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「世界のみんなと話そう~climate protection~」実施報告

昨年から続く新型コロナウイルス感染拡大の影響で、高校生が他国を訪問し、国際交流を行う機会が失われてしまいました。


2021年6月の1か月間、Experiment.e.V (EIL国際連盟ドイツ事務局)が主催し、各国の高校生たちが気候変動防止について語り合いながら、国際交流を図るオンラインプログラム「世界のみんなと話そう~climate protection~」を実施しました。


EIL国際連盟の加盟国を中心とし、ドイツ、スペイン、イタリア、イギリス、アイルランド、メキシコ、エクアドル、中国、シンガポールそして日本が参加しました。

それぞれの国から約5人の高校生が参加し、気候変動および気候変動防止について学び、そして交流を行いました。


■主なプログラムの内容

・毎週土曜日にオンラインセッション

 ※時差の都合で2つの時間帯で実施(アジア・ヨーロッパ/ヨーロッパ・中米)

 参加者同士の交流/専門家からのレクチャー/意見交換

・課題への取り組み

 土曜日のオンラインセッションの合間に取り組む課題が毎週出されました



■振り返りアンケート結果

 6月末日を持ってプログラムが終了となり、日本から参加した5人に振り返りアンケートを実施しました。その回答の一部を紹介します。



□満足度


□プログラムを通じて気候変動/気候変動防止への関心は


□気候変動/気候変動防止についてどのような学びがありましたか?

  • 様々な動画を通して、気候変動について科学的な視点から学べたり、被害の現状などについて学べたり、レクチャーを通して様々な取り組みについて学べたりした。

  • 気候変動とは工場の排気ガスや車から排出されるものが原因だと思ったていたが、牛肉など肉の生産も気候変動の要因を作るということを知った。このように、自分の知らないことを知ることができ、また各国の気候変動による問題も知ることができ新たな視点を獲得できた。

  • 気候変動について講義を実際に受けることで、今まで学んだことよりも、さらに深く学ぶことができた。特に二酸化炭素の排出量など、数字やデータだけでなく、プログラムや人々の経験がより知れたことは、大きな学びになった。また、外国での考えについても学べた。

  • 今まで見知っていた気候変動防止策を含めて、北欧など他の国の進んだ対策を知ることができ、自らの普段の生活に取り入れ、周囲の人に声掛けをすることが大切だと改めて気づくことが出来た。

  • 各地域で気候変動を象徴する写真を見せ合ったり、専門家を招いて話したりして、気候変動をより深刻にとらえるようになった。肉を食べることは二酸化炭素を多く排出するという内容を含む動画を見てその内容を踏まえて気候変動防止に効果的な方法を話し合う時間があったが、ビーガンになるという意見を持つ人が複数人いて驚いた。それについては賛否が分かれたが、気候変動は人間が食べ物を制限しなくてはいけないほど危機的状態にあるということを強く実感させられ、最も印象に残っている。


□英語の難易度


□英語を共通言語としてプログラムが実施されたことについて感じたこと、学び、どのような苦労があったか、等についてお書きください。

  • 様々なアクセント(特にアジア)の聞き取りに少し苦労し、自分の力不足を感じた。

  • 気候変動についての専門的な単語に苦労した。一部の参加者の英語の発音に慣れていなかったので、少し聞き取るのに苦労した。多分向こうも自分の英語も聞き取り辛かったと思う。

  • 英語を主とするプログラムは初めての参加だったので、単語がなかなか出てこなかったり、意味が通じているのか少し不安になることもあったが、「話さなければ伝わらない」という状況にあったので、よりチャレンジしていく気持ちを持てた。

  • 常に英語を使って参加するプログラムは初めてだったが、スタッフの方の指示や小グループでの会話などは聞き取り、十分理解することが出来た。しかし専門家の方のお話においての専門用語や難しい言葉は聞き取れない部分があり、まだまだ英語学習を頑張りたいと強く感じた。

  • とにかく自分の語彙力の無さに苦しめられた。ブレイクアウトルームでのセッションは短時間で話し合いをしなければならなかったのに、私が英語を話せないせいで、ほかの参加者の方の発言に時間を奪ってしまったり、全体での話し合いの際に急に意見を求められ、自分なりに言いたいことを伝えてみたが全く伝わらず、「what do you mean?」と言われてしまい、言いたいことが言えないもどかしさを感じた。また専門家や大学教授の方のお話を聞ける非常に有意義で大切な時間があったにも関わらず、何をおっしゃっているのかほとんど理解できなかったのも、とても悔しかった。


