2023年からEIL高校生交換留学フランス派遣プログラムに参加していた塚本みかさん。今回、ご自身の留学体験を多くの方と共有したいと、レポートを書いてくれました。
ご自身の留学を振り返っての経験談を書いてくれました。ぜひお楽しみください!
フランスでの生活
私は先日フランスでの年間留学を終了しました。私がフランスで 過ごした11ヶ月はとてもひと言では表すことができない、すごく充実した、濃い日々でした。
私はペイ・ド・ラ・ロワール地方のナントから車で1時間30分ほどのところにホストファザー、ホス トマザー、同い年のホストブラザー、そして8歳のホストブラザーと一緒に住んでいました。空がとても綺麗で雨上がりにはよく虹が見える素敵な街です。
フランスに行ってすぐに感じたのがフランス人はとにかく明るく、フレンドリーで優しいということで す。特に日常の中に冗談が溢れていて本当に明るい国だなと毎回思わされていました。例えば会話を している時、ほとんどずっと会話に冗談が含まれています。私のホストファザーは冗談を言うこと がすごく好きなのに加えてとても明るい性格です。朝から歌を歌っていたり、冗談をたくさん言って家族全体を明るくしていました。また、学校の休み時間には生徒全員がホール、廊下、階段に集まってとにかく喋っていて、廊下に座って集まることが普通という日本ではなかなか見ない光景に驚きました。
そして多くのフランス人は気楽で無理をしないという性格も持っています。忘れ物をしても まあなんとかなるでしょっとあまり気にしていなかったり、私がフランス語能力試験(DELF)を受験した時も30分前に会場に到着するようにと書類に書いてあったので30分前に行くとまだ会場準備ができてないので待ってくれと言われました。結局、30分後に和やかな雰囲気で試験が始まりました。特に物事に対して緊張することがなく、ゆったりと自分たちの好きなペースで過ごしてい ることはフランス人の魅力でもあります。
ホストスクール
次にホストスクールでの生活について書いていきます。私はホストファミリー宅からバスで1時間のところにある私立高校に通っていました。2年前に出来たばかりの高校で校舎がとても広いのに加えて、すごく綺麗なのでまるで大学のような雰囲気の高校でした。ロビーには誰でも自由に弾けるピアノが置いてあり、いつも校内に素敵な音楽が響いていたのを覚えています。初めの頃はフランス語が上手く話せず、友達ができるか不安でした。しかし周りは優しい人ばかりでした。 私に興味を持って話しかけてくれる人がたくさんいたのですぐに友達を作ることができました。また私は音楽の授業を選択していたので各学期にコンサートを行いました。クリスマスにはビートルズの曲を、年度最後のコンサートではマイケル・ジャクソンの曲など様々な曲を友達と一緒に歌いました。フランスではコンサートの時に踊ったり思いっきりはしゃいだりと日本とはまた違う方法で楽しめます。友達と爆笑したすごく良い思い出です。そして3月頃にはstageと呼ばれる1週間、自分たちの好きなところで職場体験をするという週がありました。そこで私はホストブラザーが通っている小学校に1週間、職場体験に行きました。小学校の生徒全員が私が来たことをすごく喜んでくれてみんなとたくさん遊びとても良い経験になりました。
またフランスの学校は2か月ごとに2週間のバカンスがある、という特徴があります。私はバカンス中にホストファミリーとパリに遊びに行きました。パリにはホストファミリーのいとこたちが住んでいました。そしてその中に日本が大好きな子がいてその子と一緒にスペイン旅行に行くまで仲良くなりました。さらに今年の10月から1年間日本に来る予定で、また会えるのをすごく楽しみにしていま す。
また私とホストファミリーは自転車ロードレースが大好きです。10月頃にはイタリアで行われたイルロンバルディア、7月頃には世界最高峰の自転車ロードレース、ツール・ド・ フランスを見に行きました。多くのロードレースを見ることができてすごく嬉しかったです。ホストファミリーや友達と11か月の間、本当にたくさんのことを一緒にしました。ショートムービーを撮ったり、お泊まり会、ゲーム、映画もたくさん見ました。今はホストファミリーと友達がすごく恋しいです。
