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【高校生交換留学体験談】赤星明さん(デンマーク派遣)

更新日:2023年5月2日

 2022年8月よりEIL高校生交換留学デンマーク派遣プログラムに参加している赤星明さん。デンマークでの留学生活が始まって8ヶ月が経過し、今回はその報告レポートを書いてくれました。ぜひお楽しみください!

 

 デンマークでの留学生活は残り約2か月となり、ホストスクールに行くのも残り1か月を切りました。日本に帰りたいと心から何度も思ったし、泣いたし、落ち込みました。つらすぎて学校に登校できなかった日もありました。その度にホストファミリーや学校の友達、先生は私の話を聞いてくれて助けてくれました。きついことや大変なことは今でもたくさんありますが、デンマークでの留学生活は数えきれないくらい多くの刺激とワクワクに満ちています。



留学スタート

 デンマークに着いて最初の3日間はコペンハーゲンでオリエンテーションがありました。コペンハーゲン市内を観光したり、それぞれの出身国やデンマークのことを話したり、これからの留学生活において大切なこと(Be positive! Be open!だそうです!)を学びました。

 オリエンテーションには合計で約40人程の交換留学生がいましたが、日本からの交換留学生は私だけでした。ほとんどの人は、イタリアとドイツから来て、同じ国出身同士で集まって母国語で話していたので、私が入る余裕がなくてデンマークに着いたその日に心が折れました。でもその中にフランスから来ていた人がいて、その人もフランスから来たただ1人の留学生でした。そんな中でもその人は自分から積極的に英語で話しかけたり、「何の話をしてるの?」と会話に入っていったりみんなとすぐに仲良くなっていきました。その姿に私はとても刺激を受け、そこから自分の行動も少しずつ変えていくことが出来ました。おかげで今でも連絡を取り合ったり、デンマーク内を旅行したりする友達ができました。



学校について

 ホストスクールに初めて登校した日は、私が留学生であることを多くの人に知ってもらおうと思い、日本の高校の制服を着ていきました。しかし、いざクラスメイトと対面するとなると、今まで味わったことがないほどの緊張と不安が押し寄せてきて、教室の前で泣いてしまいました。今思い返せば、それもいい思い出です笑

 学校での授業はとても大変です。授業はデンマーク語で、今まで習ったことのない教科や分野ばかりでした。デンマークでの授業は全てパソコンを使うのでそこにも戸惑いました。私のホストスクールは普通の高校とは少し違って、それぞれのクラスによって分野が分かれていてその分野を中心に3年間学ぶという感じです。私のクラスは、経済・マーケティングのクラスで、経営学や国際経済、マーケティングなどの授業数が多いです。私は経済には全然興味がなかったし、とても苦手な分野です。日本語ですら意味の分からない単語ばかりで最初の頃は毎日頭がパンク状態でした。

 私の学校にはインターナショナルコースもあるので、学校に相談してクラスを変えてもらうべきか、そして初めの数ヶ月間は授業中にデンマーク語を自分で学んで、理解力を少しでも上げたうえで授業に参加すべきか悩んでいました。ホストファミリーや先生と話し合い、結局もとのクラスで、初めからみんなと一緒に授業を受けることに決めました。先生には「私たちは、あなたに授業のすべてを理解して高い成績をとることを期待してるわけじゃないんだよ。あなたには日本の文化を共有して、デンマークの文化を学んでほしいの。そして、そんなあなたの姿を見て、周りの人にはたくさんの刺激を得てほしいの。教室でみんなと一緒に授業を受けることは、ソーシャルな面からしても良いと思うよ。」と言われました。いろいろな方のアドバイスをもらいましたが、最終的には自分で決めたことです。何が自分にとってベストだったのかは今でも分かりませんが、自分のその選択を留学最後の日に後悔しないように残されたあと約2か月も他の交換留学生に負けないように頑張ろうと思います。


友人関係について

 友人関係については、なかなかオープンになりきれず私にとっては難しいことも多いです。授業中のグループワークにももっと貢献したいのに、いつも助けてもらってばかりです。考えを聞かれても、自分の考えを伝えることやそもそも考えること自体に慣れていなかったので何も答えられないことも何度もありました。友達は、自分のペースで、少しずつでいいんだよと言ってくれますが、私はとても悔しいです。

