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【高校生交換留学体験談】F.K.さん(フィンランド派遣)

EIL独自の奨学金制度の一つ、「EIL留学生奨学金」は、派遣国において交換留学生としての活躍が期待される生徒のための給付型奨学制度です。奨学生の皆さんには、プログラム終了後に体験談を提出いただいています。


本日は、2019年度夏出発の奨学生に選ばれた、フィンランド派遣生F.K.さんの留学体験談をご紹介します!

 

 私はフィンランドに7ヶ月半滞在し、現地の学校 Oulunkylanyhteiskoulu に通いました。そこでの私の生活をお伝えしたいと思います。


私のホストファミリー

 私のホストファミリーは4人家族で犬が1匹いました。ホストファミリーの家族構成はパパ、ママ、妹、弟で、妹が 13 歳で弟が 11 歳でした。お家はフィンランドの首都のヘルシンキ郊外の住宅地にありました。近くにスーパーマーケット、小学校、駅などがあり、車で 10 分行くと大型ショッピングモールもあるという便利な場所でした。私のホストシスターとブラザーは近くの公立小学校に通っており、ホストママは会社を経営していて、パパがその会社の現場監督でした。

 基本的に家庭での使用言語はフィンランド語で、私に話しかけるときのみ英語でした。彼らは私を受け入れることにとても好意的で私がまるで家族であるかのように接してくれました。また、私にたくさんフィンランドのことを教えてくれました。しかし、私の家での過ごし方は日本に居たときとあまり変わらなく、大きな差異は感じませんでした。一つ挙げるとすれば、私のホストファミリーは他のフィンランド人の知り合いと比べてとても社交的だったので、月に一回か、二回ほどホームパーティーを開いていました。





ホストスクール

 ホストスクールは私立の中高一貫校でした。13歳から18歳くらいまでの生徒が在籍しており、総勢800名ほどの中規模の学校でした。また、学校の設備が整えられており、6階建ての校舎に各階7~10ほどの教室がありました。生徒が毎時間教室を移動する、大学のような仕組みで授業を行っていました。校舎は二つに分かれており、生徒なら無料で使えるカフェテリアなどが入っている建物と、普通の授業を行う校舎がありました。中でも私が驚いたのは、ダンスやヨガをするための部屋や、筋トレをするためだけのトレーニングルームがあったことです。それらの部屋は鍵がかかっていない時は誰でも使える仕組みになっていました。

 私のホストスクールは日本の学校と違って行事や部活動にあまり力をいれていませんでした。高校は勉強するところという認識のため校則なども厳しくなく、授業は生徒の自主性によって成り立つようなものが多かったです。例えば、授業中にイヤフォンで音楽を聴いたりパソコンでネットサーフ ィンをする生徒がいても先生が厳しく注意することは少なかったです。宿題などもドリル、問題集の提出よりもエッセイやプレゼンテーションなどが多く、成績は定期考査の点と授業での発言回数、エッセイ、プレゼンテーションでつけられていました。また、日本の高校と違ってホームルームは週に一回の 15 分で参加自由な形でした。


恋人がいる人は赤い服、いない人は緑の服、複雑な事情を抱えている人は黄色の服を着て学校にくる日の様子


 フィンランドの高校の仕組みは日本と大きく違い、一学期1ヶ月半の5学期制です。また、選択科目は学期毎に変わ ります。よって彼らはおおよそ一月で教科書を終わらせ、定期考査を受けていました。生徒は一コマが 75 分の 1 日最大5コマの授業を受けることができます。授業の選択はインター ネット上で高校に上がる前(中学校の最後)にするようでした。私は留学生であったため全て自分の興味に基づいて授業を選択することができましたが、高校一年生の時には学校が定める必修科目があり、フィンランド人の生徒は必修科目も選択していました。高校三年生の最後に大学に入るための共通テストのようなものがあるため生徒は自分が受けるテストの教科を必修として選択しているようでした。

