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【高校生交換留学体験談】S.Sさん(フランス派遣)Part.3

更新日:2020年11月10日

連載でお伝えしている、EIL高校生交換留学プログラムにてフランスに滞在中のS.Sさんの留学体験談。


今回は、フランス生活3ヶ月目、フランスではバカンス休暇のシーズン。

休暇中は、ホストファミリーと過ごす時間も増え、沢山お話ができたとのこと。

そんな日々の会話と通して見えてきた、フランスが抱える社会問題について書いてくださいました!


これまでの投稿はこちら!

 

今日でフランスへ来て早、3ヶ月が経ちました。毎月ごとに、時間が経つのが早くなってる気がします。この1ヶ月も今までに感じたことのないくらい早く過ぎました。この1ヶ月は半分ほどがバカンス休暇で家族や友達と多くの時間を過しました。今回は主にバカンスでの出来事を書きたいと思います。


フランスでは約6週間学校に行くと2週間のバカンス休暇があり、年間で4回のバカンスと夏休みが2ヶ月ほどあります。これは全ての学校共通(高校まで)で決まっており、地域によって始まる日が少し違ったりしますが、全ての学校がバカンス休暇があります。私は10月の最後の2週間がバカンスでした。フランスでは“休みのために学校を頑張る“という感じで、休みがある分学校や仕事も無理せずにできるのではないかと思いました。


バカンス中は友達と街で遊んだり、私のお家で一緒に勉強したり、日本食を作ったりと友達とも沢山遊びました。家族の中でバカンスがあるのは中学生のブラザーと私とマザーだけで、大学生のブラザーは学校で、ファザーも仕事だったので、バカンス中は主にマザー、ブラザーと時間を過ごし、今月はおにぎり、味噌汁、卵焼き、ミルフィーユ鍋など様々な日本食を作り、また様々なフランス料理も学びました。

この1ヶ月はファミリーと日本とフランスの抱えてる問題や文化について沢山話し、フランスと日本について深く考えた1ヶ月でした。家族と話した中で興味深かったものについて話したいと思います。


まず、私がとても興味を持ったのがフランスの教育・育児制度についてです。フランスでは3歳から義務教育が始まり、16歳(高一)まで義務教育です。しかしフランスは飛び級や留年をする生徒も沢山いて一概にこの学年までという制限がありません。また義務教育が終わったからと言って高校からお金がかかる訳ではなく、中等教育(高校まで)は公立の場合、全て無償です。また高等教育(大学:フランスには大学のようなものが沢山あり、一概に大学とまとめられません)でも国立であれば授業料は無料です。私が日本の貧困のお話をして、日本では経済的理由で進学を諦める人も沢山いる。学校とバイトで勉強に集中出来ず、そこから辞めていく人も沢山いることをお話すると、ホストマザーがフランスではほとんどの生徒が経済的な心配なしで学校に行くことができると言っていました。私が学校でお金かかるの何がある?と聞くとお昼代くらいという程、教育制度がとても整っているそうです。それに加え給食代は家庭の収入によって変わり、経済的に厳しくても同じ給食を安い価格で食べることが出来ます。またアレルギーやお家で食べることを望めば、お昼時間にお家に帰って食べることもできます。フランスでは基本的に教育ではお金がかからず、子供は勉強に集中でき、家族も子供の学費に頭を抱えることはあまりないそうです。


学校制度がとても整っているフランスですが、それだけではなく義務教育に入る前の保育園でも制度が充実していると感じました。私のホストマザーのお仕事が認定保育士(Assistantes maternelles)というお仕事で、保育士としてお家で子供を預かります。このお仕事は1人につき4人まで子供を見ることが出来ます。マザーが保育士さんでフランスの保育制度など沢山お話を聞きました。 フランスの保育料は公立の保育園であれば収入によって変わり、その他にもフランスには色々な保育の形があるのですが、それぞれの家庭のやり方にあった保育を見つけることができます。フランスでは保育園と同じようにこの認可保育士の方が沢山いるので、ほとんどの子達が保育園に入ることができるそうで、フランスでは子育てをする家庭に対してとても制度が厚く、子育てをしやすい環境が整っていると感じました。


