【高校生交換留学体験談】A.N.さん(フランス派遣)

EIL独自の奨学金制度の一つ、「EIL留学生奨学金」は、派遣国において交換留学生としての活躍が期待される生徒のための給付型奨学制度です。奨学生の皆さんには、プログラム終了後に体験談を提出いただいています。


本日は、2019年度夏出発の奨学生に選ばれた、フランス派遣生A.N.さんの留学体験談をご紹介します!

 留学中、私は驚くことの連続でした。そしてそこから学べたことは多かったです。その中でも特に印象に残った体験を紹介します。

〇どうして私は差別をしてしまっていたか

 初めて寮に入る時(事務局注※A.N.さんは平日は寮滞在、週末および休暇中はホストファミリー滞在の形態でのプログラム参加でした。ホストシスターが寮生活を送っていたためで、了承を得た上でこの形態での留学となりました。)、ホストシスターから私のルームメイトは男の子だと伝えられました。みんなはその子を"彼"と男性の呼び方で呼んでいましたが私は体は女の子だと気づいていました。今まで私はトランスジェンダーの人が身近にいたことがなかったので、ルームメイトのことがとても気になりましたが本人には聞けなかったのでクラスの友達にルームメイトの性について話しました。そこでは私はいろいろな性に出会うことができました。実はクラスの友達の中にもトランスジェンダーの人がたくさんいたのです。ある友達は見た目は女の子で彼氏もいるけれど、自分のことを男だと認識しているのでゲイだと教えてくれました。他にも今は彼氏がいるけど前は彼女がいた人や日によって性が変わる人もいました。もちろんそれを聞いても大好きな友達には変わりなく、むしろもっと知りたいとか興味深いなというプラスの印象を持ちました。

 しかし今までの私のトランスジェンダーの人のイメージはテレビでよく見るおネイタレントなどの人たちでした。なので、自分とは遠い人で別の世界の変わり者としてみていて、偏見を持っていました。それは私が一部だけを見て判断してしまっていたからだと気付きました。イメージだけですべての人を変な人たちだと決めつけ、偏見を持っていたことがどれだけ人を傷つけることに繋がっていたのかを知り辛くなりました。

 そして、一部だけを見て偏見を持つことはとてももったいないことだと思いました。なぜなら、もし私が彼らに偏見を持ち友達にならなかったら私はこんなに楽しい留学生活を送れなかったからです。彼らはすごく優しくてユーモアがありおもしろい人たちでした。なかには家族の理解が得られず辛い思いをしている友達もいましたがそれでもありのままの自分を大切にし、その性を生き生きと楽しんでいて、ありのままの自分を大切にすることは素敵で大切なことだと学びました。


ストライキの時

〇フランスにとってのストライキの重要性

 2020年1月から一ヶ月を超える史上最大の年金に対するストライキが起こりました。電車やバスは止まり、学校に行っても先生がストライキに参加していていなかったり、交通手段がなく学校に来られない生徒もいたためほぼ授業ができない状態でした。どうしてここまでするのか疑問に思ったのでストライキをすれば政府の政策は変えられるのかと聞いたところ、「変わらなくとも私たちの国のことなんだ、意見を伝えなければいけない。それにストで国民の力を見せつければ政府も容易に勝手なことができなくなる」と言っていました。学校の中でも、生徒が自分たちで署名を集めてシステムを変えようとしたり、教育のやり方についても声を上げたりしていました。このようにフランスでは自分たちの環境をよくしようと声を上げていました。日本では普段の会話で政治の話をすることは少なく、変えたいことがあっても変わらないと決めつけ行動することが少ないように思います。しかし、伝えたいことを伝えれば他にも同じことを思っている人も知ることができ、言いたいことを伝えにくい人も声を上げやすい環境を作ることができると学びました。だから、変わらないと決めつけずに自分にできることを探していこうと思いました。

〇認め合うということは違いを尊重しあうこと

 普段の会話の中で討論をしている光景を見る事がありました。最初は日本に比べてけんかの多い国なのだと思っていました。しかし、それはけんかをしているのでも戦っているのでもなく意見交換をしていただけだったのです。今までの私はなぜか意見は一緒の方がよいと思っていていたのでたくさんの意見があれば合わせたり一致させる傾向にあったと思います。しかしフランスにいた時、そのようなことはあまり大切なことではないと感じました。相手の意見も理解していて、私はこう思う、それでいいのだと思いました。本当の意味で認め合うということは意見を合わせることではなく、違いも尊重しあうことだと学びました。だから、意見が違うと感じたときは無理に合わせたり、否定したりするのではなく相手の意見を理解しようと努め、自分のことも伝えていこうと思います。

〇オリエンテーションが生かされた

野菜でちらし寿司

 私は事前にOBOGの体験談を聞けたことで同じ状況になったときに自分で工夫し解決することができました。それは日本料理を作る際のことです。私のホストシスタ―が日本に興味があると聞いて、日本料理もたくさん紹介したかったので日本にいる間から気合を入れて料理の練習をしていました。しかし彼女はベジタリアンだったため動物性のものを食べませんでした。練習していた唐揚げや親子丼は作れず、みそ汁に使うだしのかつお節さえ食べられないと言われました。しかしこのままでは終われないと思いました。それは醤油が嫌いな家族だったために、日本料理を1つも作れずに終わってしまった失敗談を聞いていたからです。その話を聞いたとき、もし自分が同じ立場にあったら、味を伝えるだけでなく日本料理の繊細さ、見た目の美しさ、色使いなどの日本料理の特徴を伝えるべきだと考えていました。そして、同じ状況になり日本と同じ味ではなくても自分に作れるものがあるのではないかと考え直しました。そこで、みそ汁はわかめを見つけ、だしを取ったり、ちらし寿司では魚介類の代わりにアボカド、パプリカ、アスパラなどの野菜を入れたりして工夫しました。きれいな色どりは野菜でも表現することができ、現地の材料でアレンジできたことで家族も喜んでくれました。さらにその思考から同じ料理でなくても食べ方で文化を伝えられることに気づきました。そこで日本の節分をフランスのクレープを食べる日(Chandeleur)を使い紹介しました。このクレープの日は2月2日で節分は2月3日だったため日本の文化も紹介したいとお願いするとマザーは協力してくれ、上のシスターやブラザーの家族もあつまってくれました。そこで節分の紹介をし、恵方巻を食べる文化も話しました。神様のいる方を向いて食べることや、切らずに食べることで縁が切れないことを意味したり、海苔で巻くことは幸せを巻き込むことを表したりしていることを話すと面白い文化だと興味を持ってくれてクレープを恵方巻のようにみんなで食べることもできました。


 また、オリエンテーションの際に頂いた日記はとても役に立ちました。ほぼ毎晩1日を振り返り日記をかきました。1か月ごろからフランス語混ぜて書くようになり3か月ごろにはフランス語だけで書くようになっていました。完璧な文はかけていませんでしたが文を作る練習になり語学の上達に繋がりました。さらにコミュニケーションを取ることにも役立ちました。それは土日にあったことなどをまとめておくことで、話すことの単語を事前に予習しているようなものなのでスラスラ話しやすくなり、しゃべることがたのしくなりました。さらに、日記を見直すとそのときの状況が明確に思い出すことができます。私は携帯を3台も変えることになってしまい、あまり写真が残っていないので日記を書いていて本当に良かったと思いました。

 私は本当にたくさんの方に助けられ、そのおかげで素晴らしい体験をすることができました。そのことに感謝して、私も次の人に繋げていきたいです。そうして助け合いの連鎖をおこしていきたいです。


(写真・文/2019年度フランス(夏出発)派遣生 A.N.)

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