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【高校生交換留学体験談】赤澤優羽さん(ノルウェー派遣)最終回

 2022年8月よりEIL高校生交換留学ノルウェー派遣プログラムに参加していた赤澤優羽さん。ノルウェー留学の魅力をお伝えしたいと、定期的にレポートを書いてくれました。

 

 留学生活を終了され、留学全体を振り返っていただきました。ぜひお楽しみください!

 

  2022年8月からノルウェーに約10か月間、交換留学をしていた赤澤優羽です。今回は最後の総括として、ノルウェーでの留学体験を準備から帰国後までを振り返りました。

 そしてこれから高校留学を志す方へのアドバイス等を書こうと思います。私自身ノルウェー留学に際して情報収集で苦労をしたため、少しでもお役に立てたら幸いです。


1.ノルウェー留学開始まで

 私は以前2度の短期留学を経験し、また、インドネシア、ベトナムからの留学生をホストファミリーとして家族で受け入れていたため、留学がとても身近にありました。そして、以前よりジェンダー、LGBTQ+、難民問題など、幅広い社会問題に興味を持ち、国内で様々な活動に取り組んでいたため、それらの分野で若い世代が活動する基盤が整っているノルウェーに興味を持ちました。ノルウェーはまだ留学先としてメジャーな国ではなく、日本人が少ない環境で貴重な体験ができるのではないかと思い留学を志しました。留学は出発の1年ほど前に決定したので、出国までに余裕をもって様々な準備をすることができました。学業面では、帰国後の大学進学を見据えて学校の勉学に励み、英検準1級も取得してから出発しました。これは帰国後に慌てて取得する必要がなくなるため、高校3年生に復学する方には特におすすめします。

 また、埼玉県の実施する留学のための給付型奨学金、「埼玉発世界行き」に挑戦し、選抜され埼玉親善大使にも委嘱して頂いたりと、出国前から留学が契機となって様々な経験をすることができました。さらに、交換留学生として最も大切な「文化の交換」に備えて、日本料理の練習をしたり日本文化、歴史について学びました。



2.留学生活について

2-1第二の故郷、Larvik

 私は10か月間の留学を、Larvikという南ノルウェーの海に面した町で過ごしました。首都からは電車で3時間ほどであり、広大な森が広がる、比較的落ち着いたエリアでした。また、ノルウェーの中では南の地方でしたが9月末から5月初旬にかけて雪が降っていました。冬は朝10時頃まで日が昇らず、15時過ぎには沈んでしまうため、一日の大半が暗い極夜も体験しました。ちなみに夏は、一日中日が沈まない白夜となります。


     


2-2現地の学校

 私が通ったトータル・ヘイダール高校は、人種のるつぼともいえる高校でした。ノルウェーは人口の15%が移民を占める移民大国である上に、トータル・ヘイダール高校はノルウェーで2番目に大きい高校であったので、多様な国籍を持つ生徒が多く在籍していました。そのため世界中の友達を作ることができ、様々な文化や言語に触れることができました。また、民主主義について学ぶ「民主主義week」、各国の料理や文化を体験する「インターナショナルweek」など、学校が多くのイベントを主催していたため、日本文化のワークショップを主催したり、200人程の生徒の前で日本についてプレゼンをしたりと、日本人留学生として本当に貴重な経験をすることができました。ノルウェーで日本人は珍しく、日本人ということで留学中何度も話しかけられたり、それがきっかけで友達になれたりしたので、改めて自分の国籍や文化を誇らしく思えるようになりました。


   


2-3ホストファミリー

 留学中には人生の恩人ともいえる沢山の人と出会い、大きく影響を受けました。ノルウェーで私をホストファミリーとして受け入れてくれたマザーは、私にとって第2の母同然の存在です。常に新たなことに挑戦することを忘れず、豊富な人生経験をもとに、同じ女性としての生き方を見せてくれました。また、彼女はノルウェーを代表する空手チームのコーチを務めていたので、ヨーロッパ中で開催される大会に同行することもできました。長期休みには一緒に、クロアチアやフランスに旅行に行ったりと、ノルウェーとは大きく異なる文化や歴史、言語を経験することができ素敵な思い出を多く作ってくれました。


    

