~EIL派遣生が見たコロナ禍の世界~第2回 スペイン派遣生H.Oさん

最終更新: 10月26日

世界を震撼させた新型コロナウイルス。

その影響はあらゆる分野や人々に広がっており、EILのプログラムを通して海外で学ぶ留学生たちも、大きな影響を受けました。


一年間の交換留学プログラムで2019年夏に出発し、現地滞在中だった留学生たち。

3月時点で、一部の派遣国の受入団体にて、継続的な安全確保が難しいとして、プログラムの中止が決定されました。

それ以外の派遣国に派遣されていた生徒たちについても、EILとしては早期帰国を推奨する通知を行いました。

しかしながら、急速に感染が拡大した都合で、派遣国内に行動制限が敷かれて空港まで移動できなかったケース、空港のある都市部への移動や空港、復路の飛行機内での感染のリスクがあると判断されたケースを含め、一部の派遣生および保護者は受入団体およびホストファミリーの合意もと、留学を継続する選択をされました。

留学継続を選択した留学生には、EIL職員が現地状況の情報収集に努め、定期的なヒアリングを続けながらサポートを行い、無事に全員が帰国を果たしました。


Experimentersでは、期せずしてコロナ禍を海外で過ごした派遣生たちに、それぞれの体験について聞きました。

マスメディアの報道では見えてこない、 実際に留学生が体験した、各国の人々のコロナ禍の暮らしの様子を、ぜひ読んでいただければと思います。


第一回目は、スウェーデン派遣生C.Tさんからの報告をお伝えしました。

本日、第二回目は、スペイン派遣生H.Oさんからの報告です。

滞在地域の様子の変化について教えてください。 いつ頃からどんな風に変わりましたか?何か行動規制はされましたか? 僕はスペインのマドリードに滞在していました。スペインでは一月下旬にカナリア諸島に来ていたドイツ人の感染が国内では初の新型コロナウイルス感染者となり、そこから急速に拡大していき、本土での感染も急激に増加していきました。それを受けスペイン政府は三月の中旬より「非常事態宣言」を発令し、外出禁止の措置が取られました。最初は二週間ほどの予定でしたが結果的には、三か月弱も続いてしまいました。

学校生活に変化はありましたか? もちろん、外出禁止のため学校では休校措置が取られました。その間はオンライン授業がありましたが、いきなりの事態にインターネット環境が整わない生徒、また先生などもいたようで最初の内はあまり出席率も良いとは言えない状況でした。ですがそれも一か月程が経過するころには無事に全員が授業を受講できていたと思います。

コロナ禍で感じた国民性について教えてください。「その国らしさ」を何か感じましたか? 皆さんもご存じの通り、スペインでは新型コロナウイルスの感染者が爆発的に急増しました。その背景には二つ理由があると僕は考えています。

一つ目は、最初のころに一人一人が新型コロナウイルスに対して危機感を持たなかったということです。これはどういうことかというと、新型コロナウイルスはアジアにある中国で生まれました。スペイン人たちも大半の人はニュースなどを見てその事実は知っていたはずです。しかし、アジアの国で生まれたウイルスがまさかヨーロッパにあるスペインまで来るはずがないと油断をしていたのだと思います。その影響でほとんどなにも対策を行っていなかったスペインでは新型コロナウイルスがいざ入ってきたときに対策が遅れてしまったためここまで広がってしまったのではないかと考えています。しかしこれは油断をしてしまっていても仕方がなかった部分もあると思います。

二つ目はマスクの普及率の低さです。日本では、通常時も街に出ればいたるところにマスクをしている人がいます。そのため、いつでもどこでも買うことができます。しかしスペインではマスクをしている人はほとんどいません。今でこそしている人も多いですが、蔓延し始めたころにはマスクが家庭にないということも珍しくはありませんでした。そのためみんなが一斉にマスクを買い求め、生産が追い付かず、マスクをしていない人が大量に街中にいたため、これも感染者が増えてしまぅた理由の一つだと思います。(ちなみに僕はホストファザーがアンチウイルスの素材を使って3Dプリンターでマスクを作ってくれたため、マスクには困らず感染もしませんでした。)


コロナ禍で留学を継続することに不安はありませんでしたか?

決断までに誰とどんな相談をしましたか?

正直不安はありました。周りに留学生の友達も続々と母国へ帰ってしまい、僕の住んでいた地域では留学生はおそらく僕一人になってしまっていたと思います。そんな中でも僕は残りたいと思っていました。なぜなら、人生の中でこんな経験をできるのは絶対に今しかないと思っていたからです。そのことを、ホストファミリー、両親、EILの職員の方に伝えました。ホストファミリーは、ただでさえ大変なのにもかかわらず、「その顔が見られなくなるのは悲しいから」と快く受け入れてくれました。これには少し感動したことを覚えています。両親は「自分で決めたやりたいことなら全力でやってきな」と応援してくれました。EILの職員の方々もいろいろな手配、手続きをしてくださり、僕のプログラムを続行させてくださいました。本当にありがとうございました。

コロナ禍を海外で過ごした感想を教えてください。

この新型コロナウイルスの影響で多くの留学生が自分の思い描いていた留学生活とはかけ離れたものになったことは言うまでもありません。僕も例外ではありません。そしてこの新型コロナウイル下の生活の中で僕は良かったと思えたこと、学んだことがありました。まずよかったと思えたこと、それはホストファミリーとの絆が強固なものとなったことです。僕は三か月弱のほとんどの時間をホストファミリーと過ごしました。そのためお互いがお互いのことをよく知ることができ、すごく仲良くなることができました。一緒に笑い、一緒に考え、そして一緒に居られた時間は僕の大切な宝物となりました。

次にこの期間で僕が学んだことは、やりたいことを思い立ったらすぐにやるということです。僕はスペインで行きたいところ、やりたいことがまだありました。しかし僕は新型コロナウイルスが萬栄し、外出禁止になるとは夢にも思わなかったため、後回しにしていました。しかしいざ外に出られなくなるとあの時やっておけばよかったと後悔をすることになりました。このことから、僕は「後悔するのならば、やらないで後悔するより、やって後悔したほうが何倍も自分のためになる」ということも併せて学びました。

(写真・文/2019年度スペイン派遣生 H.O)

いかがだったでしょうか?

次回は、カナダ派遣生、H.Sさんからの報告をお伝えします。


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EILのプログラムを通して、国際交流体験をしてきた人たちの、その体験、

そしてその体験がその後にどう活かされたかを伺いました。

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