【高校生交換留学体験談】R.S.さん(南アフリカ派遣)現地レポート

 EIL高校生交換留学プログラムの2021年冬派遣プログラムは、新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、原則としてすべて中止となりましたが、一部プログラム参加の強い希望をいただいた生徒については、派遣先国の状況も見ながらプログラムを催行しています。 そのうちのお1人が南アフリカ派遣のR.S.さんです。


 Rさんは1月に南アフリカで留学生活をスタート。当初は現地の学校開始が遅れたりと予想外なこともありました。今回、特に南アフリカへ留学する人たちに自分の体験をシェアしたいと、レポートを書いてくださいました。ぜひお楽しみください!

 私のレポートに興味を持っていただきありがとうございます。

 早速、私の交換留学についての体験をいくつかのセクションに分けて紹介させていただこうと思います。なお、このレポートは、これから留学(特に南アフリカへ)される方に向けて紹介しています。心構えなど留学準備で行うことが明確になれば幸いです。


ホストファミリーについて

 私のホストファミリーは、ホストファザー、ホストマザー、21歳のホストシスターと同い年ホストブラザーの4人家族です。全員カラードという人種で、簡単に説明すると白人と黒人の混血によって生まれた人のことを指します。南アフリカの人種構成は、ホストファミリーによると、カラードが約10%を占めていて80%が黒人、10%が白人という事です。しかし、私が住んでいるケープタウンでは白人とカラードが30%ずつ、黒人が40%というのがあくまで私視点の人種構成になります。

 これを読んでいて、「我々は?アジア人は?」と思った方が多いと思いますが、ほとんどいません。近くのスーパーへ行く時や友達と遊びに行った時などに、しばしば「珍しいな」というような視線を感じることがあります。


ホストブラザーとの関係

 ホストファミリーとの交流の中で、特にホストブラザーとの関係をピックアップして書こうと思います。同い年ということもあって、とても話が合います。勉強のことでは、英語の宿題を手伝ってもらう代わりに、高校の数学を教えたりしています。遊びでは、スケートボードの乗り方を教えてもらったり、アイススケートを一緒にやってみたりと楽しい体験をさせてくれます。ホストブラザーはとても映画が好きで1週間に2本くらいのペースで私と観るのですが、2時間ほど真剣に英語を聞くので、とても効果的な英語上達に繋がってなっています。他には、近くでおすすめのお店を教えてくれたり、ホストファミリーが誕生日の時にお金を半分ずつ出し合って一緒にプレゼントを買ったりなど、ホストブラザーの存在は、家での生活をとても充実したものにしてくれます。


ホストファーザーの誕生日会にて 左前からホストファーザー、私、ホストブラザー、Federico、ホスト ブラザーのいとこ、ホストシスター

家での生活について

 まず始めにお手伝いについてです。基本的に調理と洗濯機を回すこと以外の家事は私と同い年のホストブラザー、ダブルプレースメント(事務局注:他国からの留学生と同じホストファミリーに滞在すること)のイタリアからの留学生と、3人で分担をしながらこなしています。具体的に、皿洗い、掃除、洗濯物を干すことなどをしています。皿洗いでは、3人で洗う係、布で湿気を拭き取る係、戸棚に食器をしまう係に分かれて1日ごとのローテーションでまわしています。掃除では、基本的に土曜日に掃除機をかけます。これも3人で分割して行います。最後に、洗濯物についてですが、私のものはもちろんのこと、他の物も干します。ちなみに洗濯は週に1回なので洗いたいものは大きな袋にためておきます。

 次に日常生活についてですが、月曜日から金曜日までは学校があるので毎日3時半ごろに帰ります。なお、送り迎えは毎日ホストマザーがしてくれるので、誘拐などの心配はありません。ホストファーザーは、毎日5時ごろに帰宅するので、それからみんなで夕食をとり、団らんの時間となります。 南アフリカでの朝は早く、7時55分には学校にいなければならないので、平日は早めに寝ています。土曜日はあまり日本と変わらないのですが、日曜日は夕食を食べません。というより昼食と夕食が合わさったような少し豪勢な料理を食べて、後はそれぞれお腹がすいたら食べるという感じです。

