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【高校生交換留学体験談】A.K.さん(イタリア派遣)

  • 4月24日
  • 読了時間: 14分

 2025年夏よりEIL高校生交換留学イタリア派遣プログラムに参加しているA.K.さん。ご自身の留学体験をシェアしたいとを書いてくださいました。留学開始直後はミラノに滞在していたA.K.さん。11月に滞在先が変更となり、グラヴィーナに移動してからの街ごとの違いなど含めてをまとめてくれました。


ぜひお楽しみください!


 


イタリアの学校生活

 ~ミラノのホストスクール~

 イタリアの高校(Liceo)にはクラスが複数種あり、何を中心に学ぶかによって分れています。Classicoでは歴史・古典、Scientificoでは理系科目、Linguisticoでは外国語・文学、他にも教育や芸術などのクラスがあります。私はLinguisticoのため、英語(今はシェイクスピアのハムレット)、フランス語、イタリア語(日本でいう国語)、他にも芸術(座学)、歴史・哲学、自然科学、物理、数学(今はレジアン)、体育、宗教の授業を受けています。日本のようにクラスルームがあり、全ての授業を同じ教室で同じメンバーで受けます。朝8時に授業が始まり、1コマ55分の授業を6コマ受けて、午後2時に解散です。

 クラスメートはスペイン語とフランス語を学び始めて4年目になり、先週には1週間、スペインに実践のために研修旅行に行っていました。その間、私は自習をしたり他のクラスの授業に参加したりしていました。1つ下と、2つ下の学年の英語の授業をそれぞれ1回ずつ受けたのですが、授業のレベルが1学年上がるだけで大きく違うと感じました。日本との英語教育の違いを探したいです。また、科目数が少ないので、1教科あたりの授業時間が日本よりも長く設定されているようです。

 宗教の授業は選択制で少人数(最初の授業には生徒は6人いましたが、それ以来全員が集まったことはありません)のため他のクラスと合同で行われますが、アットホームで楽しいです。先生はイタリア語と英語を混ぜて私に伝えようとしてくれます。前回の授業では日本の宗教について尋ねられ、1時間ずっと日本の伝統について話していました。このクラスには日本人とイタリア人とのハーフの生徒がいて、少し日本語を話せるので、いつも助けてくれます。

 数学の授業の進度は日本よりも遅いと思います。今は、すでに明学で習った内容を学習しているため、イタリア語での説明があまりわからなくても内容はよく理解できました。日本は問題を解いている時間がほとんどですが、イタリアでは公式を教えられて、簡単な問題をいくつか解くだけでした。



~グラヴィーナのホストスクール~

 ミラノではlinguistico(言語特化クラス)に滞在していましたが、グラヴィーナの学校ではscientifico(理系科目特化クラス)に滞在しています。linguisticoは女子人気が、scientificoは男子人気が高いクラスです。私のクラスは私を含めて女子が7人、男子が12人います。グループのメンバーはすでに固まっていて、女子は常に4人と2人に分かれて行動しているため、私はその時々によって違うクラスメートと話しています。イタリアのliceo(高校)は5年間あり、その間クラス替えがないため、全員の団結力がとても強いです。


 授業科目の話に戻りますと、scientificoではフランス語やスペイン語を習わない代わりに、ラテン語を習います。ただ、ラテン語はイタリア人にとっても難しいことと、日本では習わないことを考慮し、私はテストを受けなくていいと言われました。また、生物、物理、化学のレベルがとても高いです。日本で習った内容であっても、それを深掘りしたり応用したりしています。特に生物や化学は専門用語が多く、授業について行くのは大変です。一方で、数学はレベルは高いですが、日本で習った内容が大半なため特に問題はありません。また、歴史の授業では聞き取れる単語が増えてきたと感じています。例えば、つい最近までアメリカ革命を学習していましたが、知っている単語を拾って先生の言っていることがなんとなく予測できるくらいになりました。