その他に制服についてお話した際に日本はまだ固定観念やジェンダーについて考えが広まっていないことを伝えると、フランスも平等までは行かないけど少しずつ変わってきていると言っていました。その時にクリスマスプレゼントのカタログを見せてくれ、以前までは男子のプレゼント・女子のプレゼントで別れていたものが、テレビゲーム、おままごと、お人形と、カテゴリー別になり、またそれぞれのカテゴリーに男女とも写真に写っており、この遊びは男の子、女の子という括りでは無くなっているとお話してくれました。フランスはジェンダーキャップ指数14位で、日本は110位で、データで見るのも分かりやすいですが、実際にこうして身近に男女平等の考えがあるのを感じました。


またフランスでの失業保障の話で、フランスでは失業したあと2年間は厚い手当があり、その後も少なくはなるそうですが手当があるそうです。失業してもその後の就職に専念できますが、その制度に頼り働かない人も多いそうです。


そんなフランスですがもちろん抱えてる問題もあり、先日テレビで配偶者殺害のことを取り上げていた際に家族がフランスでは2日や3日に1人配偶者殺害で亡くなっている方がいると言っていました。たとえ警察に相談しても相手にして貰えず、気づいた時には遅いというケースが多いそうです。配偶者殺害が増えてきたのはここ最近のことでそれに対しての法律がきちんとしていなかったそうで、被害者があまり守られていなかったそうです。これ以上被害者が出ないことを願うと家族と話しました。


先月31日。10/31はウチナーンチュにとって忘れられない出来事が起きました。私は洗い物をし終えて、家族と映画を見ようとしていた時に、ふとケータイを見ると首里城のことが入ってきました。何が起きているのかわからず、とても動揺して、家族にただ首里城の動画を見せました。この出来事の一週間ほど前に家族に首里城についてお話をしたばかりで、家族も「あの綺麗なお城?」と、とても驚いていました。私は留学前に首里城へ行き、そこでのパンフレットやシールやファイルなどをファミリーに見せようと持ってきていました。沖縄の宝であるものを失った悲しみはとても大きいですが、今私にできることは首里城や沖縄のことをより多くの人に伝えることだと思ったので、その後パンフレットを開き、インターネットで検索したりして首里城についてもう一度学びました。とても辛いことですが、前を向いてこれからに繋げられるように私も頑張ろうと思いました。


11/4はホストマザーの誕生日で、手作りのプレゼントをプレゼントしました。今年で50歳になり、節目ということで9日に50人ほど集まりパーティーがありました。その際、私が折り紙で作った花をテーブルに並べると、多くの人達がとても綺麗と褒めてくれ、最終的に花はほとんど残らず、とても好評でした。パーティーでは様々な方が来ていて沢山お話が出来てとても楽しかったです。色々な方と沖縄の話をしてとても興味を持ってくれて嬉しかったです。また参加者の方々は色々な地方から来ていて、ベルギーや、南の地方などの方とお話をした際、アクセントなどいつも話しているフランス語とは違うフランス語が聞き取れてとても面白かったです。またベルギーでは70、80、90の言い方が違うことなど新しいことも沢山知り、とても興味深かったです。

先日哲学の授業でマララ・ユスフザイさんのことをグループ発表した際に、私も他の生徒と同じように発表し、20点中平均14点の13点ををもらえ、初めて他の生徒と同じように授業に参加することが出来、とても嬉しかったです。これからも少しずつ発表などしていきたいです。


この1ヶ月はとても早かった1ヶ月で、その中で沢山のことを学び、考えた1ヶ月でした。今月は学校の勉強も頑張り、家族や友達とより多くのことを話せるように頑張ります。


(写真、文:2019年度フランス派遣生 S.Sさん)

 

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