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【高校生交換留学体験談】M・Nさん(タイ派遣)

更新日:11月26日

 2016年夏からEIL高校生交換留学タイ派遣プログラムに参加していたM・Nさん。


 楽しいことばかりではなく、大変なことも多くあった10ヶ月間の留学生活。日本との違いを感じたことなどをレポートに書いてくれました。ぜひお楽しみください!

 

微笑みの国タイでの留学生活


 私の留学していたタイは、日本と同じアジアに位置しますが、気候や文化、生活習慣など様々なところで違いを感じました。

 タイは仏教国であり、街では黄土色の袈裟を着た僧侶を見かけるとが多々あります。実際に私も週末はよくホストファミリーとお寺に出かけていました。暑季、雨季、乾季、の3つの季節があるタイですが、年中通して暑く、40度を超える事もあります。その暑さのせいか、タイ人は運動を嫌い、どんなに短い距離でもバイクや車に乗って移動します。タイ人はとてもフレンドリーであり、私が学校で歩いていると、沢山の人が声をかけてくれます。お世話好きで温厚な人が多いタイでは、沢山の友達が出来ました。



 私がタイでの生活で1番戸惑ったのは、トイレです。タイのトイレはペーパーがなく、自分で水をすくい流さなければなりません。自動洗浄が当たり前であった私にとってはとても不便に感じましたが、日本での生活がどれほど贅沢なのかを痛感させられました。


 私は将来スポーツを通じて国際協力をしたいと考えており、タイでの留学生活を通しその思いは強くなりました。タイは貧富の差が激しく、街では高級車が走る一方で、幼い子どもが物乞いをしているという光景を目の当たりにする事がよくあります。また地方に行くと経済的理由で学校に行けず親の手伝いをしている子供を見かけます。しかしそこで私は気づいた事がありました。それは農村部での暮らしぶりはたとえ豊かとは言えなくても、そこに住む人々の心はとても豊かだという事です。彼らは外国人である私にも優しく笑顔で接してくれました。近代のグローバル化により、人々は利益ばかりを求め続け、大切な人と人との繋がりが失われつつあるのではないか、そしてそれはタイだけではなく、私たちの住む日本でも起きている事です。

 その人と人との繋がりを再構築させるのがスポーツではないかと私は考えます。スポーツは無限の可能性を秘めており、その効果は人を通じて社会にも良い影響を与えます。私はタイで、学校の陸上部に所属しており、まだタイ語を話せない最初の頃は、陸上というスポーツをツールとしてコミュニケーションを取っていました。「走る事が好き」という共通点を持ち、同じ目的に向かって共に練習を乗り越えてきた仲間は、とても身近で大切な存在になりました。 この経験から、スポーツは言葉の壁を超え、共通点を持つ事で、お互いを身近に感じ、人と人とを親密に繋ぐ力を持っていることに気付きました。また、実際に近所の幼稚園でスポーツ指導の視察をさせて頂いた事もあり、そこでの見聞はスポーツを通じて国際協力をしたいと考えている私にとって、将来のことを具体的に考えさせられる貴重な経験になりました。


 さらに地域の学校を訪れた際には、生徒が実験道具や風力発電の風車を見せてくれ、それらは生徒自らの手で作られたという事にとても衝撃を受けたのを覚えています。今まで当たり前だった事は、決して当たり前でないという事を身を以て感じ、それと同時に彼らの知恵にもまた驚かされました。今まで途上国を支援すると、どこか上から目線で考えていた事が恥ずかしくなり、国際協力とは決して一方的なものではなく、私も彼らから学ぶ事は多くある事に気付かされました。タイで見聞きしたことを活かし、将来は日本やタイだけにとどまらず、様々な地でその地域に根差した体育教育を展開していきたいです。


 10か月という長い留学生活の中では楽しいことばかりではなく、悩むことや苦労することも多くありました。しかし私はそれ以上の経験ができ、またタイで出会った人々と共に過ごした時間は私にとって大切な宝物です。このような素晴らしい機会を与えてくださった方々、そして私を支えてくださった方々に本当に感謝しています。この経験を活かし、将来は私の得意とするスポーツを通じて日本の、そして世界の明るい未来を創っていきたいです。



(写真、文:2016年タイ派遣生 M・N

 

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​EILの正式名称は「Experiment in Intertnational Living」このサイトは、EILのプログラムを通じて国際交流体験をした人たちを「Experimenters」と称し、その体験やその後にどう活かされたかを紹介するEILのウェブマガジンです。

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