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【高校生交換留学体験談】H.T.さん(南アフリカ派遣)第4弾

更新日:6月20日

 EIL高校生交換留学プログラムの2021年冬派遣プログラムは、新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、原則としてすべて中止となりましたが、一部プログラム参加の強い希望をいただいた生徒については、派遣先国の状況も見ながらプログラムを催行しています。  そのうちのお1人が南アフリカ派遣のH.T.さんです。Hさんは交換留学プログラムの参加を強く希望し、留学に行くからには生活の様子が想像がつかないような、馴染みのない国に行きたいと、南アフリカを志望しました。


 今回は周辺国出身の友人との触れあいのことや、ランニングクラブについて書いてくださいました。では、第4回のレポートをどうぞお楽しみください。

 

 Cape Townに来て5ヶ月が経ちました。今月は今までやってきたことの継続の月でした。火、木、土のランニング、金曜日チャリティー、日曜日のハイキング、と美しく、そして悲しい景色をたくさん見ました。でも「やっぱりここが好き!もっとここを知りたい!」と、また強く感じました。


International studentsの絆

 私の通う高校に横には、hostelと呼ばれる学生寮のようなものがあり、そこには親元を離れて生活している子が暮らしています。理由はいろいろですが、家が遠い子、親がいない環境で育った子、International studentsなどです。今回はInternational studentsの友人との話を書せていただきます。

 ケープタウンは他のアフリカの国と比べると、所得や教育のレベルが高いため、アンゴラ、ナミビア、ボツワナ、モザンビークなどの周辺国からの労働者や学生が多くいます。私の仲のいい友人の一人もhostelで暮らしています。彼女はアンゴラ出身で、より良い教育を受けるためにgrade 8の時から一人でケープタウンに来ています。(南アでは高校は5年間なのでgrade8からgrade12までが高校生です)

 彼女の話を聞くと、彼女が最後に両親に会ったのは2年前で、コロナの影響で帰国が2度中止になり、2年経ってしまった、ということでした。他にもナミビア出身の友人は、おばさんがCape Townに住んでおり、そこで一緒に暮らしているのですが、両親には1年以上会っていません。  


 私は彼女たちと話すとなんだか強い気持ちになります。アンゴラ出身の友人の第一言語はポルトガル語で第二言語はスペイン語、そして第三言語が英語です。さらにナミビア出身の友人は第一に、彼女の育った村で使う現地語、第二にアフリカーンス語、第三にドイツ語、そして第四に英語です。複数の言語を話すことはケープタウンでは当たり前のことですが、ほとんどの人が第一か第二言語として英語を話しています。けれど、彼女たちは外国語として英語を勉強し始め、家族と離れた別の国で、自分の将来のために頑張っているのです。一度友人に「ホームシックになったりする?」と聞くと、「This is my choice to come here.(ここに来たのは私の選択よ)」とだけ返ってきました。彼女たちは強く生きようとしているのだな、と心から感じました。彼女たちはいつも前向きで、マイナス発言な言葉を言っているところを見たことがありません。

 私自身、ホームシックとまではいかないですが、たまに日本の家族や日本食が恋しくなる時があります。また、英語での課題に苦戦することもあります。けれど、彼女たちと話すと、「グズグズしてられない!」という気持ちになります。また、彼女たちとケープタウンに来て驚いたことや、自分の国について話すことはとても楽しいです。10代で親元を離れて、他の国で生活を送ることは、それが自分が望んでした選択であったとしても、たまに難しく感じる時期があります。その分得られることも多く、そして同じ決断をした人同士、何か繋がるものがあるのかな、と思いました。


ナミビアからの友人と折り紙をしました


HIIT SQUADでの話

 私は、HIIT SQUADというランニングクラブに学校外で参加をしています。このクラブには小学生から仕事をリタイアした人まで、幅広い人たちが参加をしていて、週3回集まり、火曜と木曜はハーフマラソンに向けた練習、土曜の早朝は、ケープタウンの絶景を見える場所を走っています。

 HIIT SQUAD は私に本当にたくさんのことを教えてくれます。限界のない南アの美しい景色、1994年まで続いた隔離政策の中での生活、ホームレスの実態、ケープタウンのコロナの前の生活、南ア料理の作り方、などなど。HIIT SQUADを通して学んだことは数え切れません。

 「留学生活で一番辛かったことは何か」と聞かれたら私の答えは一つだけ。ここで出会った人が全員優しすぎて、自分の汚い人間性に嫌なほど気付かされる、ということです。「あー、なんで自分はこんな風にしか考えれないんだろう」と自分に落胆することや、感謝しきれないほどの彼らの言動に、「自分だったらどう行動していたんだろう…」と考えることがたくさんあります。ここでの人との出会いは、私の人としての生き方、考え方に大きな変化を与えてくれます。少しずつでも、私がお世話になっている人、これから出会う一人一人に自分自身の言動を通してこの感謝を返せる人になりたいです。


 私が気に入っているケープタウンの人がよく使う言葉の一つに、「No one is better than you, you are not better than anyone.(あなたより優れている人はいないけど、あなたは誰よりも優れてはいない)」という言葉があります。学校や仕事に対する考え方や会話を聞いていると、この言葉はケープタウンで生きる人の根っこに染み付いているのだなと感じます。




 先日、とても心が温かくなったニュースがありました。それは、HIIT SQUADの人同士が婚約したのです!二人ともいつもお世話になっている素敵な方たちで、そんな二人が夫婦になると思うと、とても幸せな気持ちになりました。コロナの影響で、大きな婚約パーティーは開けなかったのですが、一部のランニングクラブの人たちで、小さなお祝いをしました。


婚約パーティーにて

最後に

 先週末にterm 2(2学期)の試験が終わりました!3週間後にはホリデーが始まり、それと同時にダブルプレースメント(同じホストファミリーで生活する他国からの留学生)のSofiaは帰国になります。イタリア人とダブルプレースメントになる、と書類が届いた時は、ワクワクとそれ以上の不安がありましたが、心配する必要はなく、今は姉妹となり暮らしています。一緒に過ごした時間は半年程度ですが、この関係は一生に繋がるものです。素敵な姉をもう一人得たことを嬉しく感じています。


(文章・写真 2021年南アフリカ派遣H.T.さん)

 

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​EILの正式名称は「Experiment in Intertnational Living」このサイトは、EILのプログラムを通じて国際交流体験をした人たちを「Experimenters」と称し、その体験やその後にどう活かされたかを紹介するEILのウェブマガジンです。

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