【高校生交換留学体験談】永田 絵麻クラークさん(フランス派遣)Part.4

 EIL高校生交換留学プログラムの2020年夏派遣プログラムは、新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、原則としてすべて中止となりましたが、一部プログラム参加の強い希望をいただいた生徒については、派遣先国の状況も見ながらプログラムを催行しています。  そのうちのお1人がフランス派遣の永田絵麻クラークさんです。永田さんはEILサポーター奨学金の合格者として今回の留学プログラムに参加しています。

 連載として永田さんの留学体験をお伝えしています!では、第4弾のレポートをお楽しみください♪

 あっという間に5月も終わりを迎え、留学生活も残り1か月を切りました。前回の記事を書いた直後に、フランスはロックダウンになり、状況がとても大きく変わりました。そんな私の4月から今日までの生活について振り返ってみたいと思います。



フランス 3度目のロックダウン

 3月末に、1か月間のロックダウンが実施されることが決まりました。フランスとしては3度目のロックダウンで、留学中には2回目です。前回は11月から12月の半ばにかけてロックダウンがありましたが、その時は学校や仕事以外の外出ができない、といったものでしたが、今回は学校もオンライン授業に切り替わりました。そしてこれは前回と同じですが、お店がすべて閉まりました。違うのは、前回は散歩でも1kmしか外出できなかったのが、今回は10kmまでは外出が許されることになりました。もともと4月には2週間のバカンスがある予定で、フランスは3つのゾーンに分けられていてそのゾーンごとにバカンスの時期が1週間ずつずれるのですが、今回そのバカンスを4月の真ん中の2週間に全ゾーンで統一され、頭の一週間と終わりの一週間のみオンライン授業でした。フランスに来てから初めてのオンライン授業への切り替わりだったので、どうなるのだろうかと心配しましたし、友達と会えないのがとても残念でしたが、オンライン授業でもクラスメイト達は積極的に発言していて、とても雰囲気がいいなと思いました。オンライン授業だと、接続の問題があったりして厄介なこともありますが、1つだけ良いなと思ったのは、みんなマスクをしていない状態で顔を見ることができるということです。特に先生たちがマスクを外しているのはほぼ見たことがなかったので、表情が見えるとやはりとてもいいなと思います。同時に、マスク生活が当たり前になったことを実感しました。

 4月のバカンスの次の休みは大きな2か月半ほどの夏休みで、私にとってはこのバカンスがフランスでの最後のバカンスだったため、本当は友達とたくさん遊んだり、したいことがたくさんありましたが、ロックダウンでできなかったのが残念でした。その代わり、ホストとの時間が増えたことでいろいろお話をしたり、料理をしたり、みんなで自転車にのって川沿いを漕いで、見たことのなかった湖を発見して綺麗な景色をみることができたり、様々な思い出ができました。近くに住んでいる留学生と散歩に行ったりもしました。これといった特別なことはできませんでしたが、これまでの留学生活を振り返ったり、今後のことを考える時間ができたりしたので有意義に過ごすことができました。ロックダウン中にはホストファザーの誕生日もあって、みんなでお祝いすることができたので良かったです。

 5月の上旬に再び対面に戻り、久々にみんなに再会できてうれしかったです。ただ、高校は今後もオンライン授業を取り入れるということで、週に2、3日はオンライン授業が引き続き行われています。

 先日オンライン授業で、生物の授業だったのですが話が少し脱線して、女性と男性の不平等問題についての討論が突然始まりました。対面授業では討論がしょっちゅう起こるのですが、オンラインでも討論をするのかと感心させられました。私はみんなの議論を聞いていたのですが、先生に「あなたはどう思う?この不平等問題とか、日本では話したりするの?日本人としての視点を知りたい。」と振られ、普段みんなの前で話すことはあまりないので、いきなり意見を聞かれて少し緊張しましたが、日本は、もちろんそういう問題に興味を持っている人はたくさんいるけど、こういう話題をフランス人みたいに日ごろから話すことではないかなと思うということ、日本人は全体的に恥ずかしがって、なかなかこういう意見を言うこともない、だから私はこうやってみんながいつも討論をする様子をみていつも驚かされるし、感心させられる、ということを伝えました。みんなの前で、先生の前で発言するのはオンラインとは言えど、緊張したのですが、意見をちゃんと言えたのでほっとしましたし、みんなが真剣に聞いてくれたのが嬉しかったです。

家の近くの公園。ロックダウン中の散歩にて。

人種のこと

 これから書くことは、あくまでも私が見て聞いたお話で、すべてのフランス人に共通するものではないと思いますが、それでもフランスの一部の現実としてあるということを知ってもらいたいので、書くことにします。

