【高校生交換留学体験談】H.T.さん(南アフリカ派遣)第5弾

 EIL高校生交換留学プログラムの2021年冬派遣プログラムは、新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、原則としてすべて中止となりましたが、一部プログラム参加の強い希望をいただいた生徒については、派遣先国の状況も見ながらプログラムを催行しています。  そのうちのお1人が南アフリカ派遣のH.T.さんです。Hさんは交換留学プログラムの参加を強く希望し、留学に行くからには生活の様子が想像がつかないような、馴染みのない国に行きたいと、南アフリカを志望しました。


 実は現地で新型コロナウイルスに感染してしまったHさん。感染した時のことやダブルプレースメントのSophiaとの別れなどについて書いてくれました。ぜひお楽しみください。

 

 帰国まであとわずかとなりました(事務局注※Hさんは元々8か月留学プランで留学されています)。こうして留学体験を書くことは、私にとって初めての「自分の気持ちを言葉にして発信する」という経験です。難しいと感じることもいくつかありましたが、とても良い経験になりました。読んでくださっている方に感謝しています。ありがとうございます。


コロナについて

 南アフリカ国内ののコロナの感染者は、1ヶ月前は1日5千人ほどだったものが、今は20万人ほどまで上がり、6月下旬からは、Level4のロックダウンが始まりました。学校は閉鎖され、ランニングクラブの活動も全て中止になり、外出も自粛になりました。1ヶ月前までCape Townの端から端まで走り回っていた私にとって、行動範囲が半径500m以内で生活をした今月は、何か別の世界に来たような気持ちです。

 この感染拡大の第3波が広がる中で、私も感染者の1人となりました。「まさか自分が感染するとは思っていなかった」というのが私の正直な気持ちです。コロナと隣り合わせの生活がもう1年以上が経っているのに、私は未だにコロナを自分ごととして考えることができていませんでした。

 もしかすると、「1年以上が経ったから」なのかも知れません。高く持っていた意識も、時間と共に「ここまではいいか」のレベルが少しずつ下がっていき、いつの間にかマスクと手指消毒をすることだけが感染予防になっていました。いつの間にか、テレビで見る感染者数はただの数字になり、いくら数字が上がっても私の気持ちには変化が起きなくなっていました。いつの間にか、「持病がない限りコロナで人は亡くならない」と思うようになってしまっていました。

 これもこのウイルスの難しいことの1つなのかなと思います。何度も繰り返されるロックダウン、緊急事態宣言、自粛要請に疲れてしまった私たちは、私たち自身のために取られている政策だと分かっていても、変わらない状況を誰かのせいにして批判したくなってしまいます。また、人によって異なるこのウイルスに対する考え方から、気軽に発した言葉が、相手を傷つけたり、関係性を崩したり、何かを失うきっかけになることもあります。私はこの1ヶ月でコロナにより知り合いを2人亡くしました。これ以上悲しいニュースを作らないように、もう一度意識を高く持ち、これ以上死者が出ないことを心から願っています。


 また、コロナだけでなく汚職疑惑で逮捕されたズマ前大統領の支持者による抗議行動の広がりも、私たちの生活を悲しい方向へと進ませています。彼の支持者が彼を刑務所から解放するために、ごく普通のスーパーやカフェに押し入り、食べ物、家電を奪い、建物を燃やしています。ニュースや携帯に流れてくるニュースは衝撃的で同じ国で起こってるとは思えない光景です。

 現時点で主な暴動が起こっているのは、ケープタウンから離れたダーバンとヨハネスブルグと呼ばれる地域なのですが、ケープタウンでも暴動が起こってもおかしくはありません。私が住む地域にも警備のために警察のヘリコプターが飛んでいます。既に1200人以上の逮捕者と70人以上の死者が出ており、その数は毎日上がっています。またこの暴動により、周辺に住む人は食べ物を得ることができなくなっています。

 コロナの第3波が襲う中で暴動が広がっているため、ニュースはこの2つのトピックの繰り返しです。ニュースキャスターの方も、「何か明るいニュースが必要ね」と言っていました。



Sofiaの帰国

 7月10日にダブルプレースメント(事務局注※同じホストファミリーに滞在する他国からの留学生)をしていたイタリア人のSofiaが帰国しました。Sofiaも私の感染の1週間後にコロナに感染してしまい、隔離が終わったのは帰国の3日前でした。クラスメイトにも最後お別れを言うことができず、最後にやろうと決めていた観光もすることができないままの帰国となってしまいました。けれどSofiaは「この経験から毎日悔いなくやり残すなく生きる大切さを学んだ」と、前向きな言葉を伝えてくれて、私もホストマザーも少し救われた気持ちになりました。

