【高校生交換留学体験談】H.T.さん(南アフリカ派遣)

 EIL高校生交換留学プログラムの2021年冬派遣プログラムは、新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、原則としてすべて中止となりましたが、一部プログラム参加の強い希望をいただいた生徒については、派遣先国の状況も見ながらプログラムを催行しています。  そのうちのお1人が南アフリカ派遣のH.T.さんです。南アフリカ派遣プログラムは過去に何人も参加したプログラムでしたが、現地受入団体の状況などもあり、派遣を長く中断をしていました。

 EIL国際連盟の加盟メンバーから南アフリカで交換留学プログラムの実績のある団体を紹介され、EIL職員が現地訪問をしたのが2019年秋(現地訪問レポートはコチラ)。素晴らしい環境とサポート体制を確認し、満を持して南アフリカ派遣プログラムが再開しました。

 Hさんは交換留学プログラムの参加を強く希望し、留学に行くからには生活の様子が想像がつかないような、馴染みのない国に行きたいと、南アフリカを志望してくれました。


 2021年1月に出発し、南アフリカ留学を開始したHさん。新型コロナウイルスの感染状況の影響により、学校の開始時期が3週間近く遅れるといったこともありましたが、素晴らしい体験を重ねているとのことで事務局にレポートを寄せてくれました。素晴らしい内容ですので、ぜひお楽しみください!

 まず、私の近況報告に興味を持ってくださり、ありがとうございます。そして、読んでくださる前に1つ注意して欲しいことがあります。それは、このレポートの内容をこのままCape Town の、南アの全てだと思わないで欲しい、ということです。

 例えば、私の日本の在籍校は自主性を重んじられ、指定の服装もありません。もし私の在籍校にに来た留学生の子がそのまま「日本の高校」として母国に伝え、そのまま母国の人が受け取ったら、なにか少し違うイメージを持ってしまうと思います。個別の学校としての情報としては正しくても、それは必ずしも全体に当てはまるとは限りません。

 南アはもともとの情報を持っている人が少ない分、色々な人の話を比べることが難しく、個別の話を「へー」とそのまま全体に当てはまる話として飲み込んでしまうことがあるかもしれません。でも、ここに書かせていただく話は、あくまで私の通っている特定の学校と、ホームステイ先での私の個人の体験の話です。そのことを忘れずに、読んでいただきたいです。


ホストスクールの話

 私の高校はTable Mountain のふもとにあり、校庭から大きなTable Mountainを一望することができます!そして「南ア=ラグビー」という連想は正解で、昼休みにタッチラグビーをしているグループがいくつもいます。ホームルーム対抗のスポーツの日の種目もタッチラグビーでした。



 南アフリカの人は本当に、本当にフレンドリーです。学校初日は驚くくらいに、みんなが話しかけてくれて、とても嬉しかったです。

 少し前に、放課後に友達と遊びに行ったことがありました。そこで、景色が綺麗に見えるフォトスポットに並んでいた時、前に並んでた若い夫婦が話しかけてくれて、会話が始まりました。このことすら、私の育った環境では起こり得ないことですが、さらに一緒にフォトスポットで写真を撮って終わりました。こんなフレンドリーな性格の人が多い環境は、自分から自己紹介をしたり、質問をしたりすることもしやすいと感じています。


 私の通うホストスクールには制服があり、ネックレスや大きめのピアスの着用はできません。授業内容は、全て日本の方が進んでいて、英語で学び直す、という感じです。(今Mathでやってることは、私たちが中2で習ったものでした)

 日本の教育は受け身だ、偏差値重視だ、暗記重視だ等と叩かれることが多いですが、私は日本の教育を受け、偏差値を求めて必死に暗記したものが、今とても役に立っています。Historyのエッセイを書く時、Life Scienceで生物の特徴を学ぶ時、「あー、日本の教育受けててよかったな」と強く感じます。日常生活でも、いつか「暗記」した教科書英語の表現が、ふとした瞬間に頭に浮かんでくることがあります。

 日本にいた時も特に自分の受けてきた教育に疑問を感じたことはなかったですが、他の国の教育を受けた今の生活からも、私は日本の教育のマイナス点が見えないです。(教育の手本とされているドイツや北欧などにいるわけではないので、なんとも言えませんが、、、) 今後、ドイツや北欧に留学に行った人や、「日本の教育問題」について関心のある人と話してみたいなと思っています。


 時間割はDAY1 Monday〜DAY10 Friday まであり、2週間周期で変わります。DAY1〜DAY5の時間割は図の通りです。


 7限までありますが、朝は8:00から、一コマ50分、日本でいう教室移動の10分休憩はないので、7限は14:20に終わります。そして、金曜日はMuslimのお祈りが午後にあることから、12:10に高校は終わります。金曜日はお昼前に終わることから、友達と遊びに行くことが多いです。

 HistoryとBusiness study は私の選択科目で、他にもTourism, According, Geography, Music, Consumerなどを選択できます。Afrikaans(アフリカーンス語)はGrade1からの科目なので、私たちが途中から理解することは難しく、Afrikaansの時間は自習をしています。Afrikaans は1652年にオランダの植民地になったときにできた言葉で、オランダ語にとても似ています(発音はドイツ語に近い?)。私は初め、Afrikaans は現地のアフリカ系の人の言葉だと思っていたので、Afrikaans の先生が全員白人なことに疑問を持っていました。ところが、そもそもAfrikaans は植民地化によって生まれた白人のための言葉でした。地域によっては、学校で使う言葉がAfrikaans に強制された学校があったそうです。「アパルトヘイト」とは、Afrikaans で「分離、隔離」という意味です。Xhosa語を第一言語とする生徒も多く、学校ではXhosa語とAfrikaans語と英語を話している生徒がいます。日本の学校生活で、第一言語がこんなにもバラバラな環境に出会うことがなかったのでなんだか面白いです。アジア人は2人3人しか見かけませんが、アジア人だからといって何か言われることもありません。さすがレインボーネーション!!ここで生活していると、人種差別があーだこーだと討論したりしていることすら、おかしなことに感じてきます。けれど1994年まで続いた差別は、決して忘れてはいけません。


