2022年8月よりEIL高校生交換留学エストニア派遣プログラムに参加している杉山心優さん。今回、杉山さん自身が体験したエストニアのことを多くの人にお伝えしたいと、レポートを書いてくれました。ぜひお楽しみください!
はじめまして!私の体験記を見つけてくださりありがとうございます。2022年度エストニア派遣の杉山心優です。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、EILの交換留学生として留学させていただけていること、とても嬉しく思います。本当にありがとうございます。高校生が交換留学でエストニアに行くこと、これは世間一般ではないと思います。加えてエストニアという国についての情報を持っている人も多くないでしょう。私が体験記を書こうと思った理由は、現在高校生の私が肌で感じたエストニアを多くの人に伝えたいと思ったからです。
今年度のエストニア派遣生は私を含め、3人います。過去の体験談を読んで気づく方もいらっしゃるかもしれませんが、今年度のエストニア派遣生全員が体験記を書いています。私がここでお伝えしたいのは、これはあくまで全て私が体験した話だということです。私たちエストニア派遣生は異なる地域、異なる環境で留学生活を送っています。全く同じものを見て、全く同じことを感じているか、というとそうではありません。是非、そのことを頭の片隅に置いて読んでいただけると嬉しいです!
エストニアとの出会い
私は、あるEILのオンライン説明会に参加するまで、アメリカやカナダなどの英語圏への留学を希望していました。当時の私は非英語圏に飛び込むことを恐れていたのだと思います。英語が通じないかもしれない国でどうやって生活していくのか、という非英語圏に対しての偏見があったからです。しかし、説明会に参加したとき、過去にエストニアに留学をしていたOGの方に出会いました。あの時、説明会に参加をしていなかったら、まずエストニアとの出会いはなかったように思います。
最初にエストニアという国を聞いて、最初に私が口にしたのは「どこ?」という言葉でした。エストニアについて調べてみるとフィンランドの向かい側にあり、ロシアと大陸続きになっている北欧の国であること、歴史が奥深いこと、ITの技術がとても進んでいるということ、多くの人が英語を話すことができるなど、いろいろなことがわかりました。さらに、エストニア人が涙を流しながら歌う、という記事と動画を見つけたときは衝撃を受けました。日本では見たことのない光景だったからです。ただ、学校のことやエストニア国内で現在何が起こっているかなど、わからないことがたくさんありました。それと同時に、語学だけではないものをエストニアで多く吸収できるのではないかと思い、エストニアへの留学を決めました。
交換留学生との出会い
エストニアに到着してすぐに現地の受け入れ団体のもとで、他国からの留学生と3泊4日のオリエンテーションがありました。エストニアに到着してすぐの頃は、留学生同士の会話で質問されたことを聞き取ることはできてもすぐに英語を口に出すことができなかったり、ビザの説明を英語で受けても全ての説明内容を理解することができずに、もう一度ゆっくりと説明を頼むことがあったので、申し訳なさと悔しさでいっぱいでした。
しかし、約1ヶ月半が経過した頃、再び交換留学生同士で集まる機会がありました。そのときは自分の言いたいことを口にして伝えることに抵抗を感じなくなっていて、英語を聞く、話す機会が増えたことから、自分のことを口に出して伝えることが楽しいと感じるようになりました。自分の英語力が上がっていることを実感できたことが、今のモチベーションになっています。
タルトゥ Tartu
私が住んでいるタルトゥはエストニアで第2の都市であるとともに、エストニアの文化と学問の中心として有名で、多くの歴史が残る場所です。またタルトゥはエストニア東部に位置していて、ペイプシ湖というエストニアとロシアの国境にある湖を通してロシアと接しています。エストニアの人口は約133万人(奈良県とほぼ同じ人口)、そのうち約10万人の人々がタルトゥで暮らしています。街の中心にあるタルトゥ大学にはエストニア人だけでなく、世界各国から多くの留学生が通っています。そのため、街中でも英語で会話をしている大学生を見かけることも多々あります。
旧市街やエストニア語で書かれている看板、壁画や国旗など、エストニアに来て2ヶ月が経過した今でも眼に映るもの全てが新鮮です!
私が驚いたことの1つ、りんごが街中の至るところにあります。道端に生えているものに加え、どこの家にも、と言っていいほどりんごの木が生えています。時には、通りかかった人が自由に食べて良いように、自分の庭で採れたりんごを道に出しておいてくれる人もいます。学校内にも、生徒が休み時間にくつろぐことのできる部屋に大量のりんごが置いてあります。これらは全て自由にとって食べて良いもので、味もとても美味しいです!
街での移動は、バスに加えて電動自転車や電動スクーターを利用している人が多いです。バスに乗る際は現金をバスの運転手さんに支払うか、クレジットカードでの支払い、もしくは専用のバスカードを作る必要があります。乗るときのみ、カードを機械にかざしますが、降りるときは特別なことをする必要はありません。バスカード代は何日分使用するかによって値段が異なり、5日・30日・90日・365日の中から自分が乗りたい分の日数を選択して、その分のお金をクレジットカードで払います(ネットから購入することができるのでとても便利です!)。有効期限が切れるまでは、タルトゥ内の市のバスをいつでも好きなときに利用することができます。有効期限が切れたあとも追加で購入が可能です。電動自転車もバスカードを使用して利用することができます。電動スクーターはアプリを入れてレンタルして使うことができます。
ホストファミリー
私のホストファミリーはファザーとマザー、昨年度イタリアに交換留学をしていたシスターの3人です。平日の学校が終わった後は、シスターと一緒に勉強部屋を使っているため、そこでエストニア語を教えてもらったり、学校での出来事やSNSでの話題などで話が盛り上がることが多いです。また、休みの日にはフリーマーケットや動物園、キノコ狩りや魚釣りに行くなど、いろいろな体験をさせてもらっています。そして家にはサウナがあります。週末にサウナを利用することが多く、私もサウナの入り方を教えてもらって使っていますが、すっかりハマってしまいました(笑)。ある日には私がホストファミリーに日本のカレーを振舞いました。エストニアの食事で主食となるものはパスタや米、パン類に加えてジャガイモが主食になることが多いです。そのため、カレーに米とジャガイモを使用していたことから、ホストファミリーにはとても驚かれましたが、味はすごく好評でした。
ホストファミリーにはとにかく話す、わからないことがあれば聞く、ということを心がけています。最初は、少し躊躇いを感じていて言わないで溜め込んでしまっていました。しかし、私の状況を知らないということ、もやもやした気持ちのまま過ごすのはよくないと思い、学校での問題や家事でわからないことがあったときには、すぐに口に出すようにしています。口に出すことで、解決策を見出すことができると同時に、これからどうすれば事態が良い方向に動くのかを考えることができます。いつも手を差し伸べてくれるホストファミリーには感謝の気持ちでいっぱいです。
普段、ファザーとマザーが私に頼みごとをするときや質問をするときは、エストニア語を使用しています。耳が慣れてきたこともあり、質問されたことの多くは理解できるようになってきたのですが、私はそれに対して、わかる単語で答えられるものはエストニア語、そうでなければ英語で答えています。使う時々によって単語の語尾が変化するエストニア語を、ファザーとマザーは「文法が間違っていても私たちは単語を汲み取るから!間違っていたら直すよ!」と言ってくれました。私の中ではそのことがとても大きく、嬉しかったです。2ヶ月が経過した今、エストニア語を自分から積極的に口に出していこうと思います!
(文章・写真 2022年エストニア派遣 杉山心優さん)
EIL高校生交換留学プログラムでは派遣生を募集中です。
資料請求・説明会のお申し込みはこちらから!
Comments