最後にフランス留学を通して学んだことを書いていきます。まず1番は「続けることの大切さ」です。私はフランス留学を通じて、フランス語を話せるようになりたいという目標がありました。しかし最初の頃はフランス語を上手く話すことができず、大きな不安がありました。そこで私はまずフランス語能力を伸ばすために小さなことでも毎日続けると決めました。
まず学校から帰ったあとホストファミリーにその日学校でしたことを毎日必ず話しました。どんなに小さなことでもその日に何の科目でどんなことを勉強したのか、友達とどんなことを話したのか1つずつ説明しました。また家で1人にならないと決め、常にホストファミリーの誰かといるように心がけました。私は特に8歳のホストブラザーと多くの時間を過ごしていました。ホストブラザーと話すときに、覚えた単語をたくさん使ってみたり、新しく覚えた文法(表現)を使って「話すこと」をたくさん練習しました。
また学校で友達と話す時はこのことを話そうと事前に話題を考えたり、質問を考えたりしてとにかく話してみるということに挑戦しました。また留学中毎日継続してフランス語で日記をつけました。その結果、今ではホストファミリー、友達との会話を楽しめ、自分の言いたいことを話せるようになりました。資格でいうとDELF B1レベルを取得しました。
そして「文化の違いやその国のことは実際に行ってみないとわからない」ということにも気が付きました。例えば日本はフランスでとても人気があります。漫画やアニメ、着物やお抹茶などの日本の文化、また日本語に興味のある方もたくさんいました。フランスの様々な場所で頻繁に日本に関するイベントが開催されていて私はホストファミリーや友達と折り紙や日本の昔遊びを楽しむイベントと着物の着付け、お抹茶を楽しむイベントに参加しました。また7月には私の家の近くにあったショッピングモールで開催された日本のイベントで、訪れた方の名前をひらがなで書くとい うワークショップを開催させてもらい、80人を超える方の名前を日本語で書き、プレゼントしました。私は日本がフランスで人気だということを全く 知らなかったことに加えて想像もしていなかったのですごく驚きがありました。
また私は日本にいる時、フランス人は静かで暗く、英語を話すことが好きじゃない、などと聞いていました。しかし実際にフランスに来てフランス人と接するとそんなことは全くなく、とても明るくて楽しい方ばかりでした。また留学が始まってすぐの9月頃にサブウェイに行った時、フランス語で上手く注文ができず焦ってしまいました。すると店員さんが「英語話せますか?」と優しく聞いてくださってさらっと英語で対応してくださいました。そのため私はフランス人に対してすごく明るくて優しいという印象を持っています。
このように他の国に対して私が今持っているステレオタイプにも実は全く違う、とい うことがたくさんあるのだと思います。人の言っている事は自分で見るまでわからない。まさに百聞は一見にしかず、と言える経験をしました。
またフランス留学中にフランス人だけでなく、世界中の人と交流したのでフランス以外の文化などについても学ぶことができました。私のホストスクールには様々な国から来た留学生がいました。また留学最初の1ヵ月間、私はフランスで語学学校に通いました。そこでは世界中から来た交換留学生の友達と一緒に勉強をしていました。私は留学中に、フランス人はもちろんドイツ人、スペイン人、イタリア人、ハンガリー人、アイルランド人、スウェーデン人、カナダ人、アメリカ人、ブラジル人、チリ人そしてニュージーランド人の友達と交流をしました。こんなにもたくさんの国の人と交流することができる留学は本当に素敵なものだと思います。
この11ヶ月間、思いっきり楽しんで、たくさん笑って悩むときもありましたが全部乗り越えてきました。そして最終的には忘れられない最高の思い出となりました。留学は終了しましたが、これがゴールではなく、ここからがまた新たなスタートだと思って精一杯頑張っていきます。
(写真、文:2023年度フランス派遣生 塚本みか)
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