2024「わか杉のさと奨学金」奨学生 A.H.さんレポート
- 2025年9月20日
- 読了時間: 4分
高校生の長期留学を支援する制度がほとんどない秋田県において、国際教養大学(AIU)の学生たちが秋田県高校留学推進委員会を設立し、高校生の”挑戦したい”という気持ちを応援すべく、長期留学を全額助成で後押しする「わか杉のさと奨学金」。
2024年の奨学生であるA.H.さんのドイツ留学体験談を共有します。ぜひお楽しみください!
日本とドイツの食文化の違い及び多様性について
ドイツに来て感じた日本との違いを大きく2つに分けて紹介します。
初めに食文化の違いについてです。ドイツの食文化は日本に比べ非常に質素であり、冷たい食事が有名なように温められた食事が取れるのは、夜ご飯として一週間に約4食ほどです。主食はパンであり、1日の中でパンを食べない日はなく、中には3食全てパンを食べる家庭もあります。日本人が健康志向であること、そして手軽に栄養のバランスが取れた食事を摂れることがどれだけ恵まれていることなのか痛感しました。
次に多様性についてです。日本に比べドイツは人種、ジェンダーの面で多様性が進んでいます。ドイツは移民が多く、彼らの働く場や住むための環境づくりが行われています。実際に、公共交通機関、公共施設ではさまざまな言語を用いた案内が行われており、様々な人種の人が観光をするだけでなく、働いたり生活している姿を見かけることが多いです。ジェンダーに関して、ドイツでは学校内で同性カップルが手を繋いで歩いていることや、友達との会話でジェンダー問題についてどう考えるのか聞かれることもありました。また友人になった人も同性愛者であることをSNSで公表しています。セクシュアルマイノリティである人々がより自分自身のことを自由に表現し、誰かと共有できる環境が作られているのを感じました。
ドイツの働き方を秋田で
私は、秋田の少子高齢化問題を解決するために働く世代(ここでは20歳ごろから60歳ごろを指す)の増加が鍵となり、それを実現させるためには秋田で働きたい、秋田で子育てをしたいをしたいと労働者が思う会社づくりが求められると考えています。
そこでドイツのように労働者がプライベートを大事にしながら働ける環境を秋田県内の企業で整えることを提案します。ドイツ人の働き方は、日本と全く異なります。毎日決められた時間に退社し、有給休暇の取得率はほぼ100%、年間の平均有給休暇取得日数は約30日、日曜日は飲食店と一部のお店を除き休業。そしてそれらは法律によって定められているのです。実際に、学校の教職員が1週間の決められた労働時間を超えたためという理由で授業がなくなることもありました。そのようにワークライフバランスが整っていることで、家族や友人との時間、自分自身の時間を大切にすることができ、仕事もメリハリを持って頑張ることができるという良いサイクルができているのです。ワークライフバランスが整っているということは自分自身の生活の満足度にもつながります。
過労が当たり前となってしまっている日本の社会を今こそ改善すべきです。地方である秋田で先駆けて新しい働き方や生活を広めていくことで、課題解決を図るほか、生活したい街として新たな魅力を生み出す可能性があると私は考えます。
成長
私が現時点で達成できたことは、ホストファミリーや友達との交流、生活を共にする経験を通して、ドイツ人の生き方、生活の仕方、考え方を身を持って学び体験できたということです。ただ生活しているだけでも、多くの困難の壁が私の目の前に現れました。時にはその壁を乗り越える方法が今まで培ってきた私の中の辞書にはなく受け入れることはできても理解できなかったこともありますが、その都度話し合いを重ねて理解を深めようと努力してきた経験は、非常に貴重であり、改めて他文化を知るということの面白さと楽しさを感じました。
残念ながら思うように上手くいかなかったのは言語面です。現地の人と交流していたら自然と身につくだろうという自分の考えはとても甘かったです。留学前に立てた目標は、現地の同年代の人と話し合いができるほどのドイツ語を身につけることでしたが、そのゴールまでの道のりはまだまだです。しかし、他言語を話す抵抗は無くなりました。今まで日本で生活していて、海外の方を見かけたり、話す機会があっても、自分の言語力を人に評価されるのを気にしてしまっていましたが、今回逆の立場を経験して、そんな羞恥心よりもまっすぐに相手に伝えよう、話そうとする気持ちが大事であると強く感じました。この心構えを日本に帰っても忘れずに心に留めておきたいです。
(写真、文:2025年ドイツ派遣生 A.H.さん)





















