~OB/OGが見たコロナ禍の世界~第1回 スウェーデン在住 山村 香織さん

全世界で猛威を振るう新型コロナウイルス。

Experimentersでは、そんなコロナ禍を海外で過ごすことになった、EIL高校生交換留学プログラム派遣生たちの体験を、連日お伝えしてきました。


▼記事はコチラ!

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今回からは、派遣生ではなく、海外で生活をしているOB/OGからのレポートをお届けします。

高校生交換留学プログラムを経験し、それぞれの事情から海外で生活するOBOG達。

お子さんがいる方たちも多く、海外のコロナ禍における子育てという視点も興味深いのではないでしょうか。

ぜひ、派遣生とはまた異なる視点による各国のコロナ禍における暮らしの様子を読んでいただければと思います。


今回は、スウェーデン在住の山村 香織(2001年オーストラリア派遣、東京都出身)さんからの報告です。


■滞在地域と在住歴

スウェーデン、ストックホルム市内。

在住歴9年。

地下鉄沿いの郊外にあるアパートに住んでいます。


■家族構成

4人家族(私、夫、子供2人)

6歳の娘ともうすぐ4歳になる息子がいます。
















■滞在地域のコロナに対する変化

スウェーデンの初の感染者は1月31日にヨンショーピンというスウェーデン南部にある街の武漢帰りの女性でした。比較的症状も軽く、自己判断で隔離生活をしていたこともあってそこから感染が広がったということではないようです。

その後、2-3月にスポーツ休暇という冬休みのようなものが1週間ほどあり、(その休みが始まるのは地域によって異なります。)多くの家族連れがイタリア地方へスキーへ出かけた事で感染者が増え、3月半ばから大々的に毎日ニュースや公衆衛生庁という国の機関が毎日記者会見をするようになりました。

その後感染者、死者数はどんどん増え7月15日現在感染者76492人、死者5572人と近隣北欧諸国と比べても数字は大きく、人口に対する割合もかなり高いというデータになってしまいました。。

亡くなった方は70歳以上の方が大半で老人ホーム施設での集団感染が原因と言われています。

また、スウェーデンは移民、難民を多く受け入れているためスウェーデン語を理解していない人達へコロナに対する知識がうまく伝わらず、移民、難民が住む地域も感染者が多かったようです。様々な言語で手洗いの重要性、具合が悪いときは出歩かないなどの情報をポスターにしてあちこちに掲示されるようになりました。


(写真:一番上がスウェーデン語です 手は30秒洗いましょう、具合が悪いときは家にいましょうと書いてあります。このポスターは何パターンもあり、ヘブライ語、アラビア語、ペルシャ語、ソマリア語、ロマ語なども載っています。)




■コロナ禍で、その国の国民性を感じたこと

スウェーデンはヨーロッパの国々の中でも厳しい規制等はせず、医療崩壊にならないようにとの事で政策が進められてきており、スウェーデンの対策法は日本などでも報道されていたようです。

スウェーデン人達は専門家(公衆衛生庁)がこういう対策を取っているのだから・・というスタンスでそれほど焦ったり危機感を感じていることはなかったのかなと思われます。

スウェーデンは自由奔放な野放しな国といったような報道が海外でされているようですが国が強制しなかっただけで出来る限りの事はやっていたと思います。

確かにロックダウンはせず、レストランやジムなども特に休業にすることもなく普段通りに営業していましたが在宅勤務が出来る職種は家から勤務すること、中学生以上はディスタンス授業で登校はしない、公共交通機関には必要でない限り乗らない事、外食はせず出来るだけテイクアウトでなど各々の責任は個人に課せられていたように感じます。

スウェーデンの冬は日照時間も少なく寒い日々が続きますが夏はその逆で夜10時過ぎまで明るく太陽を求めて外で過ごす人が増えます。外ならコロナも平気だろうと考える人たちも多いようで湖畔や海辺、カフェ、レストランのテラス席に人が集中してしまうのが最近の問題となっています。

■滞在国と日本の政策を比較して感じること

日本は東京、大阪など都市ごとによって政策が進められてきたようですがスウェーデンはロックダウン等の厳しい規制は一切ありませんでした。

今回のコロナウィルスによってマスクを滅多にしないヨーロッパ諸国もマスクをすることが感染を広めないための対策の1つだったようですがスウェーデンではマスクをしてもあまり意味がないと公衆衛生庁から言われてきました。

