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【高校生交換留学体験談】A.T.さん(アイルランド派遣)

  • 執筆者の写真: EIL Japan
    EIL Japan
  • 8月12日
  • 読了時間: 8分

更新日:11月20日

 2024年の夏から、EIL高校生交換留学アイルランド派遣プログラムに参加していたA.T.さん。今回、ご自身の留学体験を多くの方と共有したいと、レポートを書いてくださいました。


 ホストファミリーやホストスクールのことなど留学生活で体験したこと・感じたことを書いてくださいました。ぜひお楽しみください!

10ヶ月間の成長と絆

 アイルランドでの10ヶ月間の留学生活を終えて、今振り返ってみると、本当にあっという間だったけれど、その中にはたくさんの出会いと学び、そして自分自身の成長がぎゅっと詰まっていたように思います。最初の頃は、何もかもがわからない状態で、「本当にやっていけるのだろうか」と毎日不安ばかり抱えていたのを覚えています。でも、今では心から「行ってよかった」と言えるような、本当に貴重な経験になりました。このレポートでは、僕がアイルランドで経験した学校生活、ホームステイ、課外活動、そして最も心に残った瞬間について、正直な気持ちを込めて書きたいと思います。



学校生活での思い出と成長

 僕にとって、アイルランドでの一番の思い出は、やっぱり学校生活です。初日はもちろん友達が1人もいなくて、しかも同じ学年に他の留学生は僕しかいなかったので、正直めちゃくちゃ不安でした。教室に入っても誰にも話しかけられず、休み時間もひとりで座っていたりして、「どうやって過ごせばいいんだろう」とずっと考えていた記憶があります。でも、毎日を少しずつ過ごしていく中で、徐々にクラスの雰囲気にも慣れてきて、勇気を出して自分から話しかけるように意識しました。例えば、隣の席の子に「ねぇ、これってどういう意味?」って質問してみたり、休み時間に「今日の授業、面白かったね!」なんて声をかけてみたり。そうすると、少しずつですが友達が増えていき、学校に行くのが楽しみだと感じるようになっていきました。

 授業では、英語での説明についていくのはとても大変でした。特に、先生が話すアイルランド英語のイントネーションには最初戸惑いました。でも、クラスメイトが使っている表現を真似したり、教室内の何気ない会話から自然な英語を学ぶこともできました。例えば、「What's up?」とか「Cheers!」なんて言葉は、教科書からではなく友達との会話の中で覚えました。冗談を言ったり、笑い合ったりする中で、英語に対する抵抗も減り、言葉だけでなく、文化そのものを体で覚えていったような感覚です。何よりも、「誰かが声をかけてくれるのを待つんじゃなくて、自分から動くことが大事なんだ」と気づけたことが、自分にとって一番の成長でした。それまではどこか受け身だった自分が、積極的に動くことで人との距離が縮まっていくのを実感できました。この経験は、これからの人生でもきっと役立つはずです。

 最終日、たくさんの友達が「Gonna miss you」「Don't leave」と声をかけてくれて、帰国後には「もう日本に着いた?」「次はいつ戻ってくるの?」といったメッセージも届きました。それを読んでいるうちに、思わず涙がこぼれてしまったのを今でも鮮明に覚えています。お別れは本当に寂しかったけど、そんなふうに思ってくれる友達に出会えたことは、僕にとって何よりの宝物です



ホームステイでの生活

 留学生活の中で、学校と並んで大きな経験だったのがホームステイです。僕はアイルランド第2の都市・コークに住んでいたのですが、最初の1ヶ月は本当にしんどかったです。到着したばかりの頃は、英語の聞き取りにも全く自信がなくて、特にコークは訛りが強いことで有名な地域だったため、ホストファミリーが話す英語がほとんど聞き取れず、「こんな状態でやっていけるのか…」と不安でいっぱいでした。しかも、初めの1週間ほどは、ホストファミリーとの間にどこか距離を感じていて、気を遣ってばかりでうまく馴染めずにいました。ご飯の時も、何を話していいか分からなくて黙ってしまったり、自分の部屋にこもりがちになったり。でも、「このままじゃだめだ」と思い、とにかくリビングに行って一緒に過ごす時間を増やすようにしました。テレビを一緒に見たり、ご飯の後に少しおしゃべりしたり、そういった小さな積み重ねがきっかけとなって、少しずつ自然な会話が生まれるようになりました。例えば、テレビで流れているコマーシャルの話から、アイルランドの文化について教えてもらったり、僕の日本の家族の話をしたり。特に嬉しかったのは、家族みんながサッカー好きで、僕もスポーツ観戦が好きだったので、一緒に試合を見ながら盛り上がれる時間があったことです。アイルランドの地元チームの試合を一緒に応援したり、プレミアリーグの話で盛り上がったり。共通の趣味があるだけで、ぐっと距離が近くなった気がして、文化や価値観が違っても、心が通じ合える瞬間があることに気づけました。

