2024年の夏から、「国際性に富む人材育成留学事業」(沖縄県)のイタリア派遣プログラムに参加している天願ひなたさん。今回、ご自身の留学体験を多くの方と共有したいと、レポートを書いてくださいました。
イタリアの文化や、ホストファミリー、ホストスクールなどの様子について書いてくれました。ぜひお楽しみください!
はじめに
Buongiorno tutti! Ciao(チャオ)!! 2024年イタリア共和国派遣の天願ひなたです。イタリアでの生活も5ヶ月が経ち、あのイタリアンジェスチャー🤌も使い慣れてきました。食、歴史、人柄と魅力がいっぱいのイタリアでの留学生活を紹介していきます。
イタリア文化
イタリア人と言えば陽気で明るく、おしゃべり好きとよく耳にすることがあると思いますが、まさにその通りです‼特に挨拶が盛んで、Buongiorno(おはよう)と朝起きて家族に、学校で友達に、先生に、レストランに入れば店員さんに、バスの運転手に。Buon appetito(いただきます)とご飯の前に、Buona notte(おやすみなさい)と寝る前に、、、と何時でも何処でも誰にでも挨拶をするとっても素敵な文化があります。さらに家族や親戚、友達同士でチークキスでの挨拶やハグをして愛情表現をすることも日本にはない素敵な文化です。
またイタリアにはいたるところに Bar(バー) があり、ご飯の前や後、友達とあった時などコーヒーを飲みながらゆっくり過ごします。イタリアの朝ご飯はブリオッシュやビスケットなど甘いものとコーヒーです。そのため洋菓子が売られているお店(pasticceria) がたくさんあります。
イタリアではキリスト教(カトリック)が国民の8割を占めており、美しい教会がたくさんあります。キリストの降誕祭として祝うクリスマスは11月から準備が始まり、友達同士でプレゼント交換や家族、親戚、友達とパーティーを開いて盛大に祝います。
ホストファミリー
私はホストマザー、ファザー、2人のシスター(1人はアメリカに留学中)、犬と暮らしています。ホストマザーはおしゃべり好きで、ファザーは家族思いで優しく、シスターは面倒見がよく寛大な性格です。ホストファミリーは家族をとても大切にしており、よく祖父母やいとこと会って食事をしたり、会話を楽しみます。食事はみんなが食べ終わるまで食卓に着き、時間をかけて会話を楽しみます。パスタやパン、リゾットといった主食にトマトやジャガイモと旬の野菜、そして生ハムや鮭、チーズとイタリアらしい料理を食べています。味付けはオリーブオイルと塩でシンプルに仕上げ、食後は必ずコーヒーを飲むのがイタリアンスタイルです。休みの日は森でハイキングをしたり、大好きなバレーボールの試合観戦、スキーやウィンタースポーツを楽しんだり、屋台で買い物をしたりとアクティブな日々を過ごしています。
また日本の文化や沖縄での生活などをまとめたアルバムを一緒に見たり、ホストファミリーそれぞれの名前を漢字で書いたり、餃子やカレー、お好み焼きなど日本食を作ったりと文化交流を積極的に行っています。
ホストファミリーは私を本当の娘のように扱い、私の意見をとても尊重してくれます。そのため自分のやりたいことや、考え、好き嫌いを伝えやすい環境でいろんなことに挑戦させてくれます。本当にこのホストファミリーと出会えてよかったと心の底から思います。
ホストスクール
イタリアの高校は日本の大学のように学科で分かれており、5年間あります。私はホストシスターと同じ観光、経済、言語を中心に学ぶ学校に通っておりクラスの人数は17人と少ないです。そのため先生と生徒の仲が良く、授業では質疑応答が頻繁に行われ充実した楽しい時間を過ごしています。
学校は月曜日から土曜日の6日間で、授業は8:00から始まり休憩なしで60分の3コマ、10分の休憩後に残りの2コマを受け13:10に終わります。お昼はお家に帰ってからホストファミリーと食べます。イタリアでは英語以外の言語も学ぶことが一般的で、ホストスクールではイタリア語、英語に加えスペイン語、フランス語、ドイツ語を学びます。私はイタリア語、英語、スペイン語(イタリア語と似ていて学びやすいため) を学んでいます。テストは各単元ごとにあり、筆記テストとオーラルテスト(先生の質問に学んだ知識を交えながら答えるテスト)の2種類ありますがほとんどがオーラルテストです。私はオーラルテストを受けるほどイタリア語を習得できていないので筆記テストを受けています。
初めのころはイタリア語が呪文に聞こえ眠たくなるほど授業内容を全く理解できずにいました。そのためホストファミリーからもらったイタリア語のテキストや先生との個人レッスンを通して基礎を身につけることに重きを置いた学校生活でした。登校初日からクラスのみんなはとってもフレンドリーに話しかけてくれ、先生方も私を気にかけてイタリアの生活はどう?などと簡単な会話をしてくれます。そのおかげで今では簡単な日常会話はもちろん、授業内容も少しずつ理解できるようになってきました。
バレーボールクラブ
私は日本でもバレーボールをしていたことから、イタリアでもホストシスターと同じバレーボールチームに所属しています。毎週火曜日、水曜日、金曜日で18:00~20:00の2時間あり、本格的な筋トレや試合に向けた練習をこなしています。異なる学校から集まったメンバーでチームが構成されているため、新たな出会いの場としてとても有意義な時間を過ごせています。やはりイタリア人はフレンドリーでおしゃべり好きで、チームメイトのみんなは会話もままならなかった私にたくさん話しかけてくれて、すぐに打ち解けることができました。どんな練習でもハイタッチとプレーに対する賞賛を欠かさないイタリアでのバレーボールは自信と元気を与えてくれました。そんな環境だからこそもっと自分から話しかけたり、プレーをほめたりと自主性を高めることができました。
今までとこれから
初めの4か月間は全てが新鮮で楽しくて毎日充実した留学生活を過ごしていました。しかし12月後半にあるクリスマスも終わり正月を迎えようとしていた頃、冬休み期間ということも相まって学校や部活など人と関わることが減り、生活習慣が乱れ、やる気が起きないモヤモヤ期に突入しました。ホストファミリーとの会話を集中して聞くことができず理解するのに時間がかかったり、話しかけることが減ったり、そんな自分が嫌になり沈む一方でした。年越しは友達のパーティーに招待され、イタリア料理、デザート、カラオケ、花火にお泊り会と楽しむ予定でしたが食事後体調を崩し1人家に帰って眠るという悲しい年越しになりました。イタリアの年越しというビックイベントを楽しむことができずとても悔しく、このままではダメだ!もっと楽しまなきゃ!と立ち直り、留学を決意した動機を改めて考え直し行動に移すことができました。今では「〇人に話しかける」という目標を設定し、失敗よりも何も得られない後悔をしないためにも大胆に行動することを心がけています。この5か月で学んだ「体調管理」と「人との会話」の大切さを肝に銘じて残りの留学生活を思いっきり楽しみたいです。
(写真、文:2024年度イタリア派遣生 天願ひなた)
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