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【高校生交換留学体験談】鈴木優佳さん(アイルランド派遣)

 2024年夏からEIL高校生交換留学アイルランド派遣プログラムに参加している鈴木優佳さん。今回、ご自身の留学体験を多くの方と共有したいと、レポートを書いてくれました。


 あっという間に留学生活も折り返し、現地研修の様子からホストスクールやホストファミリーとの生活について書いてくれました。ご自身の英語力や、インターネットの情報ではわからないアイルランド人の温かさなども紹介してくれました。ぜひお楽しみください!

 

 アイルランドに到着し5ヶ月が経ち、あっという間に留学生活も折り返し地点を迎えました。これまでのアイルランド生活を振り返りながら私の体験談を書きたいと思います。

 

事前研修

 東京から約24時間かけてダブリン空港に到着し、他の留学生と事前研修先であるコークへと向かいました。コークでは1ヶ月間語学学校に通い、午前中は授業、午後はバスで観光地巡りなど様々なアクティビティを楽しみました。コークはアイルランドの中でも首都のダブリンに次いで2番目に大きな都市なので、アクティビティがない日でも飽きることのない1ヶ月間でした。

 語学面としても有意義な1ヶ月間だったと感じています。レベル別にクラスが分かれているだけでなく、自分が伸ばしたいスキルによってもクラスが異なりました。私のクラスは基本的にいろいろな話題に対してみんなで話し合ったり、日本の学校では詳しく教わらないネイティブが使う略語だったり、アイルランドのスラングだったり、たくさんのことを先生が教えてくれました。

 事前研修は他の留学生と同じだったため、イタリア人留学生グループもいました。イタリア人留学生たちの英語は当時の私にとってはとても流暢に感じて、自分の英語に自信がなかった私は圧倒され内気になりがちなこともありました。このことを研修中のホストマザーに相談すると、「鏡に向かって毎朝、私は英語が流暢に話せる!って笑顔で言ってみて。それに、ゆうかの英語は十分上手だから、間違いを恐れずにどんどん話せばいいのよ」と励ましてくれました。その言葉にハッとさせられ、この研修で出会った人たちに恩返しできるよう、もっと頑張ろうと思えるようになりました。

 




滞在している地域

 私はアイルランドの西側に位置するMayoの中でも、さらに西側にあるMulrannyという地域に住んでいます。人口はおよそ200人ほどとインターネット上では書かれていますが、住んでいる身としては、そんなに人が住んでいると思えなければ、人より羊の数が多いと感じます。それぐらい小さな地域です。みんながお互いのことを知っていて、ホストファミリーと初めてパブに行った時は「君が日本から来た留学生か!近くにジャパニーズレストランがないから日本食楽しみにしてたんだよ!」と歓迎され、さらには自己紹介をしなくてもみんな私の名前を知っていました。これだけ聞くとただの田舎に思えるかもしれませんが、Mulrannyはアイルランドらしい景色、綺麗なビーチがある観光地でもあります。特に私の家は海の目の前にあり、綺麗な夕日、綺麗な雪景色、綺麗な星空が毎日見れます。ついこの間は流れ星が見れました。パブでは毎週アイリッシュミュージックを聴いたり、踊ったり、田舎ならではの良さだと思っています。



学校生活

 私が通っている学校は中高一貫の公立校で、全校生徒が200人ほどのとても小規模な学校です。学校には毎朝8時ごろ家の前を通るスクールバスを止めて乗って通っています。100キロ近くで走っているバスはすぐ通り過ぎていってしまうので毎朝バスを止めるだけで緊張しています。学校の始まりは9時で、終わりは16時です。40分授業が9時間目まであり、毎日クタクタになりながら帰っています。

 学校の雰囲気は日本と似ているように感じていますが、1番の大きな違いは毎時間教室を移動することです。選択科目やレベル別科目以外ではクラスメイトと授業を受けますが、日本の学校ほどクラスが重要視されていないと感じています。また、私の学年には留学生が数人いるため、留学生専用の授業もあります。留学生のほとんどはヨーロッパ圏から来ており、彼らの英語はネイティブと同じくらい流暢だと感じています。そのため、初めは留学生クラスの授業内容にすらついていくのがやっとな状況でした。留学生クラス以外も授業内容は難しいため授業後に先生に直接質問をするなどして授業においていかれないように頑張っています

 アイルランドの学校では年に4回、大きなテストがあります。私にとってはとても難しく感じます。というのも、日本のテストでは試験範囲を暗記し、記述問題だったとしても数文書ければ十分でしたが、アイルランドのテストでは1つの質問に対してノート2ページほど書かなければならないです。日本語で書いたとしても本当に大変だと思いますが、もちろん英語で書かなければいけないので本当に苦労しています。ですが、その分学びが深まるので、やりがいも感じています。

