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【高校生交換留学体験談】Y.S.さん(デンマーク派遣)

17 時間前
読了時間: 6分

 2026年8月よりEIL高校生交換留学デンマーク派遣プログラムに参加しているY.S.さん。現在留学生活も2ヶ月目を迎えました。言語の壁に悪戦苦闘しながらも、さまざまなチャレンジを重ねる中で、留学をより充実したものへと変えていった経験をお話しいただきます。留学だからこそ感じられた魅力や、挑戦を通して得られた新たな気づき・マインドとは?リアルな留学体験を通して、共有してくださいます。


 ぜひお楽しみください!


立ちはだかる英語の壁

 「留学」と聞くと、どこか華やかで輝かしい日々を思い浮かべる人が多いかもしれません。でも、私がデンマークの地に降り立ったときに感じていたのは、ワクワク感よりも圧倒的な戸惑いと不安でした。

デンマークでの最初の1カ月。日本とは何もかもが違う環境に、心も体もすっかり参っていました。何よりも最初に大きく立ちはだかったのは言語の壁です。ここでは日本語なんて一切通じません。私が通っている学校には国際的な「IBコース」があり、私はその前段階であるPreIBコースに所属することになりました。そのため授業はすべて英語で行われます。他の学校に通う留学仲間がデンマーク語で苦労しているのを見ると、英語で学べる自分は恵まれているはずだと思うものの、現実は甘くありませんでした。





 日本でもずっと英語を習ってきたはずなのに、いざ授業が始まると先生やクラスメイトが何を話しているのかさっぱり理解できない。「ある程度英語が喋れること」が前提となっているクラスだからこそ、「自分ってこんなにも喋れないんだ」と猛烈な焦りと悔しさが押し寄せてきました。みんなが何を言っているのか理解できたらもっと楽しいはずなのに、仲間と楽しく喋りたいのに——そんな葛藤がずっと胸の奥で渦巻いていました。


 でも周りを見渡すと、そこにはアジア、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカなど、世界中から集まったクラスメイトたちがいました。みんな親元や母国を離れ、同じように初めての環境で挑戦している仲間です。単に「留学に来た」というよりは、まるで新しい学校に「転校してきた」ような不思議な感覚を覚えながらも、「まずは友達を作ろう」「話しかけなきゃ」と思えば思うほど、何を話せばいいのか分からなくなって固まってしまう日々が続きました。



困った時に助けられたマインドセット

 一人で抱えきれなくなった私は、日本でお世話になっていた元担任の先生に連絡を取り、この焦りや苦しさを正直に相談しました。すると先生から、胸に深く刺さる温かい言葉が返ってきたのです。

「初めての留学、うまくいかなくて当然だと思います。焦る必要もないし、たっぷり時間をかけてもがいてくれればいい。安心できる環境の外に成長があるものです。焦るな、うまくやろうとするな。英語というハードルがあるのは当たり前のことだから、予習復習はもちろん、現地の先生に次の授業でやることをあらかじめ聞いて準備するなど、できる限りのことを事前にやってみたらいい。」


 先生の言葉に少し心が軽くなった一方で、私は以前インスタグラムで見かけてから、ずっと心の中で大事にしていたある言葉を思い出していました。

「昨日と同じこと、同じ人、同じ場所、同じ時間、同じ作業をしていても、当たり前に同じ結果にしかならない。」

この言葉をあらためて噛みしめたとき、私はハッとしました。「うまくやろう」と焦るばかりで、ただ現状に落ち込んでいただけだった自分に気づいたのです。「安心できる環境の外にしか成長はないんだ」「もがいていいんだ」と思えたこと、そして「今まで通りの行動を変えなきゃ結果は変わらない」と腹をくくれたことで、肩の力がすっと抜けました。

 それからの私は、とにかく「今まで通りの行動」を変えてみることにしました。授業の前には必ず入念な予習をし、事前に準備できることをコツコツこなす。自分から笑顔で「Hey!」と話しかけてみる。言葉が完全に聞き取れなくても会話の輪の中に居続けてみる。そんな小さな変化と挑戦を積み重ねていきました。





留学生活の変化

 そうしてもがきながら一歩ずつ前へ進むうちに、少しずつ現地の暮らしや授業に心が馴染んでいきました。気づけばあんなに遠く感じていたクラスメイトたちと笑顔で会話ができるようになり、かけがえのない大切な友達ができていました。大変なことばかりだった留学生活が、少しずつ「楽しいもの」へと姿を変え始めていったのです。

 気持ちにゆとりが生まれると、世界はさらに広がっていきました。ホストファミリーや現地の学校の友達に誘われて挑戦したクライミングやフェンシング。そして、心地よい風を感じながらデンマークの美しい街並みや豊かな自然を駆け抜けた自転車旅。どれも日本にいた頃の自分なら、絶対にやっていなかったような新しい体験ばかりです。



「留学」というと「英語力を伸ばすこと」が一番の目的に思われがちですし、確かにコミュニケーション力は大きく育ってきていると思っています。でも、それ以上に私が実感した留学の本当の魅力は、「異国での特別な経験や挑戦が、毎日の『日常』になっていくこと」でした。

 かつては画面や本の中でしか見たことがなかった風景、多様な文化やバックグラウンドを持つ仲間たちとの会話。それらが自分の生活の中に少しずつ溶け込んで、当たり前の景色になっていく。自分の中の「世界」が優しく広がり、自分の人生のノートが色鮮やかに塗り替えられていくような感覚こそが、異文化の中で暮らす何よりの宝物だと感じています。



留学を通して得た気づき

 デンマークで過ごす日々の中で実感したのは、自分の行動や選択を変えないままでは、未来に返ってくるのもやっぱり「今まで通り」の結果でしかないということです。不安でいっぱいだった私が葛藤を乗り越え、友達をつくり、新しいスポーツや旅を楽しめるようになったのは、自分が一歩を踏み出して「行動」を変えたからだと思っています。

 どれだけ心の中で「こうなりたい」と願っていても、行動が昨日と同じなら、明日もきっと同じ日になります。人生も、受験も、これから始める新しい挑戦も、ただ「こうなったらいいな」と思った通りにはならないのかもしれない。でも、思って『行動』することができれば、きっと目の前の未来が変わっていくのかなと思っています。

どん底の不安と焦りから始まったデンマークでの生活は、私に「自分の行動を少し変えれば、置かれた世界も、手に入る結果もちゃんと変わっていく」という優しい自信を与えてくれました。




 もし今、何かに行き詰まりを感じていたり、新しい環境で一歩を踏み出すのをためらったりしているなら、今日からほんの少しだけ「いつもの行動」を変えてみたらいいのではないかと思います。もがいた先、その小さな一歩の先にしか、見たことがない素敵な景色は広がっていないと思うから。だからこそ、もし少しでも「留学をしてみたい」と思えたのなら、勇気を出して一歩踏み出し、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。







(写真、文:2026年デンマーク派遣生 Y.S.さん)

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