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~OB/OGが見たコロナ禍の世界~第2回 オーストラリア在住 サンダーソン 倫美さん

更新日:6月21日

全世界で猛威を振るう新型コロナウイルス。

Experimentersでは、そんなコロナ禍を海外で過ごすことになった、EIL高校生交換留学プログラム派遣生たちの体験談に加え、海外で生活をしているOB/OGからのレポートもお届けします。


高校生交換留学プログラムを経験し、それぞれの事情から海外で生活するOBOG達。

お子さんがいる方たちも多く、海外のコロナ禍における子育てという視点も興味深いのではないでしょうか。

ぜひ、派遣生とはまた異なる視点による各国のコロナ禍における暮らしの様子を読んでいただければと思います。



▼記事はコチラ!



今回は、オーストラリア在住のサンダーソン 倫美(1999年アメリカ派遣、京都府出身)さんからの報告です。

 

■滞在地域と在住歴

オーストラリア、ビクトリア州

2008年、ワーキングホリデー制度を活用して渡豪し、そのまま定住し現在に至る。


■家族構成

旦那、長男(7歳)、次男(5歳)とわたしの4人家族










■滞在地域のコロナに対する変化

オーストラリアでは1月末頃に国内での最初の感染者が出ました。2月の時点では直接的な影響はないものの少しずつ緊張感が高まり、私たちは今年5月から6月にかけて予定していた日本への一時帰国をキャンセルしました。 そして3月には感染者も増え、ビクトリア州では16日に非常事態に入り、現在まで更新されています。

こちらの学校は1学期が1月末頃から3月下旬(毎年イースターに合わせて変わります)までですが、今年は州の指示で予定より数日早くイースターホリデーに入りました。うちは夫婦で相談し、当初の学期末より2週間早く自主的に登校自粛を始めさせました。2学期は州下全ての学校が在宅学習に切り替わり、最後数週間だけ登校しました。

6月に規制緩和が始まりましたが、通常の生活に戻る前に州都のメルボルンを中心に第二波が来て、都市部では現在二度目のロックダウンをしています。

■コロナ禍で、その国の国民性を感じたこと

こちらで規制が始まったのはイースター直前でしたが、オーストラリアではイースターホリデーには毎年恒例で大勢でキャンプなどする家庭が多く、このタイミングでの行動規制はより辛く感じられたかもしれません。うちの子どもたちも従兄弟とキャンプに行けなくて残念がっていました。ただオーストラリア人のポジティブな面も見られました。海外旅行はもちろん、別の州への移動も規制されたため「イースターバニーが来ないかも!?」と心配する子どもたちのために国や州が「イースターバニーは自由にオーストラリア内を移動することを許可します」と公式発表を出してくれました。また公園の遊具も使用禁止になり、地域の子どもたちがせめて散歩くらいは楽しめるように、と家の前の駐車場や歩道にチョークで虹などの絵を書いたり、窓にテディーベアを飾るのが各地で流行りました。不便な中でも楽しみを見つけ、地域の人と支え合おうとするのはこの国の人たちのいところだと思います。


■滞在国と日本の政策を比較して感じること

オーストラリアと日本を比較すると、日本の方が早い時期からコロナの危険を感じていたように思います。ところがコロナが世界中に広まってからは、オーストラリアは国境断絶や行動規制、また収入がなくなったり減ったりした人への救済など、市民の安全を優先した対策がなされたと思います。その点日本政府の対応は、経済活動の維持に重きを置いている印象を受けます。オーストラリアは地理的にはアジアに近いですが、イギリス連邦の一部であり文化的には西洋の影響が強いです。そのためかヨーロッパでの医療崩壊のニュースは武漢閉鎖のニュースよりも国民に危機感を与えたのかもしれません。

■生活の変化

ロックダウン中は、1)通勤/通学(在宅勤務/学習ができない場合のみ)、2)必要不可欠な買い物、3)医療処置を受けるため、4)運動、の4つの目的以外の外出は禁じられました。うちではスーパーでの買い物は週1回くらいで、わたしが1人で行っていました。大手のスーパーはお年寄りや医療従事者専用の営業時間を設けたり、入場制限やショッピングカートの除菌などの対策をしていました。またロックダウン直前に買い占めが多発したので、「缶詰は2個まで」など購入制限もかかりました。

うちでは、ロックダウン中は主人は在宅勤務、子どもたちは在宅学習になりました。水辺の多い町に住んでいるので、ほぼ毎日夕方に家族みんなで海や川などへ散歩に出かけました。


また様々なビジネスが経済的打撃を受ける中、地元のお店をサポートしようという動きが広まり、わたしたちも普段よりも頻繁に近所のレストランやカフェでテイクアウェイをしました。


■子育ての視点で大変なことはあった?

在宅学習が一番大変でした。うちの子の学校では在宅学習は、専用のアプリを通して行われました。アプリ上で説明を読んだり、先生のお手本ビデオを見たりして、課題ができたらアップロードし、先生にコメントをもらいます。うちは下の子が5歳で、日本では幼稚園の年長さんですが、オーストラリアでは小学1年生の前の予備学年になります。入学して2ヶ月でロックダウンに入り、まだ課題の説明文も読めないため、親の負担が大きかったです。2年生の長男は在宅学習は比較的スムーズにできましたが、スポーツが好きでコロナ前はほぼ毎日習い事をしていたのが全部なくなり寂しがっています。



■アジア人に対する差別等は感じた?

個人的には感じませんでした。ニュースではアジア人だからと危害を加えられたという話を聞き、それを受けて日本領事館から「気をつけて下さい。もし被害にあったら警察と領事館に届けて下さい。」との連絡がありました。


(写真・文/1999年アメリカ派遣 サンダーソン 倫美/オーストラリア在住)

 

いかがだったでしょうか?

次回は、ドイツ在住、Y.Kさんからの報告をお伝えします。


EILでは、高校生交換留学プログラム2021度派遣生を募集しています!詳しくは、こちらをご覧下さい。

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