 正直、最初は勉強ばっかりで、クラスルームも静かだし、部活もないから友達作りがちょっと大変だなと思ってました。しかしこれは自分次第だと思います。図書館でピアノを弾いていると、思わぬところから歓声や拍手がもらえたり、同級生の中には日本に旅行予定がある人も数人います。それに、授業中に日本のアニメのセリフが飛び交うこともことさえもあります。友達を誘う勇気さえあれば一緒にお泊まりや、バスに乗って少し大きな街に出かけたりもできます。特に私の学校は留学生が数人いて、そのコミュニティの絆はとても深いです。結局、どれだけ自分から動けるかが大事だなって実感してます。

 



ホストファミリー

 私と一緒に住んでいるファミリーは、ファザー、マザー、シスターの3人です。ですが学校から帰ると、違う家に住んでいるシスターのファミリー、ブラザー、マザーの兄弟のファミリーなどが家に集まって、お酒を飲みながらサッカー観戦をしたり、映画を見たり、毎日とても賑やかです。もともとサッカー観戦が趣味だった私はアイルランドでも家族と一緒に観戦し、気づいたらファザーと同じチームを応援するようになりました。私のファミリーは3人だけでなく「家族=親戚」という表現が一番相応しいと思います。

 週末は家族とパブに行き夜までお酒を飲んで(もちろん私は飲めないです)踊って、知らない人とお話しをし、これが典型的なアイルランドの生活です。アイルランドのお年寄りのアクセントはたまに強いことがあります。パブで初めましての人と話している時に聞き取れないことがあると、ゆっくり話してくれたり、日本のことや、アイルランドの学校のことなど、きりがないくらい話します。アイリッシュは本当に優しい人が多いです。留学前からアイリッシュは陽気でシャイだけど仲良くなればおしゃべりでお酒が強いと聞いていましたが、想像の何倍も陽気でお酒が強くてびっくりです。

 実は、事前研修中に事前に決まっていたホストファミリーの方から受け入れられる状況ではなくなってしまったと本人からの連絡がありました。今のホストファミリーは3日前に私を受け入れることを決めてくれました。十分に連絡をとっていたわけではなかったので私はとっても不安で仕方ありませんでしたが、そんな私を「ようこそ私のファミリーへ」という温かい言葉とともに、苦しいぐらいぎゅーっとハグをしてくれました。一気に不安が消え、とても温かく陽気な第2の家族が持てとても幸せです。

 



学校外のコミュニティ

 私がアイルランド留学を決めた理由の1つに、音楽がありました。アイリッシュミュージックはとっても個性的で聞いていて飽きないのが魅力です。ある日ローカルコーディネーターとお話をする機会があり、アイリッシュミュージックに興味があることを伝えると、地域のユースオーケストラを紹介してくれました。そして1人で音楽教室に行き、「オーケストラに入りたいです。」と伝えました。もともと日本でフルートを習っていたのでフルートパートに入り、毎週末参加しています。そこで知り合った友達とはとても仲良くなり毎週末オーケストラ後に街で買い物をしたり、お泊りをしたりする仲になりました。日本で行われた留学オリエンテーションで勇気を出して色々なコミュニティに入ることの大切さを学びましたが、それが留学中に生きたと思っています。

 また、アイルランドは現在EU唯一の英語圏なのもありヨーロッパからの留学生がとても多いです。ローカルコーディネーターが旅行を計画してくれたり、パブで知り合ったりして、自然に留学生同士のつながりができていると感じています。アイルランドの文化だけでなくヨーロッパ全体の文化についても会話をするにつれて知れるのはアイルランドならではの良さかなと思います。

 

カルチャーナイト

 私はmusicを選択科目としてとっています。その先生にピアノが弾けるということを話すと、「今度カルチャーナイトがあるから日本の曲を弾いてほしい」というお誘いをもらいました。正直、カルチャーナイトがどのぐらいの規模のものかもわからなかったですが、せっかくの機会だったので弾かせてもらうことにしました。本番になり、学校の1番広いスペースで、司会もついていて、しっかりした雰囲気で圧倒されましたが、日本の曲を弾き切りました。カルチャーナイトが終わり、同級生が私のところに来て褒めてくれたり、曲名を聞いてくれたり、日本の曲に興味を持ってくれたことに対して、自分ではとても誇らしく思えます。先生に機会をくれてありがとうと伝えると、「教会でクリスマスパーティーがあるからクリスマスらしい曲弾けない?」と新たなお誘いをもらい練習中です。せっかくのお誘いは断らないでとりあえずチャレンジしてみることをモットーに残り半分の留学生活を頑張りたいと思います。 



(写真、文:2024年度アイルランド派遣生 鈴木 優佳)

 

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​EILの正式名称は「Experiment in Intertnational Living」このサイトは、EILのプログラムを通じて国際交流体験をした人たちを「Experimenters」と称し、その体験やその後にどう活かされたかを紹介するEILのウェブマガジンです。

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