 また、1月27日はホロコースト国際デーということで、その前日の1月26日は学校では授業をせずに、あの出来事を忘れないための活動(アウシュヴィッツに関連する映像を見たり、講演を聞いたり)をしました。その講演の内容も、言葉を拾って概ね理解できたな、と実感できる場面が多く、嬉しかったです。また、27日には宗教の授業で「神風特別攻撃隊」についてを説明しました。「神風(Kamikaze)」は太平洋戦争をきっかけに世界的に知られることとなりましたが、現在、海外では「自爆テロ」を指す言葉という認識が定着しています。実際に私のクラスメートも「神風=自爆テロ」という認識があるだけで、その言葉が「神風特別攻撃隊」に由来することどころか日本語であることすら知らない人がほとんどだったので驚きました。それと共に、由来を知らないまま「一般市民を無差別に攻撃する行為」を指す言葉として「神風」が用いられることが一般的であることを実感し、悲しい気持ちになりました。

 


ホストファミリーとの生活

~ミラノのホストファミリー~ 

 ホストファミリーはとても良い人たちです。ホストマザーは現地団体の職員の方で、イタリアでの手続きなどに詳しく多くの面でサポートをしてくれました。他の留学生の話を聞いた限りだと、私はだいぶスムーズに進められたようです。また、日本に半年間住んでいたことがあったそうで、ホストファミリー宅には日本の漫画や小説などがあります。料理はほとんどホストファザーがしています。いつも美味しいです。ホストブラザーは2人いて、3歳と6歳です。6歳の子は折り紙が好きで、よく一緒に楽しみます。今日は一緒にハロウィンの飾り付けをしました。以前は3歳の子の言っていることもほとんどわからないことが多かったけれど、最近は少しわかるようになってきたのではないかと思います。すらすら喋ることはできないけれど、耳が慣れてきたのか、鍛えられているのか、知っている単語を拾ってなんとなくの意味を掴める場面が以前よりも増えたように感じます。


 家での過ごし方はあまり日本と変わらず、私にとってリラックスできる空間です。細かいルールは日々、ファミリーに教えられるたびに覚えて改善するように努めています。ただ、一度、パソコンをソファにおいたままにした時にホストブラザーが上に乗ってしまったことがあったので、私がもっと気をつけなければいけないな、と思いました。習慣の違いについては今のところあまり感じていません。


 毎週末(平日もよく)、徒歩圏内に住んでいるホストファザーのお姉さんとお母さんと一緒に出かけたり、昼食や夕食を食べたりします。私の誕生日にはプレゼントをくれました。ホストマザーの両親や妹さん家族も車ですぐ会える距離に住んでいるので、週末や夜にはたまに会います。他にも、ホストファミリーの友達と出かけたり、一緒に食事をすることが多いです。一度、ミラノ郊外に住んでいる、ホストマザーの友達の家を訪ねたのですが、そこは田舎で、家畜が多いのか匂いが強かったです(決して嫌なわけではなくて、私にとって珍しかったため驚いただけです)。光も少ないので曇っていなければ星が綺麗に見えたのかな、と思うと残念です。ホストファミリー宅の近くにも養鶏場があり、朝は鶏が鳴いていてます。道を普通に歩いていることすらあり、よく犬に吠えられています。しかし、中心地へのアクセスは良く家も多いため郊外だと感じたことはなく、同じミラノでもこんなに違うんだ、と思いました。同じ留学団体の友達は電車の遅延が多くて困ると言っていましたが、私はイタリアに来てから時刻表を見たことがなく、中心地なだけあって電車の本数も多いので遅延で困ったことはありません。


