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【高校生交換留学体験談】鯉渕彩子さん(カナダ派遣)

 2022年9月からEIL高校生交換留学カナダ(学区指定)派遣プログラムに参加している鯉渕彩子さん。今回、EILの奨学金制度である「EIL留学報奨制度」として体験談をかいてくれました。


 長期留学もあっという間に終了し、7月に無事に帰国しました!帰国後にご自身の留学を振り返っての経験談を書いてくれました。ぜひお楽しみください!

 

 私は2022年8月から2023年7月までの11か月間カナダに派遣された鯉渕彩子です。私がこの一年で何を学んで、異国の地でどのような生活を送っていたかをこの機会に少しでもお伝え出来れば幸いです。

 

 

事前研修

 私は学校が始まる前に1ヶ月の事前研修プログラムに参加しました。このプログラムではEILのカナダ派遣生約15人とカナダ人の先生によって行われ、リーディングやプレセンテーションなど、現地の学校で役立つことを学習しました。また、カナダの文化や歴史なども学びました。日本人に囲まれた空間だったので、特に不安は無く皆で支えあってこれからの留学生活への期待を胸に学習することが出来ました。


 また事前研修の最後には、カナダに留学にトロントにて三泊四日のオリエンテーションが行なわれました。カナダの主要な観光地を巡ったり、カナダの文化を体験することができ、とても良い機会となりました。世界各国から集まった高校生と交流することで、いよいよ留学が本格的に始まるんだなと感じ期待に心が高鳴りました。




(ナイアガラの滝にて)

 

ホームタウン

 私が派遣された町はオンタリオ州にあるパリーサウンドという町でした。人口わずか7000人ととても小規模な街ですが、五大湖の一つであるヒューロン湖の面しており、ジョージアンベイという美しい入江を持つ自然豊かな町でした。そのため夏場にはカナダでも有数の別荘地として賑わっていました。大都会である東京都で生まれ育った私にとって、このような自然豊かな田舎町で生活することは全くもって新しい体験でしたが、この町に派遣されたからこそ私の留学生活は実りあるものになりました。



ホストファミリー

 私は留学開始直前までホストファミリーが見つからず、最後までどのようなご家庭へ行くのかわからない状態で正直とても不安でした。しかし今回私を温かく迎えてくださった私のホストファミリーとの出会いは私の留学を通して1番の思い出となりました。


 私のホストファミリーは警察官のホストファザー、地域のローカルコーディネーターのホストマザー、そして6歳と4歳のホストシスターの4人家族でした。私のホストファミリーは、私を本当の家族の一員として受け入れてくださり、10か月の間私の留学を一番そばで支えてくださいました。特に二人のホストシスターは私の本当の姉妹のような存在でした。私がホストファミリーとの交流で一番心掛けていたことは、ホストファミリーの生活に合わせて行動することです。私のホストファミリーはとても敬虔なキリスト教徒のご家庭だったので毎週日曜日に教会に通い、ボランティア活動のお手伝いなども行いました。

 

 また家族の集まりやイベントにも積極的に参加することで、すぐにホストファミリーと打ち解けることが出来ました。10ヶ月という短い時間でしたが、彼らは私にとってとても大切な存在となり、お別れの時はとても辛かったです。今でも頻繁に連絡を取り合っており、いつか日本をい訪れたいとおしゃってくださっています!



  

学校生活

 私の通ったパリーサウンド高校は街で唯一の高校でした。全校生徒は七百人ほどで規模も日本の高校とあまり変わらなかったです。しかし、カナダの学校生活は私の知る高校生活とは大きく異なりました。

 まず一つ目はとても自由だということです。カナダの公立高校では一般的に校則や制服は無く、生徒一人ひとりがありのままの姿で登校することが出来ます。授業中も特に厳しい規則は無く、教室で授業中にランチを食べる人や教室外に散歩に行く人がいるなど、とにかくやりたい放題で正直初めは戸惑いました。


 二つ目は生徒一人ひとりが自分の興味のある分野を専門的に学んでいたということです。学校には幅広い分野の授業があり、生徒は自分で履修科目を選べるシステムでした。私は化学、生物、数学、歴史、英語のアカデミックなクラスに加え、写真、ヘアスタイリング、調理などの個性的なクラスを履修しました。どのクラスもとても本格的で、ヘアスタイリングでは実際に髪の染め方や切り方を学びました。幅広い授業の選択肢を生徒に与えることで、生徒一人ひとりの可能性を引き出す教育制度にとても惹かれました。


 三つ目は部活動です。カナダでは気候の変化が激しいことから、部活動はシーズン制で行われます。そのため一年で複数の部活動に所属可能で、私はバスケットバール、バレーバール、バドミントン、そしてサッカーの4つのスポーツのチームに参加しました。経験のないスポーツもありましたが、勇気を出してチャレンジすることでより多くの友達を作ることが出来ました。年度末には、私が多くのクラブ活動に参加し活躍したことから学校から優秀賞(award of merit)をいただきました。


 留学当初は学習面でも英語力が乏しく大変だったり、友人作りで悩んだこともありましたが、たとえそれが自分の道の領域だとしても勇気を出してどんなことにも挑戦することで自然と英語力も向上し、友達もすぐにたくさん出来ました。




(学校のダンスパーティーにて)     (サッカー部での様子)     (クッキングの先生と)

 

文化交流

 私がこの留学の目標の一つとして掲げていたのは「日本の文化をより多くの人に知ってもらうこと」です。日本文化は外国人の方からも人気を集めていると今まで思っていましたが、実際カナダの田舎町では日本について知っている人ばかりでは無く、「日本ってどこ?」や「日本人って犬食べるんでしょ?」と聞かれることもあり、私は衝撃を受けました。そこで私はもっと多くの人に日本の良さを知ってもらいたいと日本文化を発信する活動度々行いました。


 まずひとつ目は、日本の食文化の発信です。学校で調理の授業を履修していたことを機に、授業でカレーライスやラーメンなどの日本食を紹介する機会を設けてもらったり、課題の一環で学校のカフェテリアで巻き寿司を販売しました。寿司の販売は歴代でも上位に入るほどの売り上げとなり、校内で

大好評でした。 

 

 また、私は幼少期から空手を習っており黒帯二段なので、ぜひ自分のアイデンティティである空手を広めたいという思いが強く、学校の全校集会で空手のパフォーマンスを行いました。全校生徒の前で演舞を行うのはとても勇気のいる行動でしたが、大好評を頂くことが出来ました。またこれを機に地元の空手クラブにご縁ができ、現地の空手コミュニティに参加し始めました。空手クラブでは、指導を行なったり、大会にも出場しました。遠く離れた日本の文化である空手を習っている人がたくさんいることに驚くと同時にとても嬉しく思いました。

 

 この二つの活動を通して、とても多くの方に日本の文化を広めることができ、交換留学生としての役割を果たすことが出来たと思います。





               (現地の空手クラブの方々と)

 


私にとっての高校留学

 私がこの11ヶ月の留学を通して学んだことは大きく二つあります。

 一つ目は、「世界は広い」ということです。これはとても当たり前のことのように聞こえるかもしれません。しかし私は留学へ行くまでの15年間は日本で生まれ育ち、無意識のうちに物事に対する固定概念を持ってしまっていた。実際に日本を飛びだし世界を肌で体感することで、世の中にはたくさんの人種が共存し、多種多様な生き方があるのだと改めて気づきました。そして、幅広い視野を持って物事を捉えるようになりました。

 

 二つ目は、たとえ言語や人種が違っても人は繋がれるということです。留学生いうマイノリティーな立場にあった私に、ホストファミリーをはじめたくさんの友人や、先生方は国籍問わず優しく接してくださいました。多民族国家のカナダだからこそ、国籍や言葉の壁を超えた人と繋がりを持つことが出来ました。留学は決して楽しいことばかりでは無く、時には辛い思いをすることもありました。しかしこれらを経て得た経験は、新しい私を形成する糧となりました。ここで学んだことを胸に刻みこれからの人生を歩んでいきたいと思います。

 

 最後に、私のこの交換留学はたくさんの方に支えられて成し遂げることが出来ました。ホストファミリーをはじめ、現地の学校関係者様、コーディネーター、EILの皆様、そして何より私に貴重な経験の機会を与えてくれた両親に感謝の気持ちでいっぱいです。



(写真、文:2022年度カナダ派遣生 鯉渕彩子)



 

EIL高校生交換留学プログラムでは、派遣生を募集しています。

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​EILの正式名称は「Experiment in Intertnational Living」このサイトは、EILのプログラムを通じて国際交流体験をした人たちを「Experimenters」と称し、その体験やその後にどう活かされたかを紹介するEILのウェブマガジンです。

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