 食べる時間以外はホストファミリーもそれぞれの部屋にいて1日を通して休憩の日となっています。



料理について

 料理は、月に2回弱くらいの頻度で作っています。私は寿司、カレー、カレーパン、コロッケ、ロールケーキ、南アフリカの郷土料理でvetkoekというものを作りました。中でもカレーやコロッケは人気でした。しかし、日本食で使う調味料はなかなか手に入りません。留学生の方は、カレーを作るならばカレールーに加え、鶏がらスープの素やほんだしなどを持っていくととても重宝すると思います。普通の食事に関しては、パンが主食でチキンを始めとした肉類を食べます。日本と比べて野菜が少ないというのがざっくりとした印象です。 






学校の勉強について

 日本に比べて南アフリカの教科の数は少ないです。全部で7教科あるのですが、まずは必修科目として英語、数学、Life Orientationアフリカーンス語があります。アフリカーンス語と聞いて驚いた方も多いと思いますが、留学生には難しいということで私の知る限りすべての学校で留学生は免除になっています。クラスメイトがアフリカーンス語をやっている時間は図書室に行って、自習をしています。

 次に選択科目ですが、これも私の学校を含めほとんどの学校で、3教科とることができます。代表的なものに、生物、物理、歴史、Consumers、コンピューター、美術、音楽、地理などがあります。


 これまで受けてきた授業の感想を書こうと思います。

 まず、ほぼすべての教科について言えることが日本に比べて非常に簡単だということです。最初に英語についてですが、基本的には国語を英語でやっているような感じです。小説や詩を読んでそれについて議論をしたり、エッセイを書いたりなどが主な授業内容です。英語の長文が嫌いな方がもしもいたら克服をしておかないと、とても苦痛な時間になってしまうと思います。

 次に数学についてです。私はGrade11(日本での高校2年生)に入っているのですが、やっていること自体は中学数学のレベルです。たまに難しい単元などがありますが、よっぽどの事がない限り数学Ⅰ・Aの範囲におさまるので心配しなくて大丈夫です。それでも心配という方には、Math Literatureと言って算数のレベルを取ることもできます。

 Life Orientationとは、日本でいうところの体育と安全に生きるための知識や一般常識が合わさったような教科です。難しくはないので大丈夫です。


 次に選択科目について説明しますが、私のとっている科目についてしか書けませんがご了承ください。

 選択科目1つ目は生物です。これは単元ごとの振れ幅がかなりあり、中学生レベルの光合成をやるときもあれば、高校の生物でやるような生物の分類、臓器の少し細かい部分を学ぶことがあります。他教科に比べて覚えることが多いというのが正直な印象です。そのうえ、英語の専門的な単語のため、あくまで私の感想ですが難しいです。

 選択科目2つ目はConsumersです。先の文章でConsumers「え、消費者たちってどういうこと?」と思った方も多いと思います。実際に私も最初の授業で収入と支出について学んだのですが、なぜが2回目の授業でイースト菌について学び始めたため、少なからず戸惑いました。結局、Consumersは家庭科(調理実習や栄養素)と少しの社会科(収入など)と少しの美術(色相環やインテリア、服装など)が合わさった教科というのが半年ほど授業を受けてわかってきました。難易度的には、日本で習わないことですが、そこまで難しくはありません。将来的にすごく役に立つことなのでとても楽しいです。料理のところで書いたロールケーキやvetkoekもConsumersで習いました。

 選択科目3つ目は、音楽です。日本と違い、音楽は誰でも取れる科目という訳ではなく、何かしらの楽器(私の場合はピアノですが、フルートやヴァイオリンの生徒もいます)を演奏できることが履修条件となっています。主な学習内容として音階やハーモニー、和音を学ぶTheory、アフリカのジャズの歴史を学ぶHistory、作曲について学ぶCompositionを学んでいます。私がまったくそのようなことを知らなかったのもありましたが、始めのほうはかなり苦労をしました。


友達について

 学校での友達については、初めのほうこそ英語が聞き取れず何度も聞き返して申し訳なく思うことや、自分の思うことを正確に言うことが出来なかったりと苦労することがありました。しかしながら、前者のほうでは友達は面倒くさがらず簡単な単語を使ってかみ砕いて話してくれたり、ジェスチャーで分かりやすくしてくれたりといった親切な対応で私がはっきりと理解出来きるまで付き合ってくれました。後者のほうでは、私の拙いとぎれとぎれの単語から言いたいことを理解しようとしてくれたり、それによって新しい単語を教えてくれたりと、私にとっても大きな利益をもたらしてくれました。南アフリカの人たちは驚くほどフレンドリーで、留学前に学校生活が少し不安だったのですがとても楽しく過ごしています。又、授業でわからないことがあったら教えてくれたり、「何か困ってることない?」と聞いてくれたりとても親切です。