してないよりはしていた方がいいのでは・・と私も思いましたがそもそもマスクを普段から売っている場所があまりないので入手するのも難しくネットで海外から購入していた人も多いようです。

スウェーデン国全体ではないのですが6月中旬からストックホルム県に住んでいる人は無料でコロナウィルス検査ができるようになりました。

検査方法はいくつかあり、

今現在少し具合が悪く、コロナかどうか知りたい人は病院へ車で行きドライブスルーのコロナテスト。

今現在少し具合が悪くコロナかどうかを出かけずに知りたい人は家に検査キットを届けてもらう。(取り寄せにかかる送料、送り返す送料も無料です。)

今は元気だけれど過去にかかったか(抗体があるか)を知りたい人は医療機関に出向いて血液検査。

私は最後の抗体があるかどうかのテストを受けてきましたが結果は陰性でした。

たとえこのコロナ検査で陽性がでてもすぐに入院といったこともなく症状が軽ければ自宅で隔離生活を送るだけになるそうです。友達や知り合いでも多くが検査を受けてきましたが抗体を持っている人は私のまわりにはいませんでした。

■生活の変化

私は医療機関で働いているのですが3-4月頃に使い捨てのマスクやエプロン、手袋などをコロナを受け入れている部門に全部寄付してしまったため普段の診療が難しいことがあり、政府が給与補填をしてくれながら1か月間短縮勤務になりました。その期間以外はいつもとあまり変わりませんでした。

ただ、いつも同じメーカーのアルコール消毒液、使い捨て手袋、エプロンを使っているのですが供給が間に合わないようで毎週様々なメーカーの物が届いていました。

中国産の日本向けに作ったマスクもありました。

通信会社のIT部門で働く夫は3月からずっと自宅で仕事をしています。会社からパソコンだけでなく椅子やテーブルなど家で快適に仕事を行えるように支給や補助があったようです。

子供たちは保育園に通っていいるのですが保育園は閉めると重要ファクターに務める親たち(医療、警察、通信など)が働けなくなるとのことで普段と変わりなく開いていました。

子供たちも室内は換気がよくないからとのことで日中のほとんどを外で過ごす事になりました。3-4月はスウェーデンでは雪が降る事もあり、ずっと外にいるのはかわいそうでした。

子供も大人も少しでも咳や鼻、喉が痛いなど普段と違う症状がある人は自宅待機だったので保育園も会社もお店もかなりの人数が家にいた時もあり、人手が足りなかったようです。






日本でも起こった買占めはスウェーデンでも同じ事がおき、小麦粉やパスタ、缶詰、トイレットペーパーがスーパーからなくなったこともありましたがそれも2週間ほどで落ち着きました。手指を消毒するアルコール除菌ジェルは3か月ほどしばらく品切れでしたが最近になって出回ってきたようで駅の自動販売機でも見かけるようになりました。

(写真:上から二段目のチューブのものがアルコールジェルです。)

■子育ての視点で大変なことはあった?

特に大変な事ではありませんが以前はちょっとした買い物等は保育園の帰りに子供たちと一緒にスーパーへ酔ったりしていましたがコロナが流行してからはお店やバス、地下鉄などに子供たちと一緒に乗ったりすることはなくなりました。

娘は習い事でプールとアイスホッケーのチームに入っているのですが2月頃からそれもなくなってしまったので残念でした。

■アジア人に対する差別等は感じた?

私自身は経験していません。

差別とは違いますが夏になりコロナも落ち着いてきたとのことでEU内の移動が緩和されてきましたがスウェーデンはお断りといった国も多いようです。お隣のデンマークやフィンランド、ノルウェーにもまだ行くことができません。

死者数、感染者数がかなり多いので仕方ないかもしれませんね。


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参考ウェブサイト

The Public Health Agency of Sweden

https://www.folkhalsomyndigheten.se/the-public-health-agency-of-sweden/


(写真・文/2001年オーストラリア派遣 山村香織/スウェーデン在住)

いかがだったでしょうか?

次回は、オーストラリア在住、サンダーソン倫美さんからの報告をお伝えします。


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そしてその体験がその後にどう活かされたかを伺いました。