 ある日、学校でいつも通り友達と食堂で食事をしていたら、「将来結婚する相手の人種」の話になり、一人が、「私は黒人とは絶対に結婚できない」と言い、それに続けて別の何人かも、「私も」と納得した様子で・・・。理由を聞いても、特に具体的な理由はなく、とても仲いい子たちなのもあって、その発言にはとてもショックを受けました。そこにいたもう一人の友達も私と同様ショックを受けており、その後いろいろと人種差別に関する話をしたのですが、「フランス人はみんながみんなこういう意見を持っているわけではないよ」ということを言ってくれました。帰ってから、ホストファザーに、友達がこういう発言をしたのでとても驚いてショックを受けたという話をすると、「フランスは人種差別が根強い」というお話をしてくれました。人種に対して勝手なイメージや偏見を持っている人が多いのだということ、例えば極端な話、黒人=貧しい、アラブ系=テロを起こす、などです。そういう偏見のせいで、黒人やアラブ人という見た目から、街を歩いているだけで、警察に職務質問をされる(これからどこに、何をしにいくのか、等)ということがいまだにしょっちゅう起こっているそうです。こういうことが現実として今も起こっているということが本当に残念で悲しいです。また、先日経済の授業でも、先生が「正直に言って、私たちはracist(人種差別主義者)だよね?」とクラスに向かって問いかけると、一人の女の子は、「私はそう思う。だって、私は正直に言ったら、アラブ人が嫌いだ。」と言い、そしてそれに同意する人たちも何人かいました。

 コロナ禍で留学に行くということも、アジア人に対しての差別はどうなのか、と気になる方もいるかもしれませんが、私自身は留学中にアジア人だからという理由でひどい差別を受けた経験はなく、それよりも日本から来たというと歓迎されることが多かったので、とても嬉しかったという気持ちがあります。でもそれは本当に運がよかったからなのかなとも同時に思いました。勝手な偏見で人を傷つけることのない、平和な世界になってほしいと改めてこの話を通して思いました。



スペインへの旅行

 先日、約1日半という短い時間ではありましたが、スペインに行くという貴重な経験をすることができました。私のホストマザーはスペイン人で、マザーのお母さんはスペインに1人で暮らしており、今回はホストファミリーみんなと私で、マザーのお母さんに会いに行くことができました。もちろんPCR検査をしなければならず、フランス人は無料なのですがフランス人ではない私は有料でした。それでもこれが帰国前にスペインに行ける最後の機会になるということを踏まえて、行くことにしました。

 陸路で国境を越えるという経験をしたのが初めてのことで、とてもワクワクしました。山を1700m近くまで上ると、フランスとスペインをつなぐトンネルがあり、そのトンネルを出るとその先はスペインです。フランス側の国境沿いはとても天気が悪くて何も見えなかったのですが、スペインに入ると気温も天気もちょうどよくて、お隣の国なのにこんなに変わるのか、と驚きました。ホストマザーのお母さんが住んでいる街はとても小さな町で、着いた翌日には街を散策したり、湖を訪れたりしました。建物も、全体的に茶色のようだったり、カラフルな建物もあったり、とても綺麗でした。マザーのお友達にも会う機会がありましたが、初対面にも関わらずとても親切にしてくれて、スペイン人はとてもフレンドリーだなと思いました。スペインにいる間は、知っている範囲でできるだけスペイン語を使ってみたり、ホストマザーのお母さんもスペイン語を教えてくれました。スペイン語自体、フランス語と同様にラテン語から来ている言語なので似ている部分がたくさんあって、たまに理解できたりしたので嬉しかったです。フランス語の勉強も続けながら、スペイン語の勉強ももっと頑張りたいなと思いました。

 本当に短い滞在時間だったのですが、景色もそうですし、人柄も、隣の国なのにフランス人とは全然違うなと感じました。ホストマザー曰く、南に行けば行くほど人々はもっと優しいらしいので、北でもこんなにフレンドリーで優しいのに南に行ったらどうなるんだろうと思いました。将来またスペインに行って、今度はゆっくりいろいろなところを回れたらいいなと思います。帰国の前にスペインに行くという素敵な機会に恵まれて、本当に良かったなと思います。




最後に

 帰国までついに1か月を切りました。フランスはロックダウンが終わってから、夜間外出禁止制限も時間が遅めになったり、レストランやカフェ、お店なども空いたりと制限が緩くなってきています。先日は友達と半年ぶりに開いた映画館に行くことができました。残り少ないのでいろいろなことをしたい気持ちはありますが、コロナには十分気を付けながら、1日1日を大切に最後の一日まで楽しみたいと思います。



(文章・写真 2020年フランス派遣 永田絵麻クラークさん)

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