【ホストファミリー体験談】 仲間さんご家族(神戸市在住:アメリカの留学生Alex受入)
- EIL Japan
- 4月8日
- 読了時間: 7分
EILの受入プログラムでは、様々な国からの留学生を受け入れています。
今回はアメリカからの留学生Alexを迎えてくださった、ホストファミリーの仲間さんの体験談をご紹介します。仲間さんご自身が高校生の時にEILを通じてイタリアに留学されており、いつか自分もホストファミリーになりたいと思っていたそうです。
素敵なお写真と共に、その様子をご紹介します!
⚫留学生を受け入れたきっかけ
私自身、高校生の時にEILの交換留学プログラムでイタリアに 9 カ月間滞在した経験があります。その時のホストファミリーにとても良くしてもらったため、いつか私もそういうホストファミリーになりたいと思っていました。
EILがホストファミリーになれる家庭を探していることを知り、私たちがホストファミリーになることで力になれるのではないか、と思いました。また、1 歳の息子にとっても良い経験になるだろうという思いもあり、ホストファミリーにチャレンジしてみることに決めました。

⚫ 楽しかったこと
1番に思い出すのは、どこかに遊びに行った思い出ではなく、日常の光景です。平日、Alexは学校から帰ってくると、よく息子と遊んでいました。
彼はアメリカでボランティアの消防隊員をしていたこともあり、パトカーや消防車、救急車が大好きで、よく動画を見ていました。ちょうど息子も働く車が大好きで、Alexの上にちょこんと座り、一緒にYouTubeを見ていました。とてもほほえましい、良い光景でした(^^)
休日は、Alexがバッティングセンターにハマっていたので、月に 1、2 回は近くのバッティングセンターへ遊びに行きました。 また、淡路島や京都へ行ったり、私の実家である沖縄県、妻の実家である石川県にも行ったりしました。
⚫ 大変だったこと
留学生を受け入れるにあたって、家事のルールやお家での時間の使い方などのルールを事前に考えていました。
一度も留学生の受け入れをしたことがない状態で作ったルールだったので、Alexが来日後に、彼と相談しながら何度かルールを改善していたのですが、その中でも特に苦労したのが「連絡」についてのルールでした。
ホストファミリーの立場からすると、何かあった時のためや夕ご飯の準備のために、どこにいるのか、何時頃帰ってくるのかを把握したいとの思いがありました。特に、Alexは部活に所属しておらず、放課後は友達と遊びに行ったり、カフェに行ったり、学校に残って先生と話していたりと、その日その日で動きが違っていました。
Alexからすると、周りの友達は頻繁に親に連絡していないのにどうして自分だけ?というところで、ちょうどいい連絡頻度・内容についてのルールを作るのに何度も話し合いました。
最終的に
1. 外出中は次に行くところを連絡する。
2. 門限は19時。門限を過ぎる場合は「何時」に帰宅予定か連絡する。
3. 家で夕ご飯を食べないなら、18時半までに連絡する。
の 3 つが「連絡」についてのルールになりました。
このルールになる前は、良かれと思って「こういう時は連絡しなくていいよ、こういう時は連絡してね」というように細かく色んなパターンを想定したルールを作っていたのですが、それが逆に煩わしかったのだろうと今となっては感じます。
このルールになってから、お互い連絡に関してのストレスは減ったように思います。 「ルールはできるだけシンプル」が良さそうです。
⚫ 通学について
普段は自分で学校に通ってもらっていました。公共交通機関で約1時間の道のりで、通学定期を購入していました。初めの1回は一緒に買いに行き、それ以降の更新は1人でできていました。通学経路は、電車とバスの乗り換えをして片道約1時間でした。
通学以外の、例えば週末に友達と遊びに行ったりするのも、基本的には自分で公共交通機関を使っていました。Alexが1人で行った1番遠いところは、大阪梅田です。三宮で遊ぶことが多く、毎日通学している経路だったので、送迎することはありませんでしたが、もし、行き慣れていないところに現地集合ということがあれば、送迎していただろうと思います。
アメリカでは、両親の車とは別にAlex自身もマイカーを持っており、自分で運転して通学していたため、公共交通機関での移動は少しもどかしさも感じているようでした。帰国して愛車でドライブすることを楽しみにしていました。