□海外への関心度



□他国からの参加者との交流での学びや気づき、良かったことなどをお書きください。

  • 積極的に活動している海外の同年代の学生からたくさん刺激をもらうことができた。

  • 他国の参加者の中には自分の考えとは別の視点で考えたり違う分野で考えたりしていて、「そんな考えがあるんだ」と新たな視点の獲得をすることができた。

  • 色々な人と話したり、その人それぞれの意見を聞いたりすることができたことは、とても楽しかったし、コミュニケーションの楽しさを知ることができた。また、相手の言うことを理解しようとする、また自分の意見を考えてまとめ、伝えることは、自分にとって良い経験になった。

  • たくさんの国の方が参加していたことで、たくさんの考え方を知り、よりグローバルな視点で意見を述べることが出来た。

  • 自分にない発想や、その国ならではの問題をその国の視点から話を聞くことができたことができた。かつて日本と戦争をしていた国や、現在も仲の悪い国から同じ思いを抱える高校生が集まり、現在と未来のために試行錯誤するのは、感慨深かった。アジア人差別を懸念していましたが、実際は私が言葉に詰まってしまうたびに何人ものヨーロッパの方が助けてくださって、人種やバックグラウンドにとらわれない、同じ目標に向かって団結する世界各国の高校生の姿にたくさん刺激をもらった。


□英語や国際交流に関することで、今後の生活や人生において、心がけたいことや意識したいと思っている学びがあれば記載してください。

  • 英語は世界共通語であるので、今回いた人たちのように、英語母語話者でない人たちと積極的に英語を使ってコミュニケーションをとっていきたい。

  • 「常に相手の気持ちを意識して行動をする」と言うよりは、「どれだけ相手を受け入れるか」を意識していくことが国際交流において必要だと感じた。

  • 勉強のためという意味合いもあるが、誰かと話すための英語を、もっと学んでいきたい。自分の意見をしっかり伝えられる、または情報を読み取れるように、英語を学んでいきたいと思った。

  • 今回学んだ環境問題だけでなくあらゆる国際問題に目を向け、世界に貢献していきたい。

  • 現在私たちが抱える気候変動をはじめとする国際問題は今に始まったことではなく、対処しきれなかった問題を長年積み上げてしまったことで、現在ほとんど当事者ではない若い世代に解決を任せている非常に無責任な状態にあると思う。だから私はこれからも知識を更新し続け、私たちの子供、孫の世代に課題を伝承しないように、問題解決に携わりたい。その際、日本だけを見るのではなく、世界を見渡して、常に同じ目標を持つ仲間を意識し、行動に移すということを心掛けたい。私は今回のプログラムで同じ目標を持つ仲間を見て刺激をもらって、行動する勇気をもらいたいと思って参加を決意したが、海外の参加者の中には自分で環境問題に関するポッドキャストを配信したり、環境問題への注意喚起を目的としたインスタグラムのアカウントを設けていたり、彼らの行動力に圧倒された。私はまだ行動に移すには知識が不十分すぎるため、これからじっくりと知識をためて、いつか自分が主体となって同じ目標を持つ仲間を率いていけたらと思う。


オンラインセッションでの集合写真
 

EILとしても初めてのオンラインでの国際交流プログラムの実施となり、募集選考の頃から不安もありましたが、参加者のアンケートから、高い満足度であったこと、そして何よりそれぞれに多くの学びがあったことが伺えました。


一日も早く、対面で国際交流が実施できることを待ちながらも、オンラインにおける国際交流の可能性についても学べる、EILにとっても貴重な体験となりました。

これからもEILでは各種の国際交流活動に邁進していきます。


EILの国際交流プログラム

・【高校生向け】 EIL高校生交換留学プログラム

・【18歳以上(シニア含む)】 個人ホームステイプログラム


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​EILの正式名称は「Experiment in Intertnational Living」このサイトは、EILのプログラムを通じて国際交流体験をした人たちを「Experimenters」と称し、その体験やその後にどう活かされたかを紹介するEILのウェブマガジンです。

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