 私のクラスメイトは全員、私のことを温かく受け入れてくれました。もちろんそうでない人も学校にはいました。そういう経験は今までなかったのでとても悲しかったけど、そのことを気にして落ち込むよりは、私のことを大切に思ってくれる人のことを考えて生活する方が良いなと思いました。

 デンマークではほとんどの人は15~16歳からお酒を飲み始めます。友達とのパーティーでお酒があるのは当たり前で、お酒がないパーティーは見たことがありません。私はまだ18歳なのでもちろん飲めません。クラスメイトは私に無理に飲ませようとしたりすることはなく、文化の違いとして受け入れてくれています。クラスの中にはデンマーク人でも飲まない人もいますし、他のクラスメイトはそのことを尊重しています。お酒に関することだけではなくて、日常の生活の中や授業中でも意見や文化の違いを尊重しあえているのはとても素敵な関係だと思います。



ホストファミリーとの生活について

 ホストファミリーとの生活はとても楽しいです。ワクワクする楽しさだけではなく、日本の家や家族に近い安心感があります。ダンスをしたり、お菓子作りをしたり、散歩に行ったり、ただただ語り合ったり。そういう日常がとても幸せです。私のことを大切に思ってくれているのをとても感じられるし、私もホストファミリーのことをとても大切に思っています。例えば、私がネガティブなこと(例えば、私のデンマーク語は全然ダメだ)を言うと、「何でそんなこと言うの?8ヶ月でここまで話せるようになったんだよ。あなたは、故郷から遠く離れたデンマークに来て、生活して、学校に行ってるんだよ。どれだけ勇気のある事かわかる?自分のことは誇りに思いなさい。私たちはあなたのこと誇りに思ってるんだからね。」と言ってくれます。私のネガティブもこういう風にポジティブに変えてくれるところ、素敵だなと思うし、とても感謝しています。私のホストファミリーだけではなく、デンマークの人はこういう風にポジティブに考える人が多いです。それに、Quality of lifeやWork life balanceをとても大事にしている人が多いです。趣味の時間や家族の時間、1人の時間など、仕事や勉強ばかりの日常にならないように生活しています。夜はキャンドルを灯してみんなでデザートを食べながら映画を見たり、ギターやピアノを弾きながら一緒に時間を過ごしたりとても素敵です。

 クリスマスやお正月もデンマークの伝統的な祝い方や過ごし方を体験出来て、とても興味深かったです。



語学面について

 学校では3週間ほど前まで英語でコミュニケーションをとっていました。デンマーク語に変えるべきなのはわかってはいましたが、自分のデンマーク語に自信が持てなかったし、怖かったです。これだけ現地の言葉や文化にどっぷりつかることができる最高な環境の中にずっといたのにと、今になってとても後悔しています。

 クラスメートの1人が「クラスの人たちが、メイのデンマーク語の理解力が伸びてることに驚いてたよ。そろそろ英語じゃなくてデンマーク語にしてもいいんじゃない?」と言ってくれたことがきっかけでデンマーク語でクラスメートとも話すようになりました。それともう1つきっかけがあって、日本で同じ高校に通っていて、今は同じくEILからフランスに留学中のHさんに、英語とフランス語どのくらいの割合で話してるの?と聞いたところ、Hさんは家でも学校でも100%フランス語で生活しているそうです。私はとても悔しかったし、とても焦りました。

 一方、ホストファミリーとは、留学4か月目からデンマーク語でコミュニケーションを取り始めました。最初は、分からないことばかりでした。というかほとんど分かりませんでした。たくさん間違えながら学び、ホストファミリーのサポートもあってだんだんと分かるようになりました。今は家では、7割ほどはデンマーク語で生活しています。分からない単語や言い方はとりあえず英語で言って、その後にホストファミリーに教えてもらっています。

 正直言ってデンマークでは、デンマーク語が話せなくても英語がある程度話せれば困ることはほとんどありません。だからこそ、自分から話そう(学ぼう)と努力しなければ言語力は伸びないことを思い知らされています。


 これからの残された留学生活、思いっきり楽しみながらたくさんのことを学んでこようと思います!


 

(写真、文:2022年度デンマーク派遣生 赤星 明さん)

 

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​EILの正式名称は「Experiment in Intertnational Living」このサイトは、EILのプログラムを通じて国際交流体験をした人たちを「Experimenters」と称し、その体験やその後にどう活かされたかを紹介するEILのウェブマガジンです。

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