【高校生交換留学体験談】S.Iさん(イギリス・アイルランド派遣)

EILの奨学金制度の一つ、「EIL留学帰国生報奨制度」は、交換留学生としての役割を十分に果たし、活躍した生徒のために設けられた報奨制度です。


本日は、2020年度夏に出発し、今年の夏に帰国したイギリス・アイルランド派遣生S.Iさんの留学体験談をご紹介します!

EIL高校生交換留学プログラムの2020年夏派遣プログラムは、新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、原則としてすべて中止となりましたが、一部プログラム参加の強い希望をいただいた生徒については、派遣先国の状況も見ながらプログラムを催行しました。そんなコロナ禍でのイギリス・アイルランド2か国の留学を振り返っていただきましたのでぜひご覧ください。

 イギリスでの生活

 私は、2020年の9月から6月までの約10ヶ月間、イギリスとアイルランドに留学してきました。(事務局注釈:イギリス4ヶ月、アイルランド5か月の2か国に派遣される1学年間のプログラムです)


 イギリスはランカスターという街で、マザーとファザー、ブラザーが4人と猫のファミリーの家にステイしました。弟たちはみんな私より年下だったので、とても可愛く、そしてとてもパワフルでした。平日でも学校が終わって家に帰ってから、一緒にテレビゲームやおもちゃで遊んだり、戦いごっこなどの"男の子の遊び"も体験しました。私は妹が2人と弟が1人の4人兄弟なので、小さい子と遊ぶという面では同じで、慣れていましたが、男の子が4人という環境は私にとっては初めての環境でした。週末はマザーもファザーもお休みだったので、ロックダウン前は、家族でブラックプールタワーに登ったり、パントマイムを見に行ったりしました。他にもロックダウン中も、みんなで、散歩に出かけたり、家でケーキやビスケットを作ったりしました。


ホストブラザーと

 イギリスの食事は、主にパンやパスタでした。私のマザーはインドカレーがとても好きだったので、カレーや他にもお米を使った料理や中華料理も作ってくれました。また、イギリスには、金曜の夜にはフィッシュアンドチップスを、日曜日の昼はサンデーローストディナーを食べる習慣がありました。


イギリスでの学校生活

 学校は、共学のカトリックスクールに通いました。教科は、数学、歴史、地学、美術をとっていました。イギリスの学校は、日本の高校とは全く違い、制服もなければ、自分のとっている教科のある日、時間に登校し終わり次第帰るという大学のようなシステムでした。

 ドイツ、イタリア、デンマークからの留学生と出会いました。私にとってイギリスでの学校生活は、どちらかと言うと簡単ではありませんでした。新しい環境での学びは、英語力はもちろん、その他にも、専門的な語彙力や、理解力、助っ人が必要でした。また、留学生たちは私の思っていた"留学生"たちはとは異なり、英語は不便なく話せるし、積極的に動けていて、自分との実力の差を実感しました。初めのうちは、自分が出来ない事がショックで、何をどうしたら良いのかが全く分かりませんでした。元々の内気な性格も、不安とともに出てしまい、より前へ進むのが難しくなっていきました。そして迎えた初めてのテスト。あまり良い点は取ることが出来ませんでした。でも、そんな時、支えになったのは、仲間の存在でした。カタコトな英語だったながらも、自分の気持ちを伝える事で、理解をしてくれて、たくさん助けてくれました。そのおかげもあり、だんだん慣れてきて、学校が楽しくなり、最終的には、いい点数を取れるようにまでなりました。私のいた学校は、ボランティア活動が活発だったので、私も積極的に参加をしました。例えば、5キロマラソン募金や、使わなくなったものや服などを寄付したりしました。これらの活動を通しても、仲間の絆や助け合うことの大切さを学びました。


留学中のイベント

 私は、イギリスでハロウィン、クリスマス、年越しと正月の3つの大きな行事を体験しました。ハロウィンやクリスマスの規模の大きさに驚きました。10月に入って少しした週末に家族みんなで、パンプキンピッキングに行きました。その名の通り、かぼちゃ畑にいってかぼちゃ狩りです。あたり一面オレンジ色で、大きなかぼちゃがそこら中にありました。自分の気に入ったかぼちゃを選んで持ち帰り、家でかぼちゃの顔を作りました。作ったかぼちゃは玄関に置きました。みんなそれぞれ個性豊かな顔で、面白かったです。ハロウィンの日は、家族で仮装をしてアフタヌーンティーを楽しみました。普段のアフタヌーンティーではなくハロウィン仕様になっていて、楽しかったです。ハロウィンが終わるとみんなすぐクリスマスの準備に取りかかります。11月ごろから、家の上の方の棚にはお菓子がたくさんたまり始めて、ブラザーが食べたのを、マザーがものすごく怒っていたのを今でも覚えています。


 12月になると、大きなクリスマスツリーも家に届き、兄弟たちと飾り付けをしました。そして2歳のブラザーと毎朝"エルフ"を探しました。エルフは毎日家のどこかに現れて子供たちの様子を見に来るのです。私は初めてエルフを知りました。エルフはいろんなところに現れて、ある日は洗濯機や冷蔵庫の中、ある日はクリスマスツリーの上や、ベットの下などにもいました。クリスマス当日は、朝から晩まで何か食べたり飲んだりしていました。一日中歌って踊って楽しい思い出ばかりでした。日本人にとっては大イベントの年越しや正月の方が、規模は小さく、逆に何か特別なことは全くしないのを驚いた記憶があります。1年の中でこんなに大切なイベントを日本以外の場所で体験できたことがとても貴重でした。



