りました。暖かい日が増えてきましたが、3月から4月にかけてはコロナの感染が深刻でロックダウンが続きました。(4月末現在、エストニアのコロナは減少傾向に向かっていて、5月からは低学年や受験生は登校できることが決定しています)



留学団体でのナルヴァ旅行(2月末)

 遡ること2か月、ASSE(現地受入団体)が希望者を募り一日のナルヴァ旅行にバスで行きました。ナルヴァはエストニアの西側、ロシアに接する部分に位置します。エストニアは長年ソ連の支配下に置かれていて、1944年にはソビエトとドイツのナルヴァの戦いで戦場になった場所でもあります。この地域では、1994年にロシア軍が撤退するまで、エストニア人が住むことやエストニア語を話すことを許されていなかったので、撤退した今でもロシア人が9割を占め、エストニア人にとっては過去を思いだたせる辛い場所となってしまっているのです。建物等も、首都タリンとは比べ物にならないほど、古く壊れかかっているものが目立ちました。



 まず初めに鉱山、採掘についての博物館に行きました。ヘルメットをつけ、実際に地下に行き、どのような機械を使い、どのように作業が行われていたのか見ることができました。外気温は8℃ほどでしたが、地下はさらに寒く、水が上から垂れてきていて少し怖かったですが、実際にトロッコで移動したり、初めて見る景色で興味深かったです。大きな機械が導入されるまで、手作業で採掘が行われていましたが、その過酷さは想像以上のものだろうと、地下に行くことで感じました。機械が導入されても、騒音の大きさや力作業であることに変わりはないので、大変な仕事だったと思います。


 ここはNarva Jõesuu Beachと呼ばれ、海の方角にはフィンランドが、西に1kmほど進むとロシアとの国境がある場所に位置します。まだ寒さが残る時期だったため、海は凍っていて、海の上を歩くという日本に住んでいては考えられなかっただろう貴重な経験をすることもできました。曇りだったのが残念でしたが、海の異なる姿を見れてとても興味深かったです。


 その後、さらにロシアの国境方面に車で進む中で、戦車の記念碑を見つけました。戦車の指す方角には川を挟みロシアがあり、二度とあのような悲惨な戦いが起こらないことを願って置かれているそうです。

 最後に、ナルヴァ城に行きました。この城と向き合うように、川を挟むとロシアの城もあります。橋を渡ればすぐそこから国が違うなんて日本では考えられないことでとても新鮮でした。ナルヴァ城の中は、戦争、伝統、城の歴史など幅広い分野のことについての展示が行われており、さらに城の頂上からの見晴らしはとてもよかったです。西方向にはエストニアの建物を、東方向にはロシアの建物を見ることが出来、国が違えば雰囲気も異なることを身をもって感じました。


イースター

 4月4日はイースターで、このイベントはエストニアで大切にされているものの一つです。私は祖父母の家に行き、伝統の食べ物とイースター作りを体験しました。

 まず、イースターエッグ作りについて。エストニアでは、自然のものを使い着色します。私が使ったのは玉ねぎの皮(紫と茶色のもの)とコーヒーの粉です。これらで卵を包み、茹でることで、色を付けることが出来ました。その後、市販で販売されているオーガニック着色料を使い、シスターと一緒に色つけをしていきました。



 次に、伝統の食について。柔らかく調理されたうさぎの肉、ポテト、人参、かぼちゃのマリネをメインに、デザートにはロシア発祥のパーシャ(甘さ控えめにアレンジしたもの)を頂きました。元々の伝統的なパーシャは、コテージチーズ、生クリーム、卵、砂糖、アーモンド、レーズン、オレンジピール、バター、サワークリームから出来ています。私にとって、アレンジしたものでも十分甘かったので、元のパーシャは相当甘いのではないかなと思います。また、うさぎの肉を食べたのは初めてだったのですが、食感は他の肉に比べパサパサしており、正直私の好みではありませんでした。留学中には、自分が食べたことの無いものに多く出会います。日本にいた頃の私は、うさぎの肉と聞いただけで、食べるのを躊躇したと思いますが、留学と同時に、まずは何でも挑戦してみようと決めたため、抵抗なく新しいものに挑戦できるようになりました。好きか嫌いかは試してみないと分からないものです。うさぎの肉は私の好みではありませんでしたが、例えばアボカドやサワークリームなど昔は苦手だったものでも、食べているうちに好きな物に変わることもあります。抵抗のある食べ物と出会った時も、まずは試してみることが留学中には大切だと思います。



 学校閉鎖が2ヶ月以上続き、ホストファミリーとの話し合いの結果、家族以外と会うことを控えているため、なかなか現地の人や留学生と交流が出来ず、難しい時期が続いています。なので、残りの期間に少しでもコロナの状態が改善し、友達と会える日が来るといいなと願っています。


(文章・写真 2020年エストニア派遣H.Y.さん)

 

2020年エストニア派遣H.Y.さんの留学体験記はコチラ。


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