南アの歴史について良く知らない方への参考資料

・ラグビーとアパルトヘイト50年前に何があった(マッドロイドBBC、2019)

・「南アフリカ」で人種差別の歴史を知ろう(たびこふれ、2020)



ホストファミリーとの生活

 私は、イタリアからの留学生のSofiaとホストマザーのBrendaと3人で暮らしています。高校が始まって約1ヶ月が経ち、到着後の1ヶ月のように常にSofiaと何をするにも一緒、という関係からは少し変わりましたが、お互い高校で気の合う友達を見つけて、別々に出かけてお互いしたことを話したりして、もっと家族になったなと感じています。

 マザーのBrendaは好きも嫌いもしっかり言葉で伝えてくれる人です。そんなBrendaのおかげて、お互いの好きなことは伝えるし、ここは拭いて欲しいとか、ここ片付けてほしいとか、すぐに伝えあえています。最近は冗談を言い合って、毎日たくさん3人で笑っています。



 そんな良好な関係を築けていますが、1つしっかり話し合う必要がある機会がありました。少し前にSofia と他の友達と出かける予定を立てていましたが、私はある理由からその子たちと出かけることに居心地がいいと感じられていませんでした。でも、私はその理由を具体的に伝えずに、ただ「少し疲れているから」と言って、出かける予定を断ってしまいました。1日経って自分の言動を振り返ってみると、これはだめだと思い、理由を全てSofia に伝えました。全て理由をしっかり伝えたことで、Sofiaは私の気持ちを分かってくれ、2人で今後の解決策を考えることもできました。話し終わった後は、すごくすっきりした気持ちになりました。正直、まだすべてが解決したとは言えないし、今後も悩むことはあると思いますが、隣にいるSofiaがそれをわかってくれている、ということは、私を安心させてくれます。今後、一緒に暮らしていく中で、少し言いづらいことも出てくると思います。けれど、できる限りオープンに、悩んでることを話すことは、とても大切なことです。今回の経験を忘れずに、「伝える」ことを大切にしていきます。


貴重品管理について

 私はBrendaのこともSofiaのことも大好きですし、とても信頼していますが、外出する時はもちろん、家の中でも日本にいた時以上に物の、特に貴重品の管理をするようになりました。それは、一緒に暮らす2人を信頼していない、という訳ではありません。ただ、もし「多分あそこに置いたはずとお金がない、、」となった時、2人が取ったかも等と思いませんが、お金がなくなったという事実は何か関係を不安にさせるように感じるからです。

 お互いの「好き」と「信頼」を失わないために、自分のものは自分でしっかりと管理する。外出するときも、南アの「好き」を失わないように、道路ではスマホを出さない。バックは小さいものにする。日没前に家に帰る、といったことを徹底しています。

 自分のちょっとした不注意で、少しでも自分の「好き」を失ってしまったら、そんなにも悲しいことはありません。自己管理とは、好きなものを好きなままでいられるようにするために必要なことなのだなと感じています。


bo-kaap訪問

 先日、bo-kaap に行ってきました!1700年頃に東南アジアなどから連れてこられた奴隷たちが暮らしていた住宅です。特徴的なカラフルな住宅を写真などで見たことある人も多いのではないでしょうか?ぜひしっかり歴史についても知ってもらいたいです。

参考サイト:カラフルな住宅街bo-kaap で感じたこと(2020)



最後に

 この2ヶ月でたくさんの人に出会い感じたことは、自分と何がが通じる人とは出会った瞬間に「何か」を感じる、ということです。一緒に出かけるまで仲良くなった友達は、初日に話しかけてきてくれた、たくさんの子の中の1人でした。けれど、彼女たちには他の子たちには感じない、「何か」を感じました。それは目で見えるものではありませんし、うまく説明できるものではありませんが、その「何か」を感じた相手の人たちは、今のところ確実にいい人で、気が合う人なのです。ドラマや映画でいう「彼には何か特別なものを感じたの!」というようなものでしょうか。少し違う気もしますが、、、

 日本にいた時も、「何か」を感じる人に出会うことは何回かありました。しかし、正直自分のよくわからない直感を信じていませんでした。でも、南アフリカに来て、確実にこの直感が当たっていて感動しています。もちろん、「何か」を感じなくても、話しているうちにすっごく仲良くなることももちろんありますし、このよく分からない直感で人の距離を決めたりしようとしている訳ではありません。ただ、ここで言いたいことは、人には見えない「何か」があってそれが人と人とを結びつける、などといった英語やドラマで聞きそうな言葉は、本当なのだなと感じた、ということです。

 学校が始まり、英語力も格段伸びていることを感じていますが、引き続き自分でスマホで作っている単語帳をコツコツとやることも忘れずに、思いっきり友達と遊んで、たくさんの景色と美味しいものを食べて過ごします!。(私のお気に入りの南ア料理は、AkniとKoeksisterです。ぜひ調べて見てください!)


(文章・写真 2021年南アフリカ派遣H.T.さん)

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