
他の国を意識して生活することで養えた客観性=国際力
英語圏は将来的に行く機会があるだろうと思いフランスを選んだ。留学中にホストファミリーが様々な建築物や遺跡を見に連れて行ってくれた。元々医師を目指していたけれど、改めて進路を考えた時、ふとフランスで見たその景色を思い出した。自分が死んだ後もそこにずっと残って、人を感動させるものをつくりたいと思い、建築に進むことに決めた。
全く違う環境で他人と生活していくことで、自分の働きかけがどういう風に人に影響するかということを考えさせられた。自分の主観だけではなく、客観的に見られる力を養ったことで、相手を理解しようとする姿勢が身に付いた。それは留学していなかったら身に付いていなかったと思う。
留学に行く前に「得られるかもしれない」と考えていることと、「実際に得られるもの」は違う。何かを得られることを目的で行っても、それは得られないかもしれない。けれど、それ以上になるかもしれない。留学の意味や価値は、すぐにわかるものではなく、人生を通して小出しで理解していくものだと思っている。今でもフランスに対して常にアンテナが立っている。他の国を意識して生活することで常に日本を客観的に見られる視野の広さは国際力にも繋がっている。

OBのプロフィール
西村 海さん(2004年フランス派遣)
兵庫県明石市出身。
灘高校2年時の2004年夏よりフランスに10ヵ月派遣留学。
帰国後3年生に復学。
2009年東京大学工学部建築学科に入学。
2013年株式会社大林組に設計業務担当として入社。
現在は現場研修中。