⚫ 食事について
基本としては、朝食は家にあるものをAlex自身で準備して食べる、昼食はAlex自身で購入、夕食は家でみんなと食べる、といった生活でした。
朝は、Alexが1番早く起きて、家を出発していたので、何かお世話をすることはありませんでした。切らさずに置いていたのはフルーツグラノーラと牛乳です。それ以外にも、冷凍ご飯と納豆、お湯で作るお味噌汁は「朝ご飯用」というわけではないですが常備していましたが、フルーツグラノーラと牛乳を食べていました。 自分で、朝ご飯用にとカロリーメイトを買ってきて食べるなり、時間がなく食べずに出発するなり、柔軟に本人が対応していたように思います。夕飯は、Alexのために特別に何か用意することはなく、家族みんな同じものを 食べていました。
家の習慣で、ほぼ毎晩納豆を出しており、最初はAlexも食べていましたが、徐々に残す(そのまま冷蔵庫に戻す)ことが多くなってしまいました。納豆が嫌いなのかを聞くとそうではなく、夕飯の用意された量自体が多く、他の(納豆よりも魅力的な)おかずを食べることを優先した結果、お腹いっぱいになって納豆を残していたことが分かりました。納豆はパックなので、食べ切らなくても冷蔵庫に戻して翌日以降に食べられるから、というAlexなりの配慮もあったようです。
その後は、「高校生男子だから、このくらいは食べるだろう」という私たちの先入観を見直しました。準備の時にご飯の量を事前確認してから盛るなど、お互いにストレスのないように努めました。
Alexが嫌いな食べ物はあまり無かった記憶ですが、1番好きな食べ物(飲み物)はカルピスでした(笑) 日本に来て初めてカルピスを飲んで、美味しさに感動したそうです。ただ、私たちが買ってあげたことは少なく、かなりの頻度でスーパーやコンビニで自分で買ってきていました。
余談ですが、高校の初日に、全校放送でAlexが自己紹介スピーチをすることになり、Alexが考えた内容を家族の前で練習していました。私たちの助言で内容を変更し(本人は半信半疑でしたが)「僕はカルピスが大好きです!みなさん、僕にカルピスをください!」という一節を入れました。結果は大ウケだったようで、初日はカルピスを10本近く持って帰ってきました(笑)
最寄駅にあるインポートショップによく行って、アメリカでなじみのあったお菓子をよく買ってきていました。自分の分を買うのみならず、私たちにおすすめしてプレゼントしてくれたりと、懐かしい安心感があったのかなと思います。
⚫ 最後に
初の留学生受け入れは、私たち家族全員にとって、他の何かでは得られることのない良い経験になったと感じています。私にとっては、自分がホストファミリーの立場になることで、高校生だった自分を広い心と愛情で受け入れてくれたイタリアのホストファミリーの偉大さやありがたさを再認識しました。
妻は、英語に対するハードルが下がり(出川イングリッシュ的なマインドをゲット)、全く違う生活様式や考え方に触れて、知見が広がる経験になりました。
息子にとっても、今でもAlexが話題に出てくるくらいには、遊び相手が増えて楽しい期間だったようです。最近では「英語はAlexの言葉」と、自分の言葉とは違う言葉があることを認識しているようです。
滞在中に病気になり、途中帰国になってしまったことは本当に残念でしたが、1月に帰国した後、元々の帰国予定だった 6 月には家族旅行として日本に来てくれて、Alexのご両親、兄弟にも会えました。帰国直前のAlexは、病気のことや留学が途中で終わってしまうことで表情も暗く、元気もありませんでしたが、6月に会った時には病状も軽くなっているようで、見違えるほどいい表情をしていたので安心しました。
現在は日本の大学への進学を希望しているようで、無事に通ったらまた日本で会えることが楽しみです。そうでなくても、いつか今度は、こちらが家族旅行でテキサスに行きたいと思います。 状況が変わり、今すぐには留学生の受け入れができないですが、またホストファミリーができたらいいなと思っています。
少しでも留学生を受け入れる生活がどういうものなのかをイメージするお手伝いができていたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
(写真、文:仲間様)
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