 唯一辛いのは、朝、今までよりも1時間ほど早く起きなければならないことです。朝の気温だけでいえば日本では11月くらいなので、6時半に起きたとしても外は真っ暗です。



~グラヴィーナのホストファミリー~

 グラヴィーナのホストファミリーには、日本の漫画やアニメが好きな16歳のホストブラザーがいます。歳が近いことと共通の趣味があるためとても話しやすく、最近はとても仲良くなってきたと感じています。ホストマザーとホストファザーもとても親切です。ホストファザーがパーソナルトレーナーなので、週に2回、彼のジムに通わせてもらっています。運動不足解消にもなり、ファミリーとの共通の話題や友人もでき、とても恵まれた環境だと思います。家にはうさぎと大きい犬がいます。また、同じマンションの別の階にはホストマザーの両親(ホストブラザーの祖父母)が住んでいて、私とホストブラザーは昼食はいつも一緒に食べています。イタリア、特に南部イタリアの伝統的な料理をいつも作ってくれて、とても美味しいです。ホストブラザーの祖父はよく私に、日本にこの料理はあるか、など色々なことを聞いてきます。最近聞かれたのは、「日本に豆はあるか?」でした。それを聞いて私は嫌な気持ちにはなりませんし、嫌味を言われているわけでもありません。純粋に、疑問なんだそうです。「グラヴィーナは小さな町だから、特にお年寄りの中にはここが世界や流行の中心だと思っている人もいて、外の世界がどのようになっているのか想像がつかないのだと思う」とホストファミリーが言っていました。また、家にはピアノがあり、いつでも弾きに来ていいよと言ってくれるので、夕方によく弾かせてもらっています。


 ミラノでの滞在期間中は英語を使ってしまう場面が多かったのですが、グラヴィーナではイタリア語だけを話すように心がけています。ただ、ホストファザーが南アフリカ共和国出身で、ホストマザーがイタリア語と英語の翻訳家なので、日常でもよく英語が使われます。2人はイギリスで出会ったそうで、ホストブラザーも英語がとてもよく話せるだけでなく、イギリスの国籍も持っています。


 ミラノでの滞在期間中、イタリア語力があまり伸びずに焦った時に、イタリア語の動詞を100個覚えたら、いきなり会話の幅が広がったのを感じました。その活用がすぐにできたり、時制を意識できるようになったりしたのはグラヴィーナでの滞在期間中なので、ホストファミリーはよく、「最初にグラヴィーナに来た時よりもすごくイタリア語が上達したね」と言ってくれます。ただ、南イタリアはdialetto(訛り、方言)が強く、特にお年寄りの中にはそれだけで会話している人もいます。ホストブラザーの祖父母も例外ではなく、会話の中でよくGravineseが登場します。これに関してはホストファミリーも理解できない時があると言っていました。


 クリスマスや年末年始には親戚全員が集まって、夕方から夜にかけてpanzerottiなどのクリスマスの伝統的な料理を食べたり、tombolaというビンゴのようなゲームや、ナポリ式トランプを使ったゲームなどをしました。

ホストファミリーやその親戚の方々と関わったり、学校生活を送ったりする中で、北より南の方がフレンドリーな人が多いと感じています。しかし、ホストブラザー曰く、この街は小さい街なので古い考えを持つ人が多いそうですが、私はあまり感じていません。 また、ホストブラザーの繋がりでは特に良い友人関係を築けていると思います。例えば、ホストブラザーの友人や、そのさらに友人たちと一緒に遊んだり、ホストブラザーの彼女やその友人たちと出かけたりすることがよくあります。また、ホストブラザーの従兄弟とも歳が近く、よく連絡を取っています。




留学生活も終わりに近づいて

 今は、進路に対して少し不安があります。帰国は6月頃と思われますが、帰国後はすぐに受験に向けての勉強が始まるからです。1年間の勉強が他の友人と比べて抜けているため、現役での一般受験はとても難易度が高いと感じています。そのため、AO入試などの受験方法を考えていますが、英語力についても不安が大きいです。英語の語彙力及び文法力が低下していると感じています。実際に、ホストファミリーとは英語で話す時より、イタリア語で会話している時の方が理解度が高く、そのことに気がついた時にいきなり不安が大きくなったように思います。家族と話し合い、決定は変えずに進級予約をする選択をしましたが、帰国後の生活の想像ができません。


 話は変わりますが、グラヴィーナはとても美しい街です。歴史的景観が守られていが多く残っているので、家から徒歩10分ほど行くと実際にそこを歩くことができます。11月上旬にミラノのホストファミリーがイタリア北部にあるBemaという小さな村にわたしを連れて行ってくれたのですが、その街の雰囲気と似ている部分が多くあると感じます。Bemaはとても小さな村で、今は住んでいる人はほとんどいないそうです。そのため昔ながらの雰囲気をとても感じられました。


