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【高校生交換留学体験談】H.Y.さん(エストニア派遣)Part.3

 EIL高校生交換留学プログラムの2020年夏派遣プログラムは、新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、原則としてすべて中止となりましたが、一部プログラム参加の強い希望をいただいた生徒については、派遣先国の状況も見ながらプログラムを催行しています。  そのうちのお1人がエストニア派遣のH.Y.さんです。実はエストニア派遣プログラムは2020年派遣から募集を開始し、H.Y.さんが記念すべき第一号です。「エストニア派遣第一号として、自身の留学体験を多くの方に伝えたい!」との思いで、自ら体験レポートの執筆を申し出てくれました。

 今後、連載としてお伝えしていく予定です!では、第3弾のレポートをお楽しみください♪

 

 秋の美しい紅葉の季節は一瞬で過ぎ去り、雪があまり降らない年もある中で、今年は11月の時点で初雪が降り、寒い冬がやってきました。エストニアに来て3か月目の出来事、感じたことを書いていこうと思います。


FUTUREHEROESの卒業

 留学が始まり右も左もわからない中、参加したこのプログラムが12月12日をもって終了しました。コロナの影響で後半のイベントはすべてオンラインになってしまい、コミュニケーションをとるのが難しくなってしまいましたが、グループの活動も無事終了しました。私たちのグループGood for earth good for usは、「T-シャツがどのように作られ、どのようにリサイクルができるのか、環境への影響は何なのか」などのテーマのパワーポイントとビデオを作成し、小学校に教育プログラムとして送り、教育してもらうという活動でした。オフィスを借り、話し合いやパワポ作成を行ったのは会社員として働いているようで、不思議な興味深い体験でした。優秀賞には選ばれませんでしたが、このグループで2か月半活動できて本当に良かったです。



 グループ活動とは別に、この一年間で目に見える形で何かをやり遂げたいと思っていたため、個人の目標として、折り紙で作ったものを100人にプレゼントするというものを設定していました。1年間かかるかなと思っていたのですが、FutureHeroesに参加したこともあり3か月で達成することができました。お決まりの言葉として、折り紙が日本文化であることと、自分の目標を伝え、可能であれば写真を撮らせてもらっています。プレゼントしたときに目を輝かせてくれて、私のカメラに向かって笑ってくれる笑顔を見たときに、作ってよかったと思えて、心がとても温まります。プレゼントした人の中には、そのあとに自分で折り紙を作ってくれた人や、ソーシャルメディアで拡散してくれる人もいて、自分の行っている影響がエストニアに広まっている気がして、とてもうれしいです。

 このプログラムの主催者の方が、私の活動に興味をもってくださり、数人しか選ばれない卒業インタビューの1人として私を選んでくださいました。短いものでしたが、これまでマイクをつけ行うインタビューを経験したことがなかったので、とても新鮮で、多くの人の中から選んでもらえたのが嬉しくて、自分の行ってきたことに対して自信を持つことができました。私の活動は小さいですが、これをきっかけに日本に興味を持ってくれる人が1人でもいたらいいなと思っています。100人で満足するのではなく、次の目標に向かって頑張ります。


100人達成を目指して100個のパズルピースを順番に塗っていました


日本料理とエストニア料理

 私のホストファミリーは嬉しいことに、日本にとても興味を持ってくれています。そして私は料理をするのが好きです。なので、これまで焼きそば、カレー、お寿司、餃子、抹茶のスイーツなどを作ってきました。ファミリーが一口目を食べたときどんな反応をするかわくわくすると同時に、口に合うか少し不安になります。しかしありがたいことに、おいしいと言って食べてくれて、お代わりまでしてくれます。ちなみに、マザーは焼きそば、シスターはカレーが好みだったようでまた食べたいと言ってくれました。毎回マザーは、次の日本食も楽しみにしてると言ってくれるので、本当に嬉しいです。

 エストニアの料理は日本料理に比べ、シンプルで、味付けは塩、またはサワークリームがメジャーです。私のシスターは、何にでもサワークリームをかけるほど大好きで、同じジャンルの味になるのに飽きないのかなと思ってしまうほどです。このことから、日本はいかに調味料が多いのかということに改めて気づくことができ、日本に帰国して料理をするのが待ち遠しくなりました。また、日本では3食が基本ですが、エストニアでは一回の食事の食べる量が少なく、おなかがすいたときに食べるという食生活なので、一日2食の時もあれば、多いときは4、5食のときもあります。私にとって、これまでの食生活とは大きく異なるため、新しい発見でした。


Youth centerの存在

 エストニアにはいくつかのYouth centerといわれる、子供たちが放課後などに無料で、自由に遊べる施設があります。日本でいう学童保育のようなものなのですが、対象になっているのは小学生から高校生まで全員で、イベントなどもここで行うことができるのです。この施設には、コンピューター室、キッチン、スケートボードの練習場所、体育館のようなものまであり、とても充実している印象を受けました。



 先日、ここで行われた友達主催の料理教室に、巻きずしの先生として呼んでもらいました。自分一人で作り食べてもらうのとは違い、小学生の子たちに分かるように説明する必要があったため、具材を詰めすぎて巻けないという問題が発生したりと、少し苦戦することもありましたが、だし卵づくりも成功し、笑いがあふれる楽しい会となりました。ここで驚いたことは、材料費などは事前交渉を行えば無料ということで、気楽にイベントを主催することができるということです。私も、担当者の人とお話しさせてもらい、日本についてのイベントを行いたいと伝えたところ、「コロナがもう少し収束したらぜひ行おう」というありがたいお言葉をいただくことができました。実現可能になる日が待ち遠しいです。



コロナの状態

 日本の感染状況が拡大しているのと同様に、エストニアも11月の後半から感染者がさらに増え始めたことを受け、高校と大学は、11月の終わりから1月10日までの期間はオンライン授業に変わりました。さらに、12月の中旬から小学校も閉校となるようです。私の学校でもコロナ感染者が数十名出ていて、いよいよ深刻になってきてしまったなと感じています。もともとマスクの文化がないエストニアは、マスク着用を促すのが難しいようで、11月の終わりから、公共施設やバスで着用していないことが警察に見つかった場合、罰金の措置が取られることになりました。フランスなどとは異なり、エストニアではロックダウンは行われていませんが、クリスマスマーケットの縮小などの対策は行われました。今のところ、あまり不自由さを感じることはありませんが、冬休み明けどうなるのかなと少し不安になります。


最後に

 エストニアに慣れることを目標にした2か月間とは異なり、エストニア語の習得に重きをおいた3か月目が終わりました。ホストマザーの助けが大きく、単語力が増えたことで、聞き取り話せることが増えました。今月からは、家ではできるだけエストニア語で会話しようということで、一日の予定などをエストニア語で伝えたりと、日々のコミュニケーションを英語から移行し始めました。私がわからない顔をすると、すぐに英語で教えてくれるのではなく、ゆっくり言ってくれたり、ほかのエストニア語を使い説明してくれることがとてもありがたく、一日の出来事をエストニア語で伝えるのが楽しみの一つとなりました。4か月目のほとんどは家で過ごすことになりますが、有意義なものにできたらなと思っています。


(文章・写真 2020年エストニア派遣H.Y.さん)

 

2020年エストニア派遣H.Y.さんの留学体験記はコチラ。


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