 言葉だけじゃなくて、「一緒に楽しもう」っていう気持ちが大切なんだなって。ホームステイを通して、言葉以上に大切なのは「一緒に過ごす姿勢」だということ、人との関係は、時間と気持ちを込めて築いていくものだということを実感しました。どんな時も笑顔で迎えてくれて、悩んでいる時も相談に乗ってくれたホストファミリーには、本当に感謝しています。彼らは僕にとって、アイルランドの家族です。


課外活動を通じて広がった世界

 課外活動では、大きく2つのことが心に残っています。1つ目は、アイルランドならではの文化を体験できたことです。3月17日のセント・パトリックス・デーという祝日は、日本では体験できない雰囲気で、町中が緑に染まり、みんながパレードや音楽で楽しむお祭りムードに包まれていて、まさに「アイルランドの心」を感じる瞬間でした。パレードの観客として参加しているだけでも、その熱気に圧倒されました。また、食文化の違いも面白くて、主食がじゃがいもというのは最初は驚きましたが、次第に慣れてきて、「今日はどんな形で出てくるのかな?」と楽しみになるほどでした。フライドポテトはもちろん、マッシュポテトやシェパーズパイなど、じゃがいものバリエーションの多さには驚きました。紅茶も毎日何杯も飲むのが普通で、最初は多すぎると思っていたのに、気づいたら自分も同じように飲んでいたのが不思議です。ハーリングというアイルランド特有のスポーツも体験し、日本にはない文化の奥深さを感じました。これは本当にスピード感があって迫力満点でした。

 2つ目は、アイルランド国内の観光です。アイルランドは小さな国ですが、都市や町によって雰囲気が全く違っていて、それぞれの魅力がありました。例えば、タイタニック号の最後の寄港地であるコーブの町では、歴史や文化に触れることができましたし、ギャルウェイやリムリックといった地方都市では、地元の人々の温かさや自然の美しさに感動しました。特に、モハーの断崖は圧巻でした。断崖絶壁から見下ろす海は、本当に吸い込まれそうなほど美しくて、地球の雄大さを感じました。移動は電車で、1日に3〜4本しかないことも多く、片道1時間半以上かかる旅は少し大変でしたが、その分だけ「旅に出る特別感」があり、毎回の外出がとても楽しみでした。こうした経験を通して、「知らないことに飛び込むことの大切さ」や「新しい世界に出会う面白さ」を実感しました。ガイドブックだけでは分からない、アイルランドの本当の姿を見ることができました


留学で最も心が震えた瞬間

 10ヶ月間の留学生活の中で、最も心が震えた瞬間は、やはり帰国直前に開かれたお別れパーティーです。僕が5月末に帰国することを伝えてから、日が近づくにつれて、多くの友達が「あとどれくらい?」と声をかけてくれるようになり、最終週にはクラスのみんながサプライズでパーティーを開いてくれました。普段通りに学校に行ったら、教室が飾り付けされてて、「サプライズ!」って言われた時は、本当にびっくりしたし、同時にめちゃくちゃ嬉しかったんです。その場で、友達が僕の名前を大声で呼んでくれて、「Gonna miss you」「Don't leave」って言ってくれた言葉は、今でも心に強く残っています。初日の、誰も僕の存在に気づいてくれなかったあの日から考えると、信じられないくらいの変化でした。その瞬間、自分がこの場所で受け入れられ、誰かの記憶にちゃんと残れたことが本当に嬉しくて、自分でも涙が止まりませんでした。もちろん、英語はまだまだ勉強が必要だし、完璧には程遠いけれど、それでも「10ヶ月間、ちゃんとやりきったんだ」という達成感と、自分の中に生まれた確かな自信は、一生ものの財産だと思います。あのパーティーは、僕のアイルランドでの努力と、友達との絆を形にしてくれたような、そんな忘れられない思い出です。



まとめ

 このアイルランドでの留学は、僕の人生の中でも絶対に忘れられない経験になりました。英語力の向上だけではなく、人との関わり方、異文化への理解、自分から動く勇気、そして何より「挑戦することの大切さ」を学ぶことができました。留学前は、漠然と「英語を話せるようになりたい」という気持ちが強かったけれど、実際に生活してみて、英語はあくまでコミュニケーションのツールでしかないということ、そしてそれ以上に、人と人との繋がりや、新しい文化を受け入れる柔軟性が大切だと実感しました。これからもこの経験を胸に、新しいことにどんどん挑戦していきたいと思います。失敗を恐れずに、まずは一歩踏み出すこと。アイルランドで学んだこの姿勢を忘れずに、これからも色々なことにチャレンジしていきたいです。そして、またいつかアイルランドに戻って、大切な人たちに「成長した姿」を見せられるように、これからも頑張っていきます。

 この留学レポートが、これから留学を考えている人たちの参考になったら嬉しいです。高校生での留学経験は、きっとあなたの人生を豊かにしてくれるはずです。


(写真、文:2024年度アイルランド派遣生 A.T.

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