 南アフリカでは日本のアニメがとても人気で、学校で過ごしていると話したこともない人がいきなり「このアニメ知ってる」と聞いて来たりしてくれます。なんと部活動の1つに日本でも珍しいようなAnime Societyがあるほどです。南アフリカでは、ナルト、進撃の巨人、鬼滅の刃、ワンピース(人気順)などの話をよく聞きます。お土産などによいかもしれません。


その他学校の規則など

 休み時間は芝生に座って昼食をとること、私の通っている学校には制服があって靴下も決まっていて靴もローファーと決まっています。写真からも見て取れるように上はシャツに青のブレザー下は女子の場合スカートか長ズボン、男子の場合半ズボンか長ズボンです。女子はピアスの穴を保持する用の小さなピアスを1つまでつけることができます。

 これは学校によって異なりますが私の学校では、学校の諸連絡などはスマートフォンのアプリを通して行われます。又、特定の教科ですが授業の内容などもそのアプリに載せてくれるため、復習などがしやすく学校を休んだ時なども何を学んだかなどがわかります。

 朝は8時に着席完了で8時15分から1限目が始まります。時間割は40分授業が月曜日から木曜日まで8時限ずつあり、3限目と4限目、6限目と7限目の間に30分の休み時間があります。その他の休憩はないため、2時45分に終わります。金曜日も8限目まであるのですが、1時限30分ずつで休憩も20分が1回のため12時半に終わります。1日の教科はLife Orientation以外全ての教科があります。


学校のグラウンド。右奥でチアリーディング部が活動しています。

休み時間は芝生に座って昼食をとることも

ほかの留学生

 先にも書いた通り私はイタリアからの留学生とダブルプレースメントをしていましたが、EILを通して日本からの留学生は3人であるのに対し、なんとイタリアからの留学生は50人近くいます。私も仲良くなって色々なところへ遊びに行ったりしています。その中でイタリア語を少し教えてもらったり、食事をした時に「これは本場のピザではない」などたくさんの事を知りました。もちろん留学前はそんな体験があるなど考えもしなかったのですが、他の国(イタリア以外にもサウジアラビア、ドイツ、フランス、グアテマラなど)からの留学生との交流がとても楽しく、貴重な経験になっています。留学生と会う機会の1つに、隔週土曜に行われるサーフィンレッスンがあり、その後に皆でビーチ沿いの店で昼食をとる事がその週の習慣のようになっています。お互い英語が母国語ではないので、特にイタリアからの留学生は訛りが強くて最初は聞き取るのに苦労しましたが、次第に聞き取れるようになっていくことから上達している実感がわき、そしてまた話したくなるといった好循環が生まれてこれも英語の上達に大きく貢献したと思います。

 特に仲の良かった留学生として、下の写真の3人と半年で30回以上も遊びに行きました。ある時はWater FrontというCape Townで一番都会な場所に行き、また別の時にはLion’s Headと言われる観光名所の山に登ったりと様々な思い出があります。


 たくさんの人との思い出があるのですが、その中でも1番過ごした時間の長いダブルプレースメントをしていたFedericoとの思い出について書こうと思います。過ごす時間が長いということは、その人のことをとてもよく知るということ。つまり良いところもたくさん見つけますが、裏を返せば受け入れられないところもたくさん見つけてしまいます。それがもとでFedericoとは何回も喧嘩をしました。1日私語を交わさないこともありました。しかしそのたびにお互いが自分の悪いところを見つめなおし、時にはホストファミリーの力を借りながらも仲直りをしてきました。雨降って地固まるとはまさにこのことでFedericoが帰るときには泣き出しそうになってしまいました。


Water Front 近くの道:左からGiovanni Edoardo Federico

最後に

 これは、留学に限らず日常生活にもつながることだと思いますが、最初が肝心だということです。実際に私は学校初日などは特に緊張してしまい、話しかけてくれた友達と会話を続けることができませんでした。それによって話そうとしてくれる友達が他の留学生に比べて少しずつ少なくなっていってしまいました。それから頑張って話していきましたが、第1印象を変えることは難しく、たくさんの友達と話せる様に戻るまで時間がかかってしまいました。

 英語で話すこと。特に初めのほうは難しいかもしれませんが、とぎれとぎれでも話そうとする意欲が伝われば、南アフリカの人たちは面倒だと思わずに助けてくれます。

 臆すことなく、自信をもって、積極的に人と交流していけばより良い留学生活になるはずです。




(文章・写真 2021年南アフリカ派遣R.S.さん)

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