 最近感じたことは、世界は狭いな、ということです。1月1日にスイスで起こった事故をご存知ですか? スキーリゾートのバーで火災が発生し、多数の死傷者(約40人が亡くなり、100人以上が重軽傷を負ったとのこと)を出した事故です。犠牲者の年齢層は14歳から39歳で、うち15人が18歳未満、そして外国籍の方も多くいたそうです。その中にはイタリア人も何人か含まれていたので、私たちの学校でも黙祷をしました(なぜか私のクラスはせず、帰宅後ホストファミリーの話を聞いて初めて知りました)。ただ、その被害者のうち4人が、私がミラノで通っていた学校の生徒だったのです。ミラノの友人に聞いたところ、重症らしい、とのことでした。私は直接は関わりのない人たちでしたが、数か月前まで同じ空間にいた同世代の人たちがこの事故に関わっていたと知り、私にとってこの事故はとても驚きの大きい出来事の一つです。




嬉しかったことと驚き

 最近あった嬉しかった出来事は、ホストファミリーやその友人たちが私の誕生日を祝ってくれたことです。私の本当の誕生日は10月2日で、当日はミラノで過ごしたのですが、そのことを知ったグラヴィーナの新しいホストファミリーと、ホストファザーのジムの繋がりの友人たちが、「それならこちらでも祝わなければ」と言ってくれ、2月2日を私のイタリア版誕生日にしよう、ということになりました。2月2日は平日だったため、1月31日の土曜日に家に集まってパーティーを開いてくれました。ケーキも用意してくれ、17歳と3分の1を祝ってくれました。南イタリアの人々の突飛な発想には驚かされることも多いですが、多くの人がとても陽気で明るく、その雰囲気の中で楽しい時間を過ごすことができました。


 人種差別をイタリアで受けたことはありませんが、先日、学校のオープンデーに中学生が私たちの授業に参加した際、先生が私を「日本人の交換留学生だ」と中学校の生徒たちに紹介しました。すると、その直後に1人の中学生が私に向かって「中国人」と言ったのです。例えば、初対面で「中国人なの?」と聞かれたのであれば、単純な疑問ですし、「日本人だよ」と訂正するだけで良いですよね。私も、例えばフランス人とドイツ人の区別を顔だけでつけるのは難しいです。けれど、その生徒は先生の紹介を聞いた後に私に向かって「中国人」と言ったので、少し嫌な気持ちになりました。帰宅後、そのことをホストファミリーに報告すると、「人種差別ではなくて、この地域に住んでいる人は身近なアジア人は中国人しかいないからそう言ったんだと思うよ」と言われました。確かに、学校には中国人の学生が何人もいますし、雑貨店も中国人が経営しているお店が多いです。実際にその中学生が何を思って私に向かって中国人と言ったのかは分かりませんが、現代の10代の若者がそのような言葉を言うということにとても驚きました。


 こうは言いましたが、イタリアでは日本はとても崇拝されています。崇拝と言うと大袈裟に感じられるかもしれませんが、日本人が漠然と「イタリアやフランスに行ってみたい」と思うように、イタリア人も日本に対して漠然とした憧れを抱いています。日本人の人柄や食事、景色、独特の文化などが魅力のようです。新婚旅行や長期休みを使って日本に行ったことがある、という人にも何人も会ったことがあります。多くは東京、大阪、京都、奈良、広島などの大都市や有名都市を訪れている印象です。また、イタリアの多くの書店には日本の漫画コーナーが設置されており、若い世代にはアニメも一般的で、『鬼滅の刃』『SPY×FAMILY』『進撃の巨人』『呪術廻戦』『葬送のフリーレン』などは、知らない人はいないというレベルです。私たちの親世代(40〜50代)のイタリア人も『ドラゴンボール』『キャンディ♡キャンディ』『ガラスの仮面』『ベルサイユのばら』『タッチ』『うる星やつら』『ドラえもん』などを見て育ってきた、とホストマザーが言っていました。


 私は私の両親の影響で昭和世代の漫画も多く読んできたのですが、まさかここでその知識が役に立つとは思っていませんでした。寿司レストランもたくさんあるので、イタリア人の若者が出かけたときに「寿司を食べよう」という流れになるのはよくあることのようです。私もホストブラザーとその友人たちと寿司を食べましたが、イタリアオリジナルの寿司、という印象でした。けれど、全員が(あまり上手いとは言えないけれども)箸を使って寿司を食べているのを見て、とても嬉しかったです。



(写真、文:2025年イタリア派遣生 A.K.)

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