世界を震撼させた新型コロナウイルス。
その影響はあらゆる分野や人々に広がっており、EILのプログラムを通して海外で学ぶ留学生たちも、大きな影響を受けました。
一年間の交換留学プログラムで2019年夏に出発し、現地滞在中だった留学生たち。
3月時点で、一部の派遣国の受入団体にて、継続的な安全確保が難しいとして、プログラムの中止が決定されました。
それ以外の派遣国に派遣されていた生徒たちについても、EILとしては早期帰国を推奨する通知を行いました。
しかしながら、急速に感染が拡大した都合で、派遣国内に行動制限が敷かれて空港まで移動できなかったケース、空港のある都市部への移動や空港、復路の飛行機内での感染のリスクがあると判断されたケースを含め、一部の派遣生および保護者は受入団体およびホストファミリーの合意もと、留学を継続する選択をされました。
留学継続を選択した留学生には、EIL職員が現地状況の情報収集に努め、定期的なヒアリングを続けながらサポートを行い、無事に全員が帰国を果たしました。
Experimentersでは、期せずしてコロナ禍を海外で過ごした派遣生たちに、それぞれの体験について聞きました。
マスメディアの報道では見えてこない、 実際に留学生が体験した、各国の人々のコロナ禍の暮らしの様子を、ぜひ読んでいただければと思います。
4回目となる本日は、オーストラリア派遣生H.Tさんからの報告です。
※オーストラリア派遣生は2020年1月に出発し、現在も留学を継続しています。
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滞在地域の様子の変化について教えてください。 いつ頃からどんな風に変わりましたか?何か行動規制はされましたか? 3月の下旬ごろからコロナ対策が必要だというニュースが流れ始め、市民の間でコロナに対する意識が芽生えたと思います。学校が休校になり、ほとんどのお店が閉まったり、と外出する人がほとんどいなくなりました。
集会や旅行、大人数での外出が規制され、必要最低限の外出のみが許されていました。
学校生活に変化はありましたか? 学校は休暇に入る数週間前から休校になり、休暇後、2学期に入っても自宅待機は続きました。オンライン授業は毎日あって、休校前と同様に課題が出されていました。
コロナ禍で感じた国民性について教えてください。「その国らしさ」を何か感じましたか? 日本ではコロナ感染者が増えても、必要以上に出かける人が絶えなかったり、仕事の関係でどうしても飛行機を使わなければいけない人がいましたが、オーストラリアではコロナに対する対策が徹底しており、学校も仕事もストップして、自宅で行えるようなシステムがすぐに確立されたため、感染が小さく治まったように思います。
コロナ禍で留学を継続することに不安はありませんでしたか?
決断までに誰とどんな相談をしましたか?
強制帰国になるのではないかという噂が流れて、心配はしていましたが、継続することには不安はありませんでした。日本よりもオーストラリアの方がコロナに関しては安全であったし、オンライン授業もあってオーストラリアの方が勉強ができる環境だでした。また、不安がなかったのは、家族やホストファミリーが変わらず支援してくれると声をかけてくれたこともあったと思います。留学の継続は自分の中ですでに決断していたため、その想いを家族とホストファミリーに伝えました。家族もホストファミリーも同じ意見で、賛成してくれました。また、一緒にオーストラリアへ出発した2人の仲間ともまめに連絡を取り合い、どんな状況かは相談したりもしました。
コロナ禍を海外で過ごした感想を教えてください。
家にいる時間が長く、ストレスが溜まったりもしたけれど、ホストファミリーとずっといたのであまり不安なく過ごせました。コロナの影響で少し残念に感じたのは、イースターショーやコンサートなど、学校で課外学習が予定されていたのが全てキャンセルになってしまい、体験できなかったことです。また、オンライン授業では分からないことを先生や友だちに聞くのが困難で、時間内に終わらせられなかったことも大変でした。ただ、家にいる時間が長かったぶん、ホストファミリーとたくさんの時間を一緒に過ごせて、特にホストシスターとはとても仲良くなれました。コロナで辛かったこともあったけれど、その分コロナのおかげで本来なら体験できなかったような時間の過ごし方もできたので、特別な留学体験になったかなと思います。
(写真・文/2019年度オーストラリア派遣生 H.T)
いかがだったでしょうか?
次回は、アイルランド派遣生M.Aさんの報告をお伝えします!
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