 Sofiaと暮らした6ヶ月間はとても幸せな時間でした。英語が伝わらない時に助けてくれたり、毎週イタリア料理を作ってくれたり、進路について話したり、課題を一緒にしたり、雨の日にベッドに一緒に潜ってNetflixを一日中見たり、夜な夜な恋バナしたり、姉妹のような親友のような、そんな存在です。いつか必ずイタリアにSophiaに会いに行くつもりです。

 Sofiaの帰国の次の日もホストマザーと2人で涙をポロポロと流してしまいました。そういえば、南アに来てからすぐ泣くようになったなぁーと思いました。

Sophiaと

THE HIIT LIST

 先日、学校外で参加しているHIIT SQUADというランニングクラブが、地元ネット新聞に取材をしていただく機会がありました。記事には、トレーニングをして得た経験話、クラブに参加をする前の話、トレーニング中の話などなど、各自自由に “ The Untold Story” (語られざる物語)としてシェアしました。私も1ページをいただき、貴重な機会をいただくことができました!

 私は日本にいた時、市民運動会、町内会のイベントや地域のスポーツクラブなど、地域と繋がる活動にほとんど参加をしたことがありませんでした。それも1つの理由で、町内の中を歩いていても、すれ違った人に会釈するくらい。そこで、「お久しぶりです!」「最近どうですか?」なんて言って、立ち止まって立ち話をしたことなんて一度もありませんでした。でも、ケープタウンに来て、多くの活動に積極的に参加をするようになり、10年以上住んでいる日本の町内よりも、たった6ヶ月しか住んでいないケープタウンでの町内の方が、「繋がっている」と感じています。地域と繋がることにメリットを感じるか、感じないかは人それぞれですが、私はこの経験を通し、地域と繋がることの大切さや面白さに気づきました。

 一番の大きな学びは、自分とは違う世代の人や異性との交流を持つことがとても多くなったことです。日本では女子校のような共学校に通い、その中でも主に同級生としか関係を持たず、また日常生活で会う大人は家族と高校の先生くらいであった私にとって、年上や年下の方、異性の方は今振り返って考えると、何か一歩距離を置いてしまう存在でした。でも南アにきて、同級生や同性でなくても変に構えることなく話せるようになったことで私の世界は大きく広がったと思います。


南アフリカ料理

 今月は家でゆっくり過ごす時間が多かったため、ホストマザーとよくお料理をしていました。そこで、南アフリカ料理について少し書かせていただきます。


 南アフリカ料理と聞いて、「はいっ!」と料理名を言える人はいますか?きっと多くの人にとって馴染みがない部類の食べ物だと思います。。でも、私の感覚からは、南アフリカ料理は日本人の口に合う物が多い気がします。主な南アフリカのローカル料理の特徴は、ケープマレー文化の影響を受けています。ケープマレーとは17世紀に南アフリカにやってきたオランダの入植者たちによって連れてこられた、東アジアの民族のことで、マレーシア人やインドネシア人が含まれています。南アフリカにイスラム教徒の方が多いのもここから来ています。彼らの料理の特徴は香辛料を多く使ったカレー味の料理です。ご飯と野菜をカレー味のスパイスと一緒に炊いたアクニや、ミンチ肉にターメリック、シナモンなどのスパイスを加えてオーブンで焼くボボティーなどとっても美味しいです!

 唯一私が苦手としているものはイエローライスと言われるご飯をカレー粉と砂糖と一緒に炊いたもの。よく、ひき肉料理と一緒に食べることが多いのですが、ひき肉の塩気に勝つくらい甘いです!

 また、私のステイ先ではパンよりもご飯を多く食べるので、そこも日本人が好きなポイントかなと思います。

 ローカル料理のケープマレー料理は主にカレー風味のものですが、南アフリカにはヨーロッパ系、アフリカ系、インド系、マレー系などといろんな人種の方がいるため、アフリカーナ料理、インド系南アフリカ料理、ポルトガル系料理などなど家庭によって食べているものが違います。友達の家でご飯を出してもらう度に、ホストファミリーと食べるご飯とは違うものを食べれるのも面白いことです。


右がボボティー、左はタピオカの小さい版のセイゴを牛乳とカスタードでと混ぜて焼いたセイゴプティングです。

最後に

 最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

 7月19日からはSofiaに代わり、Jasminaというイタリアからの留学生と一緒に暮らしており、また楽しい生活が始まりそうです。高校の再開がいつになるかはまだ分かりませんが、学ぶ姿勢を忘れずに生活していきたいです。


(文章・写真 2021年南アフリカ派遣H.T.さん)

 

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