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【高校生交換留学体験談】M・Sさん(フィリピン派遣)

 2016年夏からEIL高校生交換留学フィリピン派遣プログラムに参加していたM・Sさん。


 10ヶ月間の留学生活を振り返ってレポートを書いてくれました。出身地である沖縄と似ていると感じることもあったフィリピンでの留学生活ですが、やはり大きく異なることもあったそうです。ぜひお楽しみください!

 

フィリピン留学を終えて

 私がフィリピンを留学先に選んだのは、英語が学べると同時にフィリピン独自のミックス文化を肌で感じたいと思ったからです。留学前に参加した、様々な国際交流活動や短期留学を通して、それぞれの国がそれぞれ違った文化を持っているということにすごく魅力を感じ、もっと他の文化を知ってみたいという好奇心と異文化に触れることで、自分自身がより成長できるんじゃないかという期待からこのプログラムに挑戦することにしました。


 まず、フィリピンという国について紹介すると、フィリピンは大小合わせて7107の島々から構成される多島海国家であり、一年を通して温かい気候で、季節には乾季と雨季があります。公用語はタガログ語と英語とされていますが、地域によってそれぞれ独自の言葉を使っているところもあります。英語は小さい頃から、教えられているので教育を受けたほとんどの人の英語力は、日本人と比べてはるかに高くなっています。私が滞在していたパラワン島は、首都のマニラから飛行機で1時間ほどで、面白いことに、様々な面において私の出身地である沖縄と似ているところが多く感じました。例えば、「フィリピノタイム」です。これは、集合時間に遅れてくるフィリピン人の習慣を表していて、実際、「沖縄タイム」と同じです。私が思うに、「フィリピノタイム」は「沖縄タイム」よりも長いと思います。それから、フィリピンにも「ゴーヤーチャンプルー」があります。フィリピンでは、「アンパライヤ」とゴーヤーのことを呼んでいて、卵とアンパライヤを混ぜて焼くので、見た目もそのまま「ゴーヤーチャンプルー」です。初めて夕食にそれが出てきたときは、驚きましたが、懐かしい味にたまらず、沢山食べたのを覚えています。

 地理的にも、海に囲まれた島であることや、観光業が盛んなところ、人々がフレンドリーなところは沖縄に似ているなと感じます。また、歌ったり踊ったりすることが大好きで、明るさや陽気な性格は沖縄人をさらにパワーアップさせた感じです。そのおかげで、私も多くの人とフィリピンで出会うことができました。しかし、やはり国が違うと、文化や考え方が私達と違っていることもたくさんありました。その中では、こんなに似ているのに属している国が違うというだけで、ここまで違うなんてと不思議に思うこともありました。


 例えば、女性の社会への進出度です。フィリピンでは、女性が男性を引っ張っているような印象があり、日本と比べて、女性が仕事に積極的に参加していました。パラワン島の原住民バタック族を訪問した際も、女性が働き地域を支えている光景を目にし、伝統的な暮らしの中でも女性の活躍が大きいということがわかりました。また、フィリピンでは約90パーセントの人がキリスト教徒で宗教に熱心です。私もホストファミリーと一緒に日曜日に教会にいったり、ご飯を食べる前にお祈りをしていました。宗教が違う人と関わることで、今までの自分の常識を大きく覆されることもあり、自分とは異なるものの見方や考え方に気づくことができました。


 そして、わたしが沖縄とパラワン島で最も違うと感じたのは、貧困の差です。留学前のわたしの発展途上国(フィリピン)のイメージといえば、貧しい人がたくさんいて、日本や他の国からの支援を必要不可欠としているというものでした。しかし、現状は、激しい経済格差のなかで、一部の富裕層が多くの貧困層の何倍もの豊かな暮らしをしていました。富裕層に生まれた人々は、学校へ行き良い教育受け、いい仕事に就き、いい給料が貰える。一方で、貧困層に生まれた人々は、お金がなく、学校へ行くことができず、教育が受けられなくて仕事が限られていき、ほんの少しの給料しか貰えない。それが、親から子へと受け継がれて行くのです。また、富裕層の人々の貧しい人々への意識は低く、そのことがさらにこの負のスパイラルを止められない原因の一つだとわたしは感じました。


 日本から離れ1年間のフィリピンでの経験は、楽しかったことも辛かったことも含めて、わたしの大きな財産になりました。この留学で学んだことはたくさんありますが、特に感じたのは、自分が日本で思っていたことが全てではないということです。日本を出て、色々な人と関わって行くうちに人それぞれの考え方や生き方、またそれぞれの価値観があるということに気づけたし、世界を見ることで日本の良さもさらにわかることができたとおもいます。沖縄という島はフィリピンの良いところと日本の良いところを持ち合わせた素晴らしい場所だというとことも再確認できたとおもいます。留学を終えて、以前のわたしよりも自分の視野が広がり、またどんな人でもまずはその人の文化や考え方を受け入れてみようという気持ちが持てるようになりました。それから、貧しい人たちを実際に目にすることで、自分がどれだけ満たされた生活を送っていたのかも知ることができました。その面において、わたしは自分が人間的に大きく成長できたことを確信しています。最後に、この留学プログラムで、わたしに関わってくれたフィリピン人や日本からわたしのことをサポートしてくれた全ての人達に感謝したいです。ありがとうございました。


(写真、文:2016年フィリピン派遣生 M・S

 

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​EILの正式名称は「Experiment in Intertnational Living」このサイトは、EILのプログラムを通じて国際交流体験をした人たちを「Experimenters」と称し、その体験やその後にどう活かされたかを紹介するEILのウェブマガジンです。

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