 私の学校生活は楽しく、登校初日で現地人の友達ができました。フィンランドの国民性はシャイであることが有名ですが、思っていた以上にみんなフレンドリーで話し掛けやすかったです。 放課後は友達にヘルシンキを案内してもらったり、ピクニックに行ったり、フィンランド料理を作ったり楽しかったです。みんな英語が上手だったので私がフィンランド語を話すことは少なかったです。フィンランドの高校生は東京の高校生と違って友達の家に集まって遊ぶことが多かったです。また、物価も高いのであまり買い食いなどはしませんでした。


教室内容の様子



フィンランドのクリスマス

 一番思い出に残っているイベントはクリスマスです。12月に入るとヘルシンキの街がクリスマス一色に染まり、ライトアップされた街路樹や、イルミネーションが極夜で真っ暗な街を照らします。クリスマスプレゼントを取り扱うお店が増えて、学校もクリスマスモードになります。食堂ではフィンランドのクリスマス名物であるジャムが入ったパイが給食として提供されますし、グロッキーと呼ばれる少し渋い紫色のジュースも出ます。クリスマス休み1週間前には学校でクリスマスパーティーが開催され、本格的なクリスマスライブを楽しみました。そのほかにも友達の家のクリスマスパーティーに案内されたり、ホストファミリーのお家に友達を招待して『クリスマスにお餅を食べる会』を主催したりして楽しかったです。しかし、一番楽しかったのはクリスマス当日でした。

 クリスマス当日は朝からホストファミリーとお墓詣りに行った後、おばあちゃんの家でシナモンのおかゆを食べました。そのおかゆはクリスマスのおかゆなので仕掛けがあり、中には一粒だけアーモンドが入っています。そのアーモンドがお皿に入っていた人はおばあちゃんからプレゼントがもらえます。午前中はおばあちゃんの家でゆっくりしました。午後には前日のクリスマスマーケットにて調達していた食材を使って、豪華なディナーを作りました。大きな七面鳥を低温でじっくり焼いて香辛料で味付けをしたり、大きな鮭の燻製とサンドイッチケーキを作ったり、ソーセージやスープ、保存の効く食べ物達をありったけ作って机に並べていきます。

 部屋には大きなクリスマスツリーがあり、その下には大量のプレゼントが山積みになっていました。子供達はずっとそわそわしており、部屋の飾り付けを手伝ったり料理を手伝ったりしていました。午後5時ごろになると親戚が集まってきてパーティーが始まります。みんなで喋りながら料理を食べてテレビを見たりゲームして遊んだりしていました。すると、コンコンとノック音の後に玄関からサンタさんが家に入ってきました。ついにプレゼントの時間です。手にはさっきまでツリーの下に隠されていた沢山のプレゼントを持っていました。フィンランドではクリスマスの日にサンタさんの格好をして家を回るバイトがあり、家に訪れるサンタさんは正真正銘の知らない人です。私もいきなり大きな知らないサンタさんがきたのでびっくりしました。プレゼントはサンタさんが直接全員に渡してくれます。プレゼントを渡し終わるとサンタさんはみんなと少し会話してフォッフォッフォ~と言いながら楽しそうに次の家に向かって行ってしまいました。とっても楽しかったです。その日は夜が更けるまでプレゼントを開封して過ごしました。クリスマスはプレゼントの準備や連日のパーティーで大変でしたがとっても楽しく、本場のやり方に則ったクリスマスは新鮮でした。


最後に

 私の留学は新型コロナウイルスの流行により途中で中止となってしまいましたが、私が知りたいと思っていたフィンランド人の学校や教育に関する考え方の片鱗をつかむことができたので有意義な留学となりました。また、かけがえのない友達、そして家族同然のようなホストファミリーを持つという留学でしか味わえない経験が私の自信につながりました。この経験を今後に生かし、より一層勉学に励んでいきたいと思います。


(写真・文/2019年度フィンランド(夏出発)派遣生 F.K.さん)

 

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