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【高校生交換留学体験談】芹川ひかりさん(スウェーデン派遣)最終回

更新日:6月11日

 芹川ひかりさんは2022年EIL高校生交換留学プログラムでスウェーデンに派遣されました。スウェーデンでの留学生活を多くの方に共有したいと、留学中にレポートを定期的に書いてくれました。


 最終回のレポートでは、留学全体を振り返っていただきました。ぜひお楽しみください!

 

 グレタさんに会ってみたい!SDGs達成率の高い教育と環境を実際に体感してみたい!そんな気持ちでスウェーデンでの留学生活が始まりました。行きの成田空港でようやく聞いた滞在地とホストファミリー。滞在先はスウェーデンでもずっと北の方で、ファミリーも私とホストマザーとワンちゃんだけ。スウェーデンに着くまでの移動時間にこれからの留学生活に想像が膨らみました。留学前は知る由もなかったKalix(カーリクス)というスウェーデンとフィンランドの国境にある小さな街で、10か月間多くの人と出会い、支えられ、たくさん経験をさせていただいたことに感謝の気持ちでいっぱいです。


 私が最初にスウェーデンで感じたのはみんなが自由時間を楽しんでいるということです。思い返せば中学、高校で勉強や部活など何かしら追い込まれてきた私は自由時間を意識してとることができていませんでした。朝6時のバスに乗り、学校まで往復約3時間の通学、学校、部活の繰り返しの日々。家はご飯を食べて寝るだけの場所になっていました。しかし、留学の滞在先では学校が15時には終わるという生活になり、これまでにないほど時間を持て余すようになりました。スウェーデンではそんな余暇を家族とのんびりテレビを見たり、フィーカというスウェーデンの伝統的なティータイムをしたりして過ごします。最初はのんびりして何もしないことに慣れず罪悪感すらありましたが、次第にその時間を楽しめるようになりました。何も考えない時間は、普段学校など慣れないことでフル活用している脳を休ませる良い機会になると思うようになりました。さらに散歩という趣味も増えました。私の地元は田舎で、どこに行くにも車での移動が当たり前。歩く習慣がありませんでした。そのため、自分の中で散歩は高齢の方が健康維持のため、またはペットのためにするものという先入観がありました。しかし、季節や景色を楽しんだり気分転換をしたりするための散歩もあるのだと知りました。友達と何をして遊ぶか話していた際に散歩をしようと提案されたときは驚きました。散歩をしながら風や日差しを味わうと、あれこれ考えていたことが少し落ち着き心が豊かになる気がします。散歩の他にも、気になっていた映画を見たり縫い物に挑戦してみたりしました。頑張ることも大切だけれど、休むときはとことん休み、メリハリをつけることを学びました。

 



 “ちょうど十分な”を意味するスウェーデン語“Lagom”(ラーゴム)。スウェーデンの人々のライフスタイルや考え方は“Lagom”に結びついていると感じました。例えば、腹八分のような状態を“Lagom met”と表現します。ホストマザーは満腹になるのではなく、ちょうどよいくらいが健康のためにも良いと話していました。これは、残さずに食べることを意識しすぎていた私にとって斬新な考え方でした。スウェーデンではご飯はもちろん、チョコレートやグミなど高カロリーで美味しいもので溢れているのでその心がけが特に重要です。また、ホストマザーは料理やお菓子作りの際は多めに作って冷蔵庫や冷凍庫にストックしていました。これは、何回も料理をして献立を考える機会や負担をも軽減する素晴らしい方法だと思いました。ほどよく頑張るという見本だと思います。無理せずにちょうど良い状態を目指すことで、精神的に余裕ができますし健康的にもよいと気づかされました。

 ちなみに、冷凍や冷蔵で作り置きをよくする文化は狩りが影響を与えている部分もあると思います。秋になると狩りが行われるのですが、捕ったトナカイやヘラジカのお肉は貴重なので一気に食べるのではなく特別な時のためにとっておきます。このような文化があるため冷蔵庫、特に冷凍庫は容量が大きく2台持ちしている家庭もあります。ほどよく頑張るための工夫は金曜の夜にもあります。スウェーデンには金曜日の夜はピザやタコスを食べる習慣があるのです。普段料理をする人にとって金曜日はあらかじめ献立が決まっているため考える手間が省けますし、タコスは材料をみじん切りするだけ、ましてピザはオーダーするだけでいいのです。さらにどちらの料理も老若男女に人気のある料理です。Fredagsmys(フリーダスミス)といって金曜日の夜は家でまったりテレビのショーを見ながらアイスクリームやスナック菓子、グミを食べる文化もあります。このように頑張るにしても効率よく、ほどよくする“Lagom”はスウェーデンの人々が生き生きと人生を楽しんでいるように見える大きな理由の一つだと感じました。



 北欧といえば太陽が沈まない白夜、または1日中暗い極夜を想像する人も多いのではないでしょうか。私が滞在していたカーリクスでも完全ではないものの白夜、極夜が起こります。日本では体験できないため胸を高鳴らせてどんな現象か楽しみにしていました。しかし、いざ体験してみると白夜は夜も明るすぎてなかなか眠りにつけませんし、極夜は学校に行くときも帰る際も外が真っ暗で気分まで暗く沈んでいくようになりました。そんな季節を受け入れ楽しみに変える工夫がいくつもありました。冬の寒くて暗い季節は早くからクリスマスの準備に取り掛かり、クリスマスツリーはもちろん“Tomte”(トムテ)と呼ばれるサンタクロースをあちこちに飾ります。さらに、クリスマスの4つ前の日曜日からアドベントという期間になりカウントダウンを始めます。家では4つのろうそくを立て、日曜日ごとに少しずつ火をともしクリスマスの訪れを目でも楽しみました。また、川もあまりの寒さに凍ります。私が体験した最低気温は-24度です。ところが、その状況さえもスノーモービルをしたりスケートをしたりして自分たちのものにします。そして長くて暗い冬を乗り越えたら、人々は今か今かと待っていた太陽を存分に浴びます。そのためどんなに暑くてもテラス席は人気のようです。こんがりと焼けるためにサマーハウスの外に椅子を出して日光を浴びます。日本では危険な暑さのため日差しは日傘で遮断することがもはや常識になってきています。だからこそ、太陽の光を味わう姿は目新しく魅力を感じました。白夜になるとミッドサマーと言って夏を親戚や友人と一晩中お祝いします。日が沈まないため、眠くなりにくく疲れないことを利用してみんな長い日中を楽しみます。あちこちに湖や川があるため、泳いでサウナで温まる文化もあるそうです。このように、スウェーデンの人々の楽しみ力は何度も感心させられました。




 スウェーデンでは私が今まで見たことないもの、感じたことのないものなど初めてのものが当たり前に存在していました。それを体感させていただいたことは私にとって大きな学びです。私の留学を支えてくださった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。大好きなスウェーデンの文化をこれからたくさんの方にお伝えしていきたいです。

 

(写真、文:2022年度スウェーデン派遣生 芹川 ひかりさん)

 

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