☆留学中に起こりうる問題と対処法

 EILの留学前オリエンテーションでも説明がありますが、交換留学生が留学中に直面する問題として、ホームシック、ホストファミリーとの問題、言語的問題等によるものがあげられます。幸い私は、特に大きな問題に直面することなく留学を終えることができましたが、これは出発前に自己分析を行い対策をしていたからかと思います。例えば、ホームシックや日本の友達と過度に連絡を取ったり、日本での生活と比較してしまい自己嫌悪に至らないために、私はSNSを制限し留学専用のアカウントを使っていました。また、物事は自分の受け取り方次第で大きく変わります。日々の生活の中で、ネガティブなことや文化の違いで悩んでも、それを新たな学びや、興味深いと捉えることができるかどうかが交換留学生にとって大きな鍵になると思います。


2-4友達

 ノルウェーでの留学生活は、常に友達に支えられていました。留学開始当初から、私は日本の友達との連絡を最低限にして、ノルウェーでの友達作りに没頭していました。積極的にイベントに参加したり、幅広いコミュニティで友達を作り友達の輪を広げていく努力をしました。帰国時に、ノルウェーの友人に「あなたは1年しかノルウェーにいないのにどうして私より多く友達がいるの!?」と言われたとき、それまでの努力が実を結んだように思い嬉しかったです。

今現在、ノルウェーで得た友人の2人が日本で1年間のギャップイヤー(高校を卒業し大学に入学するまでの自由な1年間)を過ごしています。また、他の友人の私との出会いをきっかけに日本への交換留学を志してくれたりなど、周囲に影響を与えられたことにも嬉しく思っています。



☆留学先で友達を作る上でのアドバイス

 私はノルウェーの受入団体の方に、「交換留学生は忙しくするのが仕事だから、怪しくない限り、誘いにNOという権利はない!」という話をされ、常にそれを実践するよう心掛けていました。実際に、ひょんなきかっけで参加したイベントから一生ものの友達が出来たり、そこから別のイベントに誘われたりとご縁で溢れています。さらにその場では、自分が日本からの交換留学生であることを前面に出し、とにかく自分から話しかけることが大切です。また、その場で少ししか交流できなかった人とも、SNSを交換するとその後もチャットなどで会話することで、仲を深めることができるのでおすすめします。


2-5ノルウェー青年党(AUF)での政治活動

 私は留学中、ノルウェー労働党の青年部で政治活動をしていました。ノルウェーは民主主義ランキングが世界1位なのもあり、若者の政治活動もとても活発です。現地で政治活動をすることは私の一つの夢であり、ノルウェーで青年党に入って政治活動をしたのは日本人初だったそうです。AUFで行われる総会や島でのキャンプを通してノルウェー全土からの友達ができました。その中には、同年代で既に地方議員として当選したり、政治活動でヨーロッパ中を飛びまわっているメンバー等、若くして活躍するメンバーが多くとても刺激を受けました。また、ノルウェー現首相のスト―レ首相と面会しユース政治について意見交換をするという大変光栄な経験をすることもできました。



3.ノルウェー交換留学後

 私は帰国後にノルウェーで得た政治経験を生かして、若者の声を政治に反映することを目標とした、超党派の「日本若者協議会」に所属し、国内政治に対する提言を行ったり、こども国会等の民主主義に関するイベントの企画や運営に携わっています。それに加え、ノルウェーでの留学経験や政治活動について、講師としてCOOP自然派、日本若者協議会のイベントに登壇するなど、様々な方法で留学で得た学びや経験を社会全体に伝える活動を多く行っています。今現在も、EILから1年間リトアニア人の交換留学生をホストファミリーとして受け入れるなど、さらなる国際交流を続けています。




最後に

 私の人生はこのノルウェー留学を経て大きく変わりました。ノルウェーで交換留学生として過ごした1年間は何にも代えることのできない貴重な1年となり、これからの人生における基盤を形成することができました。また留学期間のなかで、日本を海外から客観的にみることで、改めて母国や自分自身について深く考えるきっかけともなりました。高校生で、このような価値のある留学を経験できたこと、そして多くの助けによって留学を実りの多きものと出来たことを心から感謝しています。そして、これを読んでくださっている方の留学が素敵なものになることを心から祈っております。


(写真、文:2022年度ノルウェー派遣生 赤澤優羽さん)

 

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​EILの正式名称は「Experiment in Intertnational Living」このサイトは、EILのプログラムを通じて国際交流体験をした人たちを「Experimenters」と称し、その体験やその後にどう活かされたかを紹介するEILのウェブマガジンです。

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