~OB/OGが見たコロナ禍の世界~第5回 アメリカ在住 T.Oさん

最終更新: 10月16日

全世界で猛威を振るう新型コロナウイルス。

Experimentersでは、そんなコロナ禍を海外で過ごすことになった、EIL高校生交換留学プログラム派遣生たちの体験談に加え、海外で生活をしているOB/OGからのレポートもお届けします。


高校生交換留学プログラムを経験し、それぞれの事情から海外で生活するOBOG達。

お子さんがいる方たちも多く、海外のコロナ禍における子育てという視点も興味深いのではないでしょうか。

ぜひ、派遣生とはまた異なる視点による各国のコロナ禍における暮らしの様子を読んでいただければと思います。


▼これまでの記事はコチラ!

~EIL派遣生が見たコロナ禍の世界~第1回 スウェーデン派遣生C.Tさん

~EIL派遣生が見たコロナ禍の世界~第2回 スペイン派遣生H.Oさん

~EIL派遣生が見たコロナ禍の世界~第3回 カナダ派遣生H.Sさん

~EIL派遣生が見たコロナ禍の世界~第4回 オーストラリア派遣生H.Tさん

~EIL派遣生が見たコロナ禍の世界~第5回 アイルランド派遣生M.Aさん

~EIL派遣生が見たコロナ禍の世界~第6回 アルゼンチン派遣生M.Mさん


~OB/OGが見たコロナ禍の世界~第1回 スウェーデン 山村 香織さん

~OB/OGが見たコロナ禍の世界~第2回 オーストラリア在住 サンダーソン倫美さん

~OB/OGが見たコロナ禍の世界~第3回 ドイツ在住 Y.Kさん

~OB/OGが見たコロナ禍の世界~第4回 タイ在住 H.Oさん


今回は、アメリカ在住のT.Oさん(1996 年カナダ派遣、広島県出身)からの報告です。

■滞在地域と在住歴

主人の仕事でアメリカのアラバマ州に来て1年が経ちました。滞在地域は、東京都程度の面積に37万人が住む長閑な都市です。


■家族構成

夫婦と子ども三人の5人家族です。


■滞在地域のコロナに対する変化

アラバマ州で感染者が報告され始めたのは、3月に入ってからです。その後、ジワジワと増えはじめ、州全体の感染者20名を超えた3月16日、大統領の要請に応じアラバマ州全ての学校が閉鎖。店からはトイレットペーパーや缶詰が消え、病院も救急のみの受け入れとなり緊張感が走りました。

(写真)トイレットペーパーが消えた店内


4月になると「自宅待機令(Stay at home ) 」が発令され、10人以上の集会が禁止、小売店以外は営業停止、学校は通学再開を断念し、本格的にオンライン授業に切り替わりました。

自宅待機令の間は感染者の増加は緩やかだったので、このまま収束すると思った人も多かったように思います。しかし、その後アラバマを始めとする南部は早急に経済を再開することを決めます。4月30日に「自宅待機推奨指示 (Safer at home ) 」に緩和されてからは、人々が目に見えて移動を始めました。

現在のアラバマは、 1日の感染者数が1,600人を越えるホットスポットの一つです。

ICU稼働率が約90%と逼迫してきたことで、7月16日にようやくマスク等着用令が発令され10人以上の集会における場での着用が義務となりました。感染者の増加を食い止めることが急務の今、マスク等によって状況が好転することを祈るばかりです。


■コロナ禍で、その国の国民性を感じたこと

個人の自由を重んじる、楽観的な思考にアメリカ人らしさを感じています。深刻な状況にも関わらず、ビーチが開放され人が集い、夏のバカンスに出かける人もいます。また、大統領のマスクに対する言動を見ても分かる通り、実際に共和党の多い南部で はマスクに対する抵抗感がとても強いと感じます。楽観的な南部気質に相まって、早急な経済再開を優先したことが、感染拡大につながっているように感じています。

■滞在国と日本の政策を比較して感じること

学校が閉鎖後、スムーズにオンラインに移行した点は、ネット社会であるアメリカの強みを感じました。子どもたちの学区では、機器が必要な生徒に無償で貸し出すサポート体制が早急に整備されました。また、アメリカの特徴として、抗体検査を誰でもドライブスルーで受けることができる点は安心感があります。

アメリカ政府は現在、経済対策法案に基づき、現金支給や社債購入、融資拡大などに巨額の対策を講じると共に、海外からの学生に対し、対面授業でない限り国外に出るよう厳しい決定も下すなど、様々な対策を講じています。しかしながら、感染拡大の波が収まらない限り、どれだけ対策を講じても効果を得ることは難しいのではないかと私は思います。

■生活の変化

生活全般、何でもドライブスルーに変わりました。

学校の荷物受け取り、学年末の先生とのお別れ会、病院の受付、そして友人の誕生日会に至るまで、何もかもがドライブスルーで行われるようになりました。

食材購入も、1週間に一度、ネットで注文し店に取りに行くピックアップを継続利用しています。駐車場に車をとめればトランクに購入品を積み込んでくれるので、時間も接触も少なくて済みます。


自宅待機推奨指示になってからは、人と接触することのない早朝のトレイルやブルーベリー狩りなど、この状況下でも安全にできることを見つけ、息抜きするようにしています。

(写真)早朝の散歩と、ブルーベリー狩りの様子


■子育ての視点で大変なことはあった?

一つ目は、子ども達の学習面のフォローです。現地校もオンラインになり、日本語補習校にも通学できなくなり、勉強面のフォローは全て親の役割になりました。

8月半ばからの新学期も私たちの学区は全員がオンラインスタートのため、新たなオンラインシステム、アプリに対応すべく親子で試行錯誤しながら進める日々が始まります。年長の息子もアメリカではキンダー(1年生の一つ下の学年)になるので、小学校デビューの年です。スケジュールに沿った3人のオンライン学習とともに日本の勉強のフォローもしなければならず、母親である私の責任、負担が何倍にも増えたことに戦々恐々としています。ただ、留学のお陰で学校や担任からの指示内容を私が理解できることは唯一の救いです。

二つ目は、子どもたちの心の成長です。アメリカに来て間もなく1年という頃、コロナ禍に突入しました。親友と呼べる友達ができ、子ども達の生活が充実してきた頃に友達と全く遊べなくなり現在に至るので、子どもたちはとても残念がっています。同年代の友人とのコミュニケーションも大切な時期なので、オンラインで交流を継続してはいますが、家族としか話さない日々でストレスも溜まり、様々な経験値が不足する状況に多少の焦りも感じます。

■アジア人に対する差別等は感じた?

自宅待機令の前後は、街の中心部の店では殺伐とした雰囲気があったようです。知人は距離をとれと怒鳴られたり、並んでいても同様には配布されなかったりと、あからさまな差別を経験したと言っていました。私の住んでいる近隣は治安が良いこともあり、店で差別を感じることはありませんでした。

(写頁・文/1996年カナダ派遣T.O/アメリカ在住)

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そしてその体験がその後にどう活かされたかを伺いました。

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