イギリスからアイルランドへ

 アイルランドはケリーのキャッスルアイランドという小さな地域で、ファミリーは、63歳のマザーとファザーと、犬の家にステイしました。私が来た1ヶ月後にドイツからの留学生も一緒に生活するようになりました。隣の家に娘さんが住んでいて、4歳6歳の孫がいたので、子供と触れ合う環境にいました。毎日遊びに来るので、今日は何して遊ぼうか考える日課が出来ました。マザーが散歩がとても好きで毎日歩いていたので、私も毎日一緒に歩きました。一周、約8キロを50分から1時間のペースで歩きます。初めて行った日は、ウォーキングではないと思ったぐらい、マザーのスピードが速くて、ついていけませんでした。そんなパワフルなマザーとの毎日の散歩はとても楽しくて、毎日そこで学ぶことが多くありました。そのおかげで私の英語力も向上したと思っています。ファザーがドライブが好きなので、よくビーチや山に連れて行ってくれました。私がステイしていた地域は海に近かったので、毎週違うビーチに連れて行ってもらいました。私の想像していた海の何倍も広く、透き通ったブルーの海で感動しました。


ホストファザー、ドイツ人留学生と一緒に。

アイルランドでの学校生活

 学校は、女子校のカトリックスクールでしたが、すぐ近くに男子校があり、いくつかの教科は合同で受けていたので、男の子との関わりもありました。私は、英語、数学、化学、美術、体育、フランス語、アイルランド語、宗教をとっていて、日本の高校のように、朝登校して同じ授業を最後まで受けました。留学生は、ドイツ、イタリア、スイスの他にも、アルゼンチン、イラン、スペイン、オーストリア、スウェーデンからも来ていました。私の学校には同じ学年に9人、全校で20人の留学生が通っていました。アイルランドでの学校生活はイギリスでの経験を生かして、さらにパワーアップした自分で望む事が出来ました。また、留学生だけの文化交流の授業では、文化交流をするために、アイディアを出し合い沢山の活動を行いました。例えば、1人1レシピ持ち寄って、世界の料理本を作り、学校で販売、売上金をコロナウィルスのため苦しんでいるインドの子供達に寄付したり、料理を作って食べ比べなども行いました。私は寿司とおにぎり、味噌汁を作りました。みんなおいしいと言ってくれてとても嬉しかったです。


 アイルランドの食事は主にじゃがいもで、何の料理にもマッシュポテトが基本的についてきました。とても美味しく、私は大好きでした。だいたい何曜日は何料理と決まっていて、私たちの家では、月曜日はパイ、火曜日はラザニア、金曜日はピザと決まっていました。私はマザーの作るパイが大好きだったので、月曜日の学校おわりはワクワクして家に帰りました。

 イギリスとアイルランドはとなり同士だから、似ているだろうと思っていましたが、いざ行ってみると全く違いました。日本だけではなく、他の国同士とも比較が出来たということは、誰でも出来ることではない貴重な体験だったと思っています。



 留学行く前は、コロナウィルスも大流行中で、渡航することが危険な状態でしたが、行くと決めた私は、それ以上のことを学んでこようと、そう決意して望みました。それがあったからこそ、自分に明確な目標ができ、このような素敵な留学につながったと思っています。

 コロナウィルスの影響で、出来なかったこともたくさんありました。でもその分、学べたことやその状況だったから出来たことも沢山あって、本当にこの1年間、私にとって貴重な時間になりました。私はこれまでに海外に行ったことがなく、その他にも飛行機に乗ることも、全てが初めてでした。

 

留学で学んだこと

 私はこの留学で、得たことが大きく3つあります。

 1つめは、価値観です。私は交換留学生として、1年間留学をしてきました。イギリスアイルランドの文化だけでなく、沢山の国留学生と関わる事で、より多くの国について知ることが出来、同時に日本のことも知ってもらえたと思います。日本にいた時の考え方と、今とでは大きな違いがあると思います。それは、留学を通して、私の価値観が変わったからです。みんな違ってみんな良いという言葉があるように、みんな一人一人個性があり、同じ人なんていません。みんな違います。お互いの気持ちだったり、意見などを、理解すること、そして尊重することの大切さを学びました。文化交流の素晴らしさを知った今、もっと沢山の国との交流を通して、学びそして伝えること、そして、より多くの人が私と同じ気持ちになってもらえるように、自分から積極的に行動していきたいと思っています。


 2つ目は、自分自身を見つけられたことです。日本にいるときは、何かあれば、助けてくれる誰かがいて、頼れる何かがどこかにはあります。でも、日本や家族を離れ、生活をすることは、簡単ではありません。そんな中での生活は、自分や日本を第三者から客観的に見ることが出来るようになり、自分とは何か、何をすべきなのかを自分で考え行動出来るようになりました。自分を信じること、諦めないで何事にも挑戦することの重要さも学びました。自分の可能性を信じることが最も大切だと実感しました。


 3つ目は、周りの人への感謝の気持ちです。普通に生活しているなかでは当たり前すぎて気づかないものもあります。そこから離れて初めて、自分を支えてくれていたものに改めて気づきました。2つ目の自分の努力がなければ、スタートラインにも立てませんが、周りの人の助けがあってこんなにも素晴らしい経験ができたと思っています。また、私は帰国して、家族のことがもっと大好きになりました。家族や受け入れ先のホストファミリーやスクール、そしてEILの方にも感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。





 

 


(写真・文/2020年度イギリス・アイルランド(夏出